FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:連騰による利益確定売り優勢

寄り付きは5日の米国株の上昇を受けて高く始まったものの、寄り付きを高値に早々に失速した。しばらく前日終値近辺で一進一退が続いたが、値下がり銘柄も多い中、次第に下方向に勢いがついた。3万円近辺ではいったん下げ渋る動きが見られたものの、節目を割り込むと売りが加速した。3月24日安値から前日まで1800円幅の上昇を記録しただけに、利益確定売りも出やすかった。結局、前営業日比392円安の2万9696円と4日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下でドル売り優勢

ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りに支えられ、110.35円付近へじり高となった。最近発表されている米経済指標が好調で、米経済は順調に回復しているとの見方が広がっていることもドルの押し上げ要因になった。午後もこの流れは続き、110.40円付近まで値を上げた。しかし、米長期金利が低下しているため、日米金利差縮小が意識される中でドルの上値は重かった。その後は、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めてドル売り・円買いが入り、110.15円付近へ下落した。ユーロ/ドルは、イースター休暇明けとなる欧州勢の動向を見極めたいとの雰囲気もあり、1.18ドル台前半で方向感に欠ける値動きとなった。

 

日本の需給ギャップは3期連続マイナス:経済停滞とデフレの兆し

日銀は5日、日本経済全体の需要と潜在的な供給力の差を示す『需給ギャップ』の推計値が2020年10~12月期はマイナス2.01%だったと発表した。マイナスは3四半期連続となった。マイナス幅は同年7~9月期のマイナス3.37%から縮小したが、新型コロナ禍による経済停滞で需要が供給を下回る状態が続いている。

 

トルコのCPIは6ヵ月連続で前回上回る結果

3月消費者物価指数(CPI)は前月比+1.08%、前年比+16.19%とほぼ市場予想に沿った結果となった。トルコCPIはほぼ予想通りだったとはいえ、前年比は6カ月連続で前回を上回り続けている。また、3月トルコ生産者物価指数は前年比+31.2%と2月の+27.09%から大きく上振れし、2019年4月以来の水準を記録した。インフレの悪化は今後も避けられそうになく、経済活動に支障をきたすことにもなる。カブジュオール・新トルコ中銀総裁による金融政策の舵取りも難しくなる。新総裁は現状の引き締めスタンスの維持を表明しているが、今後『維持』だけではインフレを抑制できないことも十分考えられる。

 

8日のメキシコのCPIに注目:中銀のインフレ目標の上抜けが確実視

メキシコ国内での注目は、8日発表の3月メキシコ消費者物価指数(CPI)となる。市場予想は前年比で4.67%上昇となっており、メキシコ銀行(中央銀行)のインフレ目標(3.0%の±1.0%)上限を5カ月ぶりに上抜けることが確実視されている。3月前半のインフレ率が4.12%とすでにインフレ目標の上限を上抜けていたが、8日のCPI次第ではさらにインフレに対する注目が集まることになる。中銀当局者もインフレ圧力の高まりには懸念を示しており、金融緩和再開への道が一段と遠のくことになれば、高金利通貨としての一面もあるペソにとってはプラス材料になる。

 

ゴールドマン・サックス・グループはドル安戦術から退却

ゴールドマン・サックス・グループは約半年前に始めたドル安を見込む取引をやめ、顧客への助言も撤回した。同社の為替チームは『戦術的退却』と題したリポートで、オーストラリア・ドルやニュージーランド・ドルを含むG10資源通貨のバスケットに対し勧めてきたドルのショート(売り持ち)ポジション構築を解消した。米国債利回りの上昇でドルが買われ、ヘッジファンドやその他の投資家もドル安見込みを撤回している。

 

強いISM非製造業指数を受け早期利上げ観測も

米供給管理協会(ISM)が発表した3月ISM非製造業景況指数は63.7と、2月55.3から予想59.0以上に上昇し、1997年来で最高を記録した。活動の拡大と縮小の境目となる50を10カ月連続で上回った。景況指数は69.4と、2月55.5から上昇し、1997年統計開始以降最高となった。重要項目の新規受注も67.2と、2月51.9から上昇し過去最高を記録した。ワクチン接種ペースの加速で経済活動の再開にも拍車がかかり、一段と強い回復に期待が集まる。3月雇用統計に続いて強いISM非製造業指数を受けて、早期の利上げ観測も強まりつつある。

 

米国市場では7日にFOMC議事要旨が公表:3月16-17日分

現状は3月FOMCを含めて、米連邦準備理事会(FRB)は『2023年末までの超低金利政策継続』、『足元のインフレ上昇は短期的で限定的』、『雇用の完全回復には時間』といった慎重姿勢をメインとしている。今週以降に改めてこうした姿勢が再確認されると、ドルの上値抑制や調整ドル安につながる余地をはらむ。一方で前週はバイデン米大統領が、新たな大型インフラ投資計画案を打ち出したほか、米国の雇用統計は大幅な改善となっている。こうした要因により、微妙に利上げ時期の前倒し示唆や先行きの景気とインフレに過熱警戒感などが見られ始めると、為替相場ではドル高が支援されやすい。ただしその場合、米国株には悪材料となる。FRBが微妙に市場のリスク軽視やバブル熱狂への警告姿勢を強めてくると、リスク回避による米株安と円高、対円以外での安全逃避のドル高に作用する余地も残されている。

 

欧米市場イベント

○18:00   2月ユーロ圏失業率(予想:8.1%)
○7日01:00  3月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.6%)
○国際通貨基金(IMF)、世界経済見通しを公表
○香港(イースターマンデーの振り替え)、休場

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