FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:配当落ちでも強い相場を継続

配当落ちの影響が180円程度ある中でも、寄り付きは20円程度の下落にとどまった。実質的にはプラスのスタートを受けてすぐにプラス圏に浮上したが、29500円に接近したところでは上値が抑えられた。そこからしばらくは前日終値近辺でもみ合ったが、次第にマイナス圏が定着した。ただ、下げ幅を3桁に広げたところでは買いが入って持ち直し、小幅な下落で前場の取引を終えた。午後からも手掛かり材料に乏しく堅調を保ったものの模様眺めムードが強くなった。結局、前営業日比48円高の2万9432円と4日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:110.00円を目の前にして足踏みの展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや米長期金利上昇に支えられ、110円台乗せをうかがう展開となった。前日にバイデン米大統領が『4月19日にまで9割の成人に新型コロナウイルスのワクチン接種を行う』と発言したことも、ドルの押し上げ要因となった。午後は、心理的節目の110.00円を目の前にして足踏み状態が続き、109.95円前後で小動きになった。バイデン米大統領が31日に発表するインフラ投資計画を控え、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.1760ドル台を中心とした狭いレンジで取引された。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ババを引いたのが野村證券とCSが実情

昨日、アジア時間帯から話題になっていた一部HF(ヘッジファンド)の清算に伴う大手証券の巨額損失問題は、NY時間に入ると不透明感がかなり払しょくされることになり落ち着きを取り戻した。ファンドの清算を余儀なくされたことから、信用供与も含めて取引を管理していたプライムブローカーのGS、MS、CS、UBS、野村證券の担当者が一堂に会して市場を混乱させないように処理する方法を模索した。それぞれがブロック取引でポジションをHFから引き取ったまでは良かった。しかし、どういった経緯かは分からないが、この中の数社がこそこそと少しずつ市場に売り始めたことが判明した。それを察知したGSが先週末に一斉にポジションを閉めにかかると、その1時間後にはMSも同様に売り始めてしまうというチキンレースになった模様である。結果として売り遅れてしまったCSと野村證券がババを引く形となったというのが実情だったようである。当然、金融システム全体に及ぼす影響は軽微であるわけで、NYダウが買い戻されたことも納得がいく動きとなった。

 

日銀短観の企業の想定為替レートに注目

日本では4月1日に日銀短観が公表される。注目されるのは企業の想定為替(ドル/円)レートだ。前回12月調査は全規模・全産業ベースで、1ドル=106.79円となっていた。
今回は小幅なドル高修正にとどまり、現状の109円前後からドル安水準になっていると、ドルの売り手である輸出企業には余裕が意識され、『焦ってドル売りに動くドル戻り売り圧力』が緩和される。反対にドルの買い手である輸入企業は、『ドル高レベルでドル買いを迫られることへの焦り』が増大する。ドル押し目買い姿勢が前のめりとなる可能性もあり、ドルの下切り上がりに寄与する可能性もある。

 

国内からエルドアン大統領への不信感

エルドアン大統領は昨日、トルコ国民に向けて外貨資産をリラ資産に移すよう再び訴えたが、その言葉に従う人が多いとは思えない。インフレ抑制策に積極的な取り組みをみせてきたアーバル氏を中銀総裁の席から追い出したことで、国内からの不信感も高まるばかりである。また、トルコ政府は、新型コロナウイルス感染が再拡大していることから、58の都市で週末2日間の外出禁止令を出した。また来月半ばから始まるラマダン時期の行動制限も発表している。ワクチンの接種は進んでいるとされているが、感染者数は逆に増えており、トルコの正常化にはまだまだ時間がかかる。


アフリカの金融機関は回復テンポが早い:南アランド相場には無反応

週末にコンサルティング会社のマッキンゼー社がアフリカ(中でも南アとケニア)の金融機関は、先進国よりも早く新型コロナウィルス流行前の水準に回復するというレポートが発表した。その理由としては両国の金融機関には十分な貸倒引当金があることとされている。しかし、市場に与える影響はなかった。

 

米国市場では3月CB消費者信頼感指数が公表

前回実績は91.3だった。先行指標的な3月ミシガン大学消費者信頼感指数は83.0で2月実績の76.8を大幅に上回った。新型コロナウイルスの感染流行は終息していないものの、ワクチン接種のペース加速や追加経済対策などの効果が期待できることから、3月の数値は2月実績を上回る可能性が高い。

 

欧米市場イベント

○15:00   2月独輸入物価指数(予想:前月比1.3%/前年比1.1%)
○15:00   2月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比9.00%)
○15:45   3月仏消費者信頼感指数(予想:91)
○16:00   3月スイスKOF景気先行指数(予想:104.6)
○18:00   3月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:96.0)
○18:00   3月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲10.8)
○21:00   3月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.5%/前年比1.7%)
○22:00   1月米住宅価格指数(予想:前月比1.2%)
○22:00    1月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比11.0%)
○22:00   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○23:00   3月米消費者信頼感指数(予想:96.9)
○24:00   センテノ・ポルトガル中銀総裁、議会証言
○31日03:30   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討議に参加
〇国連安全保障理事会、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて非公式の緊急会合

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ