FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価はアジア株上昇でリスク選好の買い優勢

前日NYダウが219ドル安の反落にも値ごろ感を意識した買いが先行した。また、上海や台湾などアジア株上昇を横目に投資家心理が改善し、米中『貿易摩擦』で中国等アジア減速への警戒感がやや後退して輸出関連株中心に見直し買いが入った。結局、前日比255円高の2万2187円で反発して取引を終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好のドル買いが優勢に

ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りや日経平均株価の堅調推移に支えられ、一時112.34円まで上昇した。動向が注目されていた上海総合株価指数がマイナス圏からプラス圏へ転じたことも、リスク選好の円売りを誘った。午後もこの流れが続き、一時112.38円まで値を上げて半年ぶりの高値を付けた。しかし、利益確定売りや持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、112.20円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.16ドル台後半で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場ではECB定例理事会の議事要旨が公表(6月14日分)

ECB議事要旨は、開示され始めて歴史が浅いためか、市場は通常さほど目立った動きを示さないことが多い。しかし昨日、利上げ時期への言及で一時ユーロ買いが優勢となる局面もあったため、いつもより神経質に反応することが考えられる。

 

南アフリカの経済対策で企業景況感持ち直すか注目

南アフリカ商工会議所(SACCI)が発表する企業景況感は、ラマポーザ大統領の経済対策への期待から1月に99.7まで上昇したが、その後は一本調子で低下した。10日発表の6月分は93.7と昨年10月以来の低水準となった。南ア議会は6日、『ラマポーザ大統領が2週間以内に、燃料価格の上昇と最近の付加価値税(VAT)の引き上げに対処するための経済対策を発表する』ことを明らかにしており、新経済対策が企業景況感の低下に歯止めを掛けることができるか、来月10-18日に予定される7月分の結果を見定めたいところだ。

 

米中貿易戦争も水面下では改善方向も

米中貿易摩擦が深刻化する可能性が警戒されている。米国のトランプ政権は、2000億ドル相当の中国からの輸入品に追加関税を賦課する計画を発表した。これに対し、中国も早速、報復措置をとると訴えた。ただ、関税で規模的に米国と対抗できない中国は、M&Aの承認を遅らせるなど他の報復措置を検討していると報じられている。中国は人民元を人為的に切り下げることも可能だ。中国人民元は対ドルで急落し、2015年8月以来で最大の下落幅を記録し、ドルを押し上げる一因ともなっている。
警戒感をよそに、貿易論争が改善する兆候も見られる。当初、トランプ大統領は1000億ドル相当の中国輸入品に対して25%の関税を発動するとしていたが、決局2000億ドル相当の輸入品に10%の関税を課す計画に変更した。全体的には方針を緩めた形となった。米中貿易協議が水面下で進んでいる兆候も見られる。米国のサプライヤー業者との取引を禁じられている中国通信機器メーカー、中興通訊(ZTE)が制裁解除に向け一歩前進したと述べた。

 

米国市場では6月消費者物価指数(CPI)が公表

5月実績は前年比+2.8%、コア指数前年比+2.2%と堅調推移となった。エネルギー価格の上昇の影響が出ているとみられる。6月についても原材料価格や家賃代の上昇が続いていることから、6月CPIは前年比+2.9%、コア指数前年比+2.3%と5月実績を上回る見通しとなっている。市場予想と一致した場合、6月のFOMC議事要旨から年4回利上げへの基地アは持続し、ドルの下支え要因となる。

 

欧米イベント

○15:00   6月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%)
○15:45   6月仏CPI改定値(予想:前月比0.1%/前年比2.1%)
○16:30   6月スウェーデンCPI(予想:前月比0.2%/前年比2.1%)
        コア指数(予想:前月比0.3%/前年比2.3%)
○18:00   5月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比1.2%)
○20:30   欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(6月14日分)
○21:00   5月インド鉱工業生産(予想:前年同月比5.2%)
○21:00   5月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比2.2%)
○21:30   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○21:30   5月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:22万5000件)
○21:30   6月米CPI(予想:前月比0.2%/前年比2.9%)
      エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.3%)
○13日01:15   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○13日02:00   米財務省、30年債(140億ドル)入札
○13日03:00   6月米月次財政収支(予想:982億ドルの赤字)
○ユーロ圏財務相会合

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ