FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:日銀金融政策決定会合の結果を受け一時急落

米国株式市場で、米長期金利の上昇を嫌気して主要3指数がそろって下落した流れを引き継ぎ、寄り付きから大きく下落した。その後は日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えて様子見ムードが強まり、日経平均は3万円近辺でのもみ合いが継続した。日銀の金融政策決定会合の結果発表を受け、急速に軟化した。日銀の金融政策の点検で、今後はTOPIX連動もののみを購入することを決定したことが嫌気された。結局、前営業日比424円安の2万9792円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:日銀金融政策決定会合直後に円買い強まる

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りが持ち込まれ、109.10円付近へじり高となった。米長期金利が高止まりしており、日米金利差拡大が意識されたこともドルの押し上げにつながった。ただ、日経平均株価が軟調だったことからドル買い・円売りは続かず、109.00円を挟んでもみ合いとなった。昼過ぎに、日銀金融政策決定会合で金融緩和政策を点検し、結果を発表した。そして、長期金利の許容変動幅をプラスマイナス0.25%程度に拡大すること表明した。事前に報道されていた観測記事通りの内容だったため、ドル/円は持ち高調整などのドル買い・円売りが入り、109.13円付近まで急上昇する場面があった。ところが、日銀はETFの買い入れ目標について、原則年6兆円としてきた購入額の目安をなくし、今後は購入対象をTOPIX連動型に限定することを決めた。これを嫌気して日経平均株価が急速に下げ幅を拡大すると、リスク回避の円買いが強まり、108.85円付近へ下落する荒い値動きとなった。ユーロ/ドルは、1.19ドル台前半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中高官の直接協議始まる:異例の激しい応酬

米中直接会談が18日、アラスカ州アンカレジで始まった。会談の冒頭から報道陣の前で激しい非難の欧州が繰り広げられる異例の展開となり、対立の深刻さを浮き彫りにした。今回の協議で両国の合意が見込める分野はほとんどないもよう。協議は夜まで続き、19日も継続される見通しである。

 

英中銀は政策据え置き:先行きは不透明

英中央銀行は18日政策金利を予想通り0.10%に据え置き、資産買い入れ枠も据え置いた。国内経済には新型コロナウイルスによる落ち込みから回復の兆しがあるが先行きは不透明と協調し、早期に金融引き締めに動くとの憶測を否定した。中銀は『前回の金融政策委員会以降、当面の経済活動に関するニュースは前向きなものだったが、中期的な見通しをどの程度変えたかはそれほど明確ではない』と指摘した。『見通しに対するリスクバランスは、委員によって程度が異なる』とした。コロナ対策の規制は、中銀が先月考えていたよりも『やや早めに』解除される可能性があるとの見方を示した。

 

トルコ中銀は市場予想以上の利上げ:金融引き締めスタンス変更なし

トルコ中銀は主要政策金利である1週間物レポ金利を2%引き上げ、年19%にすると決めた。市場参加者の間では利上げ幅を1%との予想が多く、その倍の幅の利上げはサプライズとなった。トルコ中銀は声明で『中期的なインフレ見通しの上方リスクを考慮し、前倒しで協力な追加の金融引き締めを実施することを決めた』と説明した。『金融引き締めの姿勢は断固として維持する』とし『必要に応じて追加の金融引き締めを行う』とも述べ、政策姿勢は『インフレファイター』であることを強調した。

 

メキシコでは工場操業を一時停止:ホンダやトヨタ

メキシコではホンダやトヨタなどがメキシコの工場操業を一時停止すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大や先月メキシコを襲った悪天候の影響、半導体などの部品不足などを理由に挙げている。一方、バイデン米大統領は英アストラゼネカ製の新型コロナワクチン(米確保分在庫)をメキシコやカナダに送ることを検討しているとの報道も伝わっている。メキシコとの間では今週中にも合意の可能性があるとされており、メキシコでのワクチン接種ペースが今後加速することも期待される。

 

全米の製造業活動は活発化:市場は30年ぶりのインフレを懸念

地区連銀製造業景気指数の上昇を受けて、全米の製造業活動を示すISM製造業指数も1983年来で最高に達する可能性が示唆された。この年のGDPは7.9%。2021年も米連邦準備制度理事会(FRB)の見通しで6.5%成長と、1984年来で最大の伸びを予想している。ゴールドマンサックスは8%成長を予想している。
1980年代はインフレの高騰がもとで、景気後退入りしている。市場は30年ぶりのインフレを懸念している。一方、パウエル議長は大規模経済対策やワクチンという一時的な要因により見通しを押し上げたが、労働市場は依然スラックが多く、最大雇用には程遠く、金融緩和の縮小に言及する時期ではないと、慎重姿勢を保った。長期金利の上昇も現在のところ懸念を表明していない。

 

欧米市場イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○16:00   2月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.7%)
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:4.25%で据え置き)
○19:45   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:30   1月カナダ小売売上高(予想:前月比▲3.0%/自動車を除く前月比▲2.6%)
○22:00   カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○20日01:00   2月ロシア失業率(予想:5.7%)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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