FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:日米の中銀会合を控え様子見ムード強い

前場は小幅に上昇して節目3万円に接近する場面もあったが、日米の中銀会合を控え積極的に運用リスクを取る投資家が限られ小幅な値動きに終始した。これまで買われてきた景気敏感のバリュー(割安)株にはいったん売りが目立った半面、グロース(成長)株の一角には買いが入り、指数の下値は限定的だった。結局、前営業日比6円安の2万9914円と7営業日ぶりに小幅に反落した。信用評価損率は12日申し込み時点でマイナス8.1%と、前週のマイナス10.21%からマイナス幅が2.11ポイント縮小した。改善は4週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:米FOMC結果待ちで狭いレンジ相場

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、109.17円まで値を上げた。米長期金利が一時1.63%付近まで上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。しかし、前日につけた高値109.29円が視野に入りすると上げは一服した。その後は、短期筋による利食い売りも見られ、109.10を挟んでもみ合いとなった。午後は、米長期金利や日経平均株価の動向を睨みながら、109.10円台を中心とした狭いレンジで取引された。米FOMC結果発表を控え、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.190ドルを挟んで小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ECBは早過ぎる金利上昇は許さず:レーン理事の見解

ECBは経済が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)と闘い続ける中で、金利があまりにも早く上昇するのを許さないとの見解をチーフエコノミストのレーン理事が示した。同理事は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、『われわれの目標は基本的に、全体的な調達環境決定で重要な役割を演じるイールドカーブが経済情勢に先行しないようにすることだ』と述べた。『調達環境全体を注視することによって、短期金利だけを焦点とする金融政策からシフトする』とし、長期金利も重要だと論じた。

 

フォード・モーターがトルコで電気自動車を生産

フォード・モーターが、おもに欧州向けとなる電気自動車などの次世代モデルを2023年後半からトルコで生産すると発表したことが好感された。また、先週末にエルドアン・トルコ大統領が立ち上げを発表した物価安定委員会について、エルバン財務相は昨日、委員会は金融政策を補完するものであり、価格競争メカニズムを壊すものではないと述べ、市場の不安を和らげた。

米フォードの発表によれば、トルコのコチ財閥との合弁企業『フォード・オトサン』が次世代モデルの生産をするとされた。現在約44万台のフォード・オトサンの総生産台数は65万台まで増加する見通しである。2年以上先のことではあるが、輸出拡大が見込まれることはリラにとってはポジティブ材料となる。

 

南アフリカでは1月の小売売上高が公表

南アフリカでは1月の小売売上高が発表される。1月はレベル3のロックダウンを行っていたこともあり、マイナス予想となっている。本来ならランド円は結果次第で動意づくのだが、本日のFOMCまでは動きにくいと思われる。

・20:00 1月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲2.4%)

 

メキシコでは電力産業法の改定案を巡って混乱

メキシコでは電力産業法の改定法案を巡って問題が発生した。同法案は国営電力公社(CFE)を優遇し、再生可能エネルギーなどを手掛ける民間企業にとって不利な内容となるものである。経済界からの反対を押し切って10日に施行したばかりだが、裁判所は同日に適用を暫定的に差し止めることをエネルギー省に命じた。裁判所は今回の裁定について自由競争に関する基本的権利を侵害し、電力の消費者にも悪影響を与えうるとしている。ロペスオブラドール大統領が推し進める国家主導のエネルギー戦略も壁にぶつかった格好だが、大統領はこの裁定を不服として最高裁まで争う姿勢を示しており、今後も行方を注目する必要がある。

 

米2月小売売上高は昨年4月来で最大の落ち込み

商務省が発表した2月小売売上高は前月比3.0%減と、1月5.3%増からマイナスに転じ予想も下回った。パンデミックで経済封鎖が始まったばかりの昨年4月来で最大の落ち込みとなった。1月は昨年12月に成立した9000億ドル規模の追加経済対策の一環となった国民に対する600ドル規模の直接現金支給が奏功し6月来で最大の伸びを記録した。2月の減少は想定内だったが、予想以上の悪化となった。
1月の指数を押し上げた追加経済対策効果がなくなったほか、悪天候が指数を押し下げたと見られる。

 

米長期金利の2%上昇で米国株の下落調の可能性も

バンク・オブ・アメリカ(B of A)の3月のグローバルファンドマネジャー調査では、10年物米国債利回りが2%に上昇すれば10%を超える株式相場の調整が起こり得るとの見方が示された。今後1年のインフレ加速を見込む回答は差し引きで93%と過去最高となった。米連邦準備制度の利上げ開始は23年2月と見込まれている。景気加速を見込む回答も同91%と調査開始後の最高だった。

かつて『債券王』と呼ばれたビル・グロース氏は16日、米国債をショート(売り持ち)にしていることを明らかにするとともに、向こう数カ月に米インフレ率が3-4%に加速するとの見通しを示した。グロース氏は、1兆9000億ドル(約207兆円)の追加経済対策やインフラ支出案を含む『相当な』規模の財政出動に加え、勢いのある家計所得を背景に物価上昇圧力が高まっていると指摘した。

 

欧米市場イベント

○19:00   2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比0.9%)
○19:00   2月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比1.1%)
○19:00   1月ユーロ圏建設支出
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   1月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲2.4%)
○21:30   2月カナダCPI(予想:前月比0.7%/前年比1.3%)
○21:30   2月米住宅着工件数(予想:156.0万件、前月比▲1.0%)
○21:30   2月米建設許可件数(予想:175.0万件、前月比▲7.2%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○18日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○18日03:00   FOMC、経済・金利見通し発表
○18日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○18日06:00~   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:2.50%に引き上げ)
○英中銀金融政策委員会(MPC、18日まで)
○オランダ下院選

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