FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:リスク選好から一時3万円台回復

前日の米国株高や米長期金利の上昇一服で市場には安心感が広がり、値がさのハイテク株や半導体関連株を買い戻す動きが活発になった。日経平均株価は一時、2月25日以来の3万円台を回復した。市場では、米長期金利の上昇一服や米追加経済対策での現金給付が進む中、マーケットには安心感が広がっているとの指摘もあった。結局、前営業日比151円高の2万9921円と6営業日続伸した。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売りで底堅い展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売り先行し、109.25円付近まで値を上げた。日経平均株価の上げ幅拡大もリスク選好の円売りを誘った。しかし、前日につけたおよそ9ヵ月ぶりの高値109.36円が意識され、追随する動きは見られなかった。その後は、米長期金利の上昇が一服していることからドル売りが入り、109.20円を挟んだもみ合い相場となった。午後は、米長期金利や日経平均株価の動向を睨みながら、109.10円台を中心とした狭いレンジで取引された。今週予定されている米FOMCや日銀金融政策決定会合のイベントを前に、様子見を決め込む市場参加者も多かった。ユーロ/ドルは、前日の海外時間に下落した変動から利益確定などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.1940ドル近くへじり高となった。

 

18日トルコ中銀会合では1%の利上げは織り込む

トルコの2月住宅販売指標がさえなかったことが重石となった。ただ、利上げが確実視されるトルコ中銀金融政策決定会合を18日に控えて、売りの勢いは続かなかった。18日中銀会合に対し、市場は既に1%利上げ(1週間レポレート17%から18%へ)を織り込んでいる。ただ、先日エルドアン大統領が示したインフレ対策で政策金利についての言及がなかったことから、中銀が引き締め姿勢を強めやすくなったとの見方も出ている。利上げ幅拡大への思惑が広がるようだと、リラ買いが強まる局面もある。

 

昨年の南アフリカを振り返る

先週10-12月期の南ア国内総生産(GDP)が発表されたことで、昨年通期のGDPが確定した。昨年は世界中で新型コロナウィルスにより経済的に大打撃を受けたが、南アは厳格なロックダウンを行った影響だけでなく、ウイルス感染拡大前から景気が落ち込んでいたこともあり、年間を通して7%のマイナス成長となる厳しい1年になった。(IMFは7.5%のマイナスと見込んでいたこともあり、一部では7%減で良かったとの声もある) 昨年の業種別の結果で一番打撃を受けたのが建設業で、前年比-20.3%まで落ち込んだ。これは南アがレベル3のロックダウンを3月27日から6月1日まで行ったことで、多くの建設部門が閉鎖されたことが要因となっている。また、交通・運輸業も-14.8%、製造業も-11.6%、鉱業も-10.9%まで落ち込んだ。南ア政府は今年に入り、昨年停止していたダムや道路などの公共インフラの建設再開で、昨年最も打撃を受けた建設業を浮上させようとしている。

 

米雇用者数は急減分の5割回復

米国の雇用者数は昨年3-4月にコロナ打撃で-2236万人もの急減となったが、今年2月には昨年4月比で+1289万人の増加と約58%を取り戻してきた。『バイデン政権が前進させている1.9兆ドルの追加経済対策により、米国では来年までにコロナ危機前の最大雇用の水準を回復する』、『米政権はワクチン接種と学校再開(=保護者の職場復帰支援)に向けて全力で取り組んでおり、年内もしくは来年に労働市場を元の軌道に戻せると見込んでいる』。労働経済学の学者でもあるイエレン米財務長官は8日、このように雇用の回復に自信を示した。すでに最新2月の米雇用統計は前月比+37.9万人増と、予想を上回る改善となっている。それでも非農業部門の雇用者総数は1億4305万人と、コロナ危機前の最高である昨年2月の1億5252万人を-948万人下回ったままである。

 

米FOMCでは長期金利の徐素用を抑制する措置を発表するか注目

16-17日に予定している米連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、米国債相場は調整が続くと考えられる。FRBは今回のFOMCで政策金利を据え置く見込みである。四半期に一度発表されるメンバーの予測では、インフレ、景気、金利見通しが引き上げられる公算である。予想に反して、パウエル議長は経済や労働市場のたるみの存続を指摘し、長期にわたる緩和が必要と繰り返す可能性が強い。会見では、見通しと、政策の解離を巡る質問も予想される。焦点は、FRBが果たして長期金利の上昇を抑制するような措置を発表するかどうかとなるが、議長の最近の発言などから察すると、現状では金利抑制措置を発表する可能性は少ない。

 

米国市場では2月小売売上高が公表

1月実績は前月比+5.3%増の大幅増となった。幅広い業種で増加した。政府による新型コロナウイルス対策支援金などが個人消費を下支えしている。2月については、フードサービス、無店舗小売販売は順調とみられているが、前月比マイナスとなる可能性が高いとみられる。

 

欧米市場イベント

○16:45   2月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比0.4%)
○17:00   1-3月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数(予想:▲10)
○19:00   3月独ZEW景況感指数(予想:74.0)
○19:00   3月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:30   1月対カナダ証券投資
○21:30   2月米小売売上高(予想:前月比▲0.5%/自動車を除く前月比▲0.1%)
○21:30   2月米輸入物価指数(予想:前月比1.2%)
○22:15   2月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%)
          設備稼働率(予想:75.5%)
○23:00   3月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:83)
○23:00   1月米企業在庫(予想:前月比0.3%)
○17日01:00   2月ロシア鉱工業生産(予想:前年比▲2.0%)
○17日02:00   米財務省、20年債入札
○欧州連合(EU)財務相理事会
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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