FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:買い一巡後は上値の重い展開

前週末の米国株高の流れを引き継ぎ、朝方からしっかりしたスタートとなり、経済正常化への期待から景気敏感株を中心に上昇した。ただ、米国株市場でハイテク株売りが進んだことを受け、半導体関連株などグロース株が軟化した。日経平均株価の上値を追う勢いは限定的となった。今週は16-17日の米FOMCや18-19日の日銀金融政策決定会合といった重要イベントを控えているため、上値を追いかけるような動きになり難い。結局、前営業日比49円高の2万9766円と5営業日続伸となり、2月25日以来約2週半ぶりの高値をつけた。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売り強まり9ヵ月ぶりの円安水準

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや米長期金利が上昇したことに支えられ、109.10円台へじり高となった。中国の2月小売売上高や鉱工業生産が共に予想を上回ったことも、リスク選好の円売りを誘った。午後に入っても堅調地合いは続き、ユーロやポンドなどの欧州通貨に対するドル高も波及して一時109.29円付近まで上昇、およそ9ヵ月ぶりの高値をつけた。ユーロ/ドルは、米金利先行観が強まっているため、持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いに押される展開となり、1.19ドル台半ばから1.19ドル台前半へ水準を切り下げた。

 

日銀政策決定会合で日銀のETF購入額を縮小するか注目

19日の金融政策決定会合で、『上限年12兆円、原則6兆円』となっている今の購入方針に変更を加え株価急落時に重点を置く買い入れに改める方向になっている。市場環境が良好なときは静観することで購入額を減らし、政策の持続性を上げるのが狙いである。市場の最大の焦点はどのくらい減額になるかにある。

 

欧米ではコロナ感染の状況が逆転

欧州が再び新型コロナウイルスの猛威に見舞われている。春になってワクチンの接種が進む米国と英国では状況改善への期待が膨らんでいるが、欧州のコロナとの闘いは真冬のまま膠着状態が続く。数カ月にわたり厳しいロックダウンを敷いてきたにもかかわらず、欧州連合(EU)加盟国では総じて感染が再拡大している。ワクチン接種をはるか上回るペースで感染力の強い変異株が広がっているためである。暗いムードに包まれた欧州では、市民の不満がうっせきしており、各国政府は約束した進展への期待と厳しい現実との間で板挟みとなっている。英米では高齢者などウイルスにぜい弱な層のワクチン接種が進む中、感染者・死者数ともに1月以降、大きく減少している。対照的に、欧州では2月半ば以降、再び感染者が増加した。人口当たり感染・死者数の割合で、昨年はほぼ米国が欧州を上回って推移していたが、足元ではこれが逆転している。

 

トルコリラは18日の金融政策会合に注目集:利上げ幅拡大なら買い優勢

トルコ中銀は18日、金融政策決定会合を開催する。市場予想では、主要政策金利である1週間物レポレートを現行17%から18%に引き上げることが見込まれている。インフレの改善が見られない中でもし利上げ幅が予想より拡大となれば、リラ円が14円後半や15円台を目指す可能性もある。また声明で、追加引き締めについてどのような見解が示されるかも注目される。なお、高止まる物価へ対処するためエルドアン大統領は先週、物価安定委員会を立ち上げることを発表した。また、ここ数カ月で高騰した食料品価格の上昇緩和を支援する特別監視システムを作ることも表明した。大統領はインフレ対策を政策の最優先事項の1つとし、現在15%を超えている消費者物価指数(CPI、前年比)をできるだけ早く一桁台に落ち着かせると述べた。

 

米金利上昇なら南アランドの上値を圧迫する可能性も

今年に入り米国債の利回り上昇で、南アの債券市場と株式市場から約500億ランドの資金が流失したというデータが発表されている。今週は米国で米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えていることもあり、FOMCで長期金利の上昇に懸念を示さない場合は、再び米金利の上昇でランドの上値を圧迫することにりやすい。先週発表された南アの国内総生産(GDP)が市場予想を上回ったことはポジティブな要因だが、経済協力開発機構 (OECD)の世界経済見通しでは、南アは2021年が3%のマイナス成長、2022年にようやく2%のプラス成長と予想されている。南ア経済の回復が滞りそうなことから、上値を深く追いかけるのは危険である。

 

メキシコの警察官の40%は正式な資格なし

メキシコの自治体および州の警察官の40%が国の法律で定められている正式な資格を取得しておらず、本来ならば働くべきではない者が警察官として国内の警備などにあたっていることが判明した。国家公安システムのデータによると、市と州の警察官は30万5231人いるが、認定を受けているのは16万4534人であるとのこと。これは、国から支給された州や市の警察への連邦資金が十分ではなく、ほとんどが装備や資材の購入に充てられたため、資格取得のための資金に回らず、このような事態になったとのことである。

 

16-17日FOMCでは債券利回り上昇を容認するか注目

16-17日のFOMCでは、米国債利回りの上昇を受けて、追加緩和策としての資産購入額の増額やオペレーション・ツイストが決定されるのか、それとも現状維持で債券利回り上昇を容認するのかに要注目となる。パウエルFRB議長など複数のFRB高官は容認する姿勢を見せている。しかし、FRBは、2月3日から3月3日までの1カ月間に、債券利回りの上昇を抑えるために市場から中長期債を952億ドル購入しており、予断を許さない状況となっている。追加緩和策が決定された場合はドル売り、現状維持ならばドル買い要因となる。

 

欧米市場イベント

○15:30   2月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比4.00%)
○16:00   2月独卸売物価指数(WPI)
○17:30   2月スウェーデンCPI(予想:前月比0.6%/前年比1.6%)
        コア指数(予想:前月比0.6%/前年比1.8%)
○21:15   2月カナダ住宅着工件数(予想:24.75万件)
○21:30   1月カナダ製造業出荷(予想:前月比2.7%)
○21:30   3月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:14.5)
○23:00   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○16日05:00   1月対米証券投資動向
○ユーロ圏財務相会合
○メキシコ(ベニート・フアレス生誕日)、休場
○米国は14日から夏時間に移行済み

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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