FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米長期金利上昇の警戒感和らぎ買い優勢

米国株の上昇を受けて買いが先行したが、序盤は上げ幅を3桁に広げた後に急失速するなど不安定な動きとなった。しかし、瞬間的にマイナス圏に沈んだところで強い買いが入り、その後は上げ幅を拡大した。米長期金利の上昇が一服したことに加え、経緯回復への期待から半導体関連株や景気敏感株で物色が広がった。また、本日はメジャーSQ(特別清算指数)算出日で、イベント通過の安心感も市場には広がった。結局、前日比506円高の2万9717円と4営業日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:来週のイベント控え108円台後半で上値の重い展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、108.80円付近へじり高となった。米長期金利が小幅に上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ただ、前日の東京市場でつけた高値108.81円が意識されると上げは一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、108.75円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、108.70円台を中心とした狭いレンジで取引された。来週予定されている米FOMCや日銀金融政策決定会合の重要イベントを前に、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、前日にECBが金利上昇の抑制に向けて、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れを次の四半期に拡大すると表明したため、1.19ドル台後半で上値の重い展開となった。

 

ECB理事会の結果とラガルド総裁会見発言受けにユーロは乱高下

欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で市場の予想通り政策金利の据え置きを決定した。同時に、一時的なインフレ急騰への対処として、4-6月期にパンデミック資産購入プロブラム(PEPP)の購入ペースを著しく加速する方針を示したため一時ユーロ売りが優勢になった。しかし、ラガルド総裁があくまでも、金融状況のひっ迫を回避するためで、イールドカーブコントロールではないと確認し、ECBも、追加緩和につながる債券購入の加速を意図していないと確認したためユーロの買戻しが強まった。 

 

トルコ金融市場の信頼感は後退

信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)をみると、トルコ5年物国債CDSは先月下旬の280台から340前後まで上昇し、一時高まっていたトルコ金融市場への信頼感は後退している。また、原油など商品価格の上昇はトルコ経済活動の足かせになるため、リラの上値を抑える要因となる。

 

3月16-17日にトルコとギリシャのエーゲ海を巡る予備協議

3月16-17日に1月に開かれるエーゲ海を巡るトルコとギリシャの予備的協議について、ブリンケン米国務長官は開催を歓迎すると発言している。ただ同国務長官は、これまでの東地中海におけるトルコの行動は国際法を違反しているとも述べており、協議の行方次第ではバイデン政権がトルコへの圧力を強める可能性がある。

 

米金利上昇で南ア市場から資金流出

今年に入り米債の利回り上昇で、南アの債券市場と株式市場から約500億ランドの資金が流失したというデータが発表されている。今週は米債の入札があったことで、債券市場は一方的な値動きにならなかったが、再び米債利回りが上昇した場合はランドの上値が抑えられる可能性が高い。

 

メキシコ国境から移民キャンプ消える:メキシコにとっては朗報

米国の複数のメディアが伝えたところによると、メキシコ国境に数多く設置されていた移民キャンプが前週末になってほぼ無人になった。バイデン米大統領はトランプ前政権下で進められていた移民排除策を大転換し、米国へ入国させる方針へと切り替えた。これにより数万人とされる移民希望者が今後断続的に米国に入国することになる。移民問題について米政権から大きな圧力を受けていたメキシコにとっては朗報と言える。

 

米国家計資産が過去最高の130兆ドル:株式拡大と現金・預金も増加

米連邦準備理事会(FRB)が11日に公表した統計によると、2020年第4・四半期の国内の家計資産は130兆2000億ドルと、過去最高を記録した。内訳では、株式が4兆9000億ドル、不動産が約9000億ドルそれぞれ拡大した。現金や預金残高の合計額も6427億ドル増え、過去最高となる14兆1000億ドルに膨らんだ。政府による新型コロナウイルス関連対策の給付金が貯蓄に回ったとみられる。バイデン大統領はこの日1兆9000億ドル規模の追加経済対策法案に署名、同法は成立した。この結果、約1億6000万世帯を対象にさらに1400ドルの現金が支給される。家計債務は年率で6.5%増加し、前四半期の5.7%から加速した。住宅ローンの増加が影響した。住宅ローン残高は10兆9000億ドル。クレジットカード債務残高は9749億ドルだった。

 

米国市場では3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報が公表

2月CB消費者信頼感指数は91.3に改善したが、期待指数は伸び悩んでいる。ウイルス感染の減少はプラス材料だが、雇用情勢の改善は遅れていることや、金利上昇などの影響で消費者信頼感の大幅な改善は期待できない。

 

欧米市場イベント

○16:00   1月英国内総生産(GDP、予想:前月比▲4.9%)
○16:00   1月英鉱工業生産指数(予想:前月比▲0.6%/前年比▲4.0%)
○16:00   1月英製造業生産高(予想:前月比▲0.8%)
○16:00   1月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:125.00億ポンドの赤字/45.63億ポンドの赤字)
○16:00   2月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.7%/前年比1.3%)
○16:00   1月トルコ鉱工業生産
○19:00   1月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年比▲1.9%)
○21:00   1月インド鉱工業生産(予想:前年同月比1.0%)
○21:00   1月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比0.1%)
○21:00   1月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.2%)
○22:30   2月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化7.50万人/失業率9.2%)
○22:30   1月カナダ卸売売上高(予想:前月比5.0%)
○22:30   10-12月期カナダ設備稼働率(予想:78.0%)
○22:30   2月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比2.7%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.6%)
○24:00   3月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:78.5)
○日米豪印が初の首脳会合(オンライン)
○14日 米国が夏時間に移行

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