FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:景気回復への期待感から出遅れ株買い

朝方は小幅高でスタートしたが、その後はプラス圏とマイナス圏を行ったり来たりし、不安定な値動きとなった。市場では、景気回復への期待感から出遅れ株へ資金がシフトしており、バリュー株では引き続き物色が活発化との声が聞かれた。ただ、値がさのハイテク株や半導体関連株では利益確定売りが先行し、相場全体の重石となった。また、今週末はSQ(特別清算指数)の算出、来週には米FOMCや日銀の金融政策決定会合を控え、当面はボラティリティの高い相場環境が続く可能性がある。結局、前営業日比284円高の2万9027円と4日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:心理的節目の109.00円上抜けでストップロス絡む

ドル/円は、米国で大型の追加経済対策が早期に成立する見通しとなり、景気回復が早まるとの期待から一時109.23円付近まで上昇、およそ9カ月ぶりのの高値をつけた。心理的節目の109.00円を上抜けしたことで、ストップロスのドル買い・円売りも観測された。ただ、今晩の米3年債入札を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、急ピッチの上昇に対する警戒感から利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、109.20円付近でもみ合いとなった。午後は、急ピッチの上昇に対する警戒感から利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、109.20円を挟んだもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.18ドル台半ばで小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

金ETF(GLD)から資金流出が続く:1ヵ月で60億ドル超

8日の米国市場で金価格に連動するSPDRゴールド・シェアーズ(GLD)から資金が流出した。QUICK FactSet Workstationによれば3億1794万ドルの流出となり、これで過去1ヵ月で60億ドル超の流出を記録したことになる。この日の米国市場でGLDは反落し、前日比1.03%安の157.49ドルで終えた。米長期金利の上昇基調が続く中、一時は20年6月5日以来、9ヵ月ぶりの安値水準に沈んだ。GLDには過去1年で58億ドルの資金流入超となっており、米長期金利の上昇傾向にある中でさらなる巻き戻しが警戒される。

 

今週トルコ大統領が経済改革案を発表

今週は、エルドアン・トルコ大統領が経済改革案を発表する予定である。マクロ経済を安定させるための政策や構造改革が主な内容とされているが、外国からの資金を呼び込める中身となるか注目される。特に、インフレ圧力を緩和させるための抜本的な対策が盛り込まれるのかがポイントとなる。

 

エルドアン大統領の支持率よりも不支持率が上回る

トルコの首都アンカラに拠点を置く調査会社『メトロポール』による2月世論調査の結果が明らかになった。それによれば、エルドアン・トルコ大統領への支持率は46%と1年前から約10ポイント減、一方で不支持率は47.8%と1年前から約11%増となり、支持率は不支持率を下回った。また、エルドアン大統領が率いる与党・公正発展党(AKP)の支持者の約1割、国政でAKPと連合を組む民族主義者行動党(MHP)支持者の3割近くが大統領の仕事を評価しないとした。上昇傾向が強まる物価、改善しない雇用問題、新型コロナウイルス対策への不満、また大学自治への介入などで人々の政権に対するイライラが高まっている。2年後には大統領選や総選挙を控えており、長期政権を築いてきたエルドアン大統領も、支持率と不支持率の逆転現象に焦りを覚えると思われる。

 

南アでは10-12月国内総生産が公表:ネガティブサプライに注意

南アからは、本日は10‐12月期の国内総生産(GDP)が発表される。市場予想は前年比では5%弱程度の落ち込みになると予想されている。7-9月期が-6.0%、4-6月期が-17.5%だったことを考えると徐々に改善されていると言える。ただし、ここ最近のランドはネガティブサプライズへの反応が強いことで、市場予想よりも悪い結果となった場合の反応が大きくなることには注意が必要である。

 

米大規模な追加経済対策が米景気回復を押し上げるとの見方

上院はバイデン大統領が提示した1.9兆ドル規模の新型コロナウイルス追加経済対策法案を民主党議員の賛成のみで可決した。最低賃金引き上げなどが除かれたほか、失業給付の補助金が週300ドルと、400ドルから修正されたため下院が再び修正案を可決する必要がある。下院は9日にも採決し、14日までには成立を目指す。大規模な追加経済対策が回復を一段と押し上げるとの見方に米国債相場も軟調推移が継続すると見られる。10年債利回りは1.60%近くで推移した。

 

米FRBは米国債の買い入れ額を増額:米長期金利上昇を懸念した動きか

米連邦準備理事会(FRB)は最近の米長期金利上昇を基本的に『静観』する姿勢を見せ、積極的なけん制は行っていない。しかし、過去1カ月間の行動をみるとFRB
は金融政策で定めた買い入れペースを大幅に上回る規模で米国債の買い入れを進めており、急ピッチの金利上昇に心中穏やかでないことがわかる。FRBのデータによると、2月3日から3月3日までの1カ月間に市場から米国債を952億ドル買い入れた。1月の買い入れ額727億ドルや、昨年7月—1月の月間平均買い入れ額798億ドルから積み増している。

 

欧米市場イベント

○16:00   1月独貿易収支(予想:145億ユーロの黒字)
○16:00   1月独経常収支(予想:218億ユーロの黒字)
○18:30   10-12月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比年率5.0%/前年同期比▲4.6%)
○19:00   10-12月期ユーロ圏GDP確定値(予想:前期比▲0.6%/前年比▲5.0%)
○21:00   2月メキシコCPI(予想:前月比0.59%)
○10日03:00   米財務省、3年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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