FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:景気回復への期待継続から物色買い

米国株安を受けても上昇して始まり、開始早々には上げ幅を3桁に拡大した。しかし、2万9500円より上は重く、ほどなく失速した。下げに転じたところでは踏みとどまり、その後は前日終値近辺での一進一退が続いた。景気回復への期待が続いており、景気分館セクターでの物色が活発になった。前日の米国株式市場の流れを引き継ぎ、半導体関連株売り、景気敏感のバリュー株買いの動きも見られた。結局、前営業日比150円高の2万9559円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:106.80円台を中心に狭いレンジ内での展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、106.85円付近へじり高となった。低下していた米長期金利が持ち直したことも、ドルの買い戻しにつながった。財新が発表した2月中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は、51.5と予想通りの数字だったため、ドル/円相場への影響は限られた。午後は、日経平均株価や米長期金利の動向を睨みながら、106.80円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.2085ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコの2月コアインフレ指標に注目:早期利上げ観測の思惑も

欧州序盤に発表されるトルコの2月インフレ指標を受けた動きが注目される。2月消費者物価指数(CPI、前年比)は、市場予想+15.40%と2019年6月以来の水準まで上昇することが確実視されている。一部では、エネルギー価格の高騰で予想比上振れとの声も聞かれる。CPIと同時に発表される生産者物価指数(PPI)も前年比+26%台で高止まると見込まれ、トルコ中銀が11月と12月に実施した大幅な金融引き締め(政策金利を6.75%引き上げ)の効果が出るにはもう暫く時間がかかる。
 アーバル・トルコ中銀総裁はインフレ目標(2023年に5%)を達成するまで引締めスタンスを継続、また必要であれば強化すると述べており、指標の結果次第では早期利上げ観測が高まると思われる。ただし、前回の中銀会合後の値動きを振り返ると、必ずしもリラ買いが強まるとは限らない。

 

南アでは財務相の辞任の噂を否定

南アからのニュースとしては週末に流れたムボウェニ南ア財務相の辞任の噂について、ラマポーザ南ア大統領は明確に否定した。後任候補を念のため選択しているという噂もあるが、この噂も否定している。ムボウェニ氏は市場の信頼があり、財政的にも最大の危機的な状況にあるときの辞任は何としても大統領は阻止しようとしている。

 

米国とメキシコ大統領がビデオ会談:ワクチン問題では溝も

一昨日にロペスオブラドール大統領とバイデン米大統領が初のビデオ会談を行った。両首脳はトランプ前政権時に移民問題を巡る壁建設を巡って悪化した関係改善に向けて、両関係を強化する必要性を強調した。ただ、焦点となったのはワクチン問題である。先日、ロペスオブラドール大統領が『地球上でもっとも強力である、我々の隣国はワクチンを買いだめをしており、我々よりも悪い。国連が介入すべき』と米国を痛烈に批判していただけに関心は高まっていた。ただ、新型コロナ対策で協力を深めると両陣営が表明するものの、米国側は『ワクチンをメキシコと分け合う計画はなく、自国民の接種を優先する』とし、ワクチン問題に関しては両首脳で溝があることも浮き彫りになった。

 

米国では5月末までに全成人分のコロナワクチン確保へ

バイデン米大統領は2日、新型コロナウイルスワクチンについて、5月末までに米国の全ての成人の接種分を確保できる見通しだと述べた。バイデン氏は、製薬大手メルクがジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)と提携し、新型コロナウイルスワクチンの製造を支援すると発表した。J&Jのワクチンは1回の接種で済む。バイデン氏は、3種類のワクチンが承認されたことを踏まえ、就任後100日間でワクチン1億回分を配布するという目標の達成に自信を示した。

 

米FRBは長期金利の上昇を注視:FOMCでは対応策を検討

米国では先週、標準となる10年債利回りが1.45%から心理的節目となっていた1.5%をすんなり突破し、1.6%まで急伸した。FRBのブレイナード理事は2日に参加した討論会において、先週の債券利回りの上昇の動きが目についたとし、市場を注視していくとしている。また、無秩序な状況は懸念になるとしており、今月、16-17日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)で協議される可能性も示唆した。最近の国債相場の混乱への対応として一部エコノミストはFRBが早くて今月のFOMCで対応策を発表すると見ている。ひとつの選択肢としてはFRBが欧州債券危機の際2011年に採用したツイストオべで、長期債を購入すると同時に、短期債を売却することにより、利回り曲線の急激なスティープ化を抑制する。他の選択肢として、過剰余剰金への金利引き上げ、翌日物オペなどが挙げられている。

 

米国市場では2月ISM非製造業景況指数が公表

1月実績は、58.7で予想を上回る結果となった。新規受注の増加が要因とみられる。2月については、ニューヨークなどで飲食店の営業活動に関する制限が緩和されていることや、ワクチン接種の拡大が支援材料になるとみられており、1月実績に近い数字となる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   2月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.70%/前年比15.40%)
○16:30   2月スイスCPI(予想:前月比0.4%)
○16:45   1月仏財政収支
○17:50   2月仏サービス部門PMI改定値(予想:43.6)
○17:55   2月独サービス部門PMI改定値(予想:45.9)
○18:00   2月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:44.7)
○18:30   2月英サービス部門PMI改定値(予想:49.7)
○19:00   1月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.2%/前年比▲0.4%)
○21:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   10-12月期ブラジルGDP(予想:前年同期比▲1.6%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○22:00   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○22:15   2月ADP全米雇用報告(予想:17.7万人)
○22:30   1月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比3.5%)
○23:45   2月米サービス部門PMI改定値(予想:58.9)
○23:45   2月米総合PMI改定値
○24:00   2月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:58.7)
○24:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○24:00   デギンドスECB副総裁、講演
○4日00:30   EIA週間在庫統計
○4日01:00   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○4日02:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○4日03:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○4日04:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○4日04:30   シュナーベルECB専務理事、パネルディスカッションに参加
○4日05:15   オアNZ準備銀行(RBNZ)総裁、講演

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