FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:利益確定売り優勢で小幅反落

前場は業績予想の上方修正などを手掛かりに買いが先行したが直近4営業日で1200円超上げる等最近の上昇ピッチの速さから買い一巡後は利益確定売りが優勢となった。本日算出のオプションSQ(当別清算値)2万9718円が幻の高値となり、今後上値の目安として意識されるようになる。結局、前営業日比42円安の2万9520円と5日ぶりに反落して終了した。2月第1週の海外投資家は、3週かぶりの4215憶円の買い越しとなった。

 

東京外国為替市場:心理的節目の105.00円が上値目処として意識

ドル/円は、週末を控えた持ち高調整などのドル買い・円売りが入り104.85円付近まで値を上げた。仲値に向けて本邦輸入勢のドル買い・円売りも観測された。しかし、心理的節目の105.00円が視野に入ると上げは一服した。午後は、米長期金利や日経平均株価の動向を睨みながら、104.80円台を中心とした狭いレンジで取引された。本邦実需筋の売買は午前で一巡したため、午後の商いは薄かった。ユーロ/ドルは、香港やシンガポール市場が休場で、海外勢の流動性が低下しているため、1.21ドル台前半で小動きに終始した。

 

欧州市場では12月鉱工業生産が公表

11月の実績は前月比プラスだが、12月については、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響が強まり、ドイツ、フランスなどで製造業などの生産水準はやや低下していることから、前月比横ばいか、若干マイナスとなる可能性がある。

 

欧州委はユーロ圏経済成長予測を3.8%に下方修正

欧州委員会は今年のユーロ圏の経済成長率予測を下方修正した。新型コロナウイルスの流行第2波でロックダウン(都市封鎖)が再導入されたことが背景。来年の経済成長率予測は上方修正した。欧州委は今年と来年の経済成長率をともに3.8%と予測した。昨年11月時点の予測はそれぞれ4.2%、3.0%だった。

 

需給の引き締まりからプラチナがドル建てで2015年1月以来の高値

プラチナ先物の年初からの上昇幅は約14%まで拡大し、昨年3月のコロナパニック時につけた562ドル台の安値から約2.3倍まで価格を上げたことになる。世界最大のプラチナ産出国である南アフリカの産出減少などを受け、需給の引き締まりを見込んだ買いが相場の支えとなっている。2018年のデータではあるが、プラチナは世界全体で185.3万トンが供給され、そのうちの7割超となる134.3万トンを南アフリカが占めた。2位22万トン弱のロシアとは大きな差がある。※日本金地金流通協会ウエブサイト参照
 このプラチナは南アフリカにとって主要な輸出品目の1つであり、19年データではモノの輸出の9%超がプラチナ関連とされ、7.5%の自動車関連や(南アといえば金のイメージが強いが)金関連の5%強を上回った。

 

トルコの12月経常収支と鉱工業生産が公表

本日は日本時間16時に12月トルコ経常収支(予想:37億ドルの赤字)と同月トルコ鉱工業生産(予想:前月比0.9%)が発表される。12月の数値だが、市場予想からの上下振れには注意が必要である。経常赤字は前月から縮小する見込みだが、依然として高水準である。もし赤字幅が広がった場合は、その国の通貨にとっては決して良いイメージとはならない。ただ、来週にはトルコ中銀の金融政策決定会合を控えていることもあり、市場では様子見姿勢が広がりつつある。

 

米労働市場は依然冴えない

先週分新規失業保険申請件数は前週比1.9万件減の79.3万件と年初来の低水準となった。予想76万件は上回った。失業保険継続受給者数は454.5万人と前回469万人から減少も予想442.0万人を上回っており、失業保険申請件数の減少ペースは遅い。一方、通常は失業保険を受給できない契約社員や自営業者対象の失業支援に加え、通常の失業保険の受給期間が終了しても延長が可能となるパンデミック特別失業者優遇措置の申請者数が急増。政府の失業者支援措置の総受給者数は2044万件に膨れ上がった。パンデミックによる経済封鎖を継続しているカリフォルニア州での申請件数の増加が特に目立った。

 

米FRBの緩和策の解除を検討する目安

パウエル議長は10日のNYエコノミッククラブでの講演で、雇用の状況が大恐慌の最悪期をさらに下回ると悲観的な見通しを示した。また、強い労働市場にはかなり程遠く、実際の失業率は10%に近いと指摘。さらに、パンデミックがディスインフレの影響を与えたためその反動で今後数か月インフレが上昇する可能性があるが、一時的との考えを示しており、「大幅で、持続的なインフレは予想しない」とした。クラリダ副議長はインフレの目標達成において、消費者物価指数(CPI)ではなく、PCEインフレで2.5%を1年間持続することを目指すとしている。米連邦準備理事会(FRB)が緩和策の解除を検討する目安となる。

 

米国市場では2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報が公表

1月実績79.0と低調な水準にとどまったが、雇用情勢がやや改善していること、ウイルス感染はやや減少していることなどから、消費者信頼感はやや改善する可能性がある。

 

欧米市場のポイント

○16:00   10-12月期英国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.5%/前年比▲8.0%)
○16:00   12月英国内総生産(GDP、予想:前月比1.0%)
○16:00   12月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%/前年比▲3.8%)
○16:00   12月英製造業生産高(予想:前月比0.6%)
○16:00   12月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:150.00億ポンドの赤字/57.50億ポンドの黒字)
○16:00   10-12月期ノルウェー国内総生産(GDP、予想:前期比0.5%)
○16:00   12月トルコ経常収支(予想:37億ドルの赤字)
○16:00   12月トルコ鉱工業生産(予想:前月比0.9%)
○16:30   1月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい)

○19:00   欧州12月鉱工業生産(予想:前月比-0.2%)
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:4.25%で据え置き)
○21:00   12月インド鉱工業生産(予想:前年同月比▲0.2%)
○22:30   12月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲1.5%)
○24:00   2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:80.8)
○先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議(オンライン)
○韓国、香港、シンガポール、中国(旧正月)、休場

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