FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:買い遅れの海外勢の買いが下支え

まちまちの米国株を受けて下落して始まり、開始早々に下げ幅を3桁に広げた。しかし、売り一巡後は持ち直す展開になった。市場からは『本来なら自立調整が行われもおかしくないが、投資家の押し目買い意欲が強い。また、ワクチンの普及などで経済が正常化に向かう期待感が相場を押し上げている』との指摘もあった。また、これまで買い遅れていた海外勢などが下値で買いに動き、相場を押し上げた。結局、前営業日比57円高と2万9562円と4日続伸して終了した。信用評価損益率は5日申し故小見時点でマイナス8.33%と、前週(マイナス11.61%)からマイナス幅が3.28ポイント縮小した。改善は2週間ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:104半ばを中心としたレンジ相場

ドル/円は、前日の東京市場から一本調子の下げが続いたため、利益確定などのドル買い・円売りが先行し、104.71円付近まで上昇した。本日は五・十日あたり、仲値にかけて本邦輸入勢のドル買い・円売りが通常よりも多く観測された。ただ、NY時間に予定されている1月消費者物価指数(CPI)やパウエルFRB議長の講演を見極めたいとの雰囲気もあり、上値を追う動きは限られた。その後は、持ち高調整などのドル売り・円買いもみられ、104.60円付近へ下落した。午後は、日経平均の動向を睨みながら、104.50円台を中心とした狭いレンジで取引された。本邦実需筋の売り買いが午前で一巡したこともあり、商いは薄かった。ユーロ/ドルは1.21ドル台前半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

J&JCEOがワクチンの毎年接種の必要も

米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のゴースキー最高経営責任者(CEO)は9日、今後数年間は季節性インフルエンザの予防接種のように新型コロナウイルスの予防接種を毎年受ける必要があるかもしれないと述べた。CNBCで『残念ながら、新型コロナが拡散すれば突然変異を起こす可能性がある』と指摘した。変異株は後退の保護能力だけではなく治療法やワクチンにも影響を及ぼし得るとした。

 

伊ドラギ氏の組閣協議順調

ドラギ全ECB総裁によるイタリアの組閣協議は、左派や右派を問わず各党が前向きに反応する中、順調に進展しており、関係者らによるとドラギ11日までに閣僚名簿案をマッタレッラ大統領に提出する見通しである。議会内で最大勢力を誇る左派『五つ星運動』のクリミ党首は9日、ドラギ氏が貧困層に対する福祉制度の拡充を希望したほか、ユーロ圏の金融支援基金『欧州安定メカニズム』への支援要請に触れなかったとして、会談内容を評価した。また右派『同盟』のサルビーニ党首は、ドラギ氏が増税や緊縮策を行わないと約束したとし、会談は『前向きで有意義だった』と表明した。経済刺激策や新型コロナウイルス対策などを巡っても、各党の党首はドラギ氏の考えに理解を示した。

 

トルコ中銀の独立性を維持できれば外国から資金流入

トルコメディアは昨日、アーバル中銀総裁が『2021年1-3月期のトルコ経済成長は前年比で4%から5%増』との見通しを示したことを報じた。また同総裁は、現在15%程度のインフレを2023年までに目標とする5%へ低下させるため、中銀の引き締めスタンス継続を再表明している。依然として水準が低い外貨準備高についても、透明かつオープンな方法で拡大させるとした。足もとの物価上昇は止められていないが、アーバル氏が11月に中銀総裁に就任して以降、金融当局に対する市場の信頼度は高まっている。(低金利を望むトルコ最大の権力者)エルドアン大統領の圧力に屈せず、このまま中銀の独立性を維持できれば、今後も外国からの資金流入は続く。

 

メキシコの1月CPIはインフレ目標値のレンジ内:11日に金融政策を発表

昨日発表された1月メキシコ消費者物価指数(CPI)は前月比+0.86%と市場予想+0.78%から上振れし、また前年比が+3.54%と前回を上回った。ただ前年比はメキシコ中銀のインフレ目標値のレンジ内(2-4%)に収まっている。メキシコ中銀は11日に金融政策を発表予定している。

 

大規模な米追加経済対策についての見方の相違

米バイデン政権が提案した1兆9000億ドル(約200兆円)の追加経済対策について、著名エコノミストの一部は、景気を過熱させかねないほどの規模だと考えている。しかし、債券市場は全く意見が異なると思われ、世界の金融市場もおおむねそのようだ。
ラリー・サマーズ元米財務長官とオリビエ・ブランチャード元国際通貨基金(IMF)チーフエコノミストは最近、バイデン政権が景気を過熱させるリスクがあるとの見方をそろって示した。ブランチャード氏はツイッターで、この提案が『一部で予測される2.5%(のインフレ)ではなく、潜在的にそれをはるかに上回る』結果を招き、『大幅な金利引き上げ』につながる可能性があると指摘した。

 

欧米イベント

○16:00   1月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.8%/前年比1.0%)
○16:00   1月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.0%/前年比1.8%)
○16:00   11月トルコ失業率
○16:45   12月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.4%)
○17:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○18:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   12月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比6.0%)
○22:00   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○22:00   ビスコ伊中銀総裁、講演
○22:00   ラガルドECB総裁、講演
○22:30   1月米CPI(予想:前月比0.3%/前年比1.5%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.5%)
○24:00   12月米卸売売上高(予想:前月比0.5%)
○24:00   12月米卸売在庫(予想:前月比0.1%)
○11日00:30   EIA週間在庫統計
○11日02:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○11日03:00   米財務省、10年債入札
○11日04:00   1月米月次財政収支(予想:1500億ドルの赤字)
○11日04:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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