FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米景気の回復加速の期待から買い優勢

前日の米国株高を受けて市場の不安心理が後退し、幅広く物色されたものの、買い一巡後は上値の重さが意識され全体的に伸び悩んだ。市場では、先週まであった警戒感は和らぎ、安心感が広がり地合いが良くなった。また、米バイデン政権が揚げる1.9兆ドル規模の追加経済対策について、民主党が財政調整法を活用して単独で成立させる手続きを進めていると伝わった。経済対策が市場の想定より大規模で早期に成立し、米景気の回復が加速するとの期待感から買いが優勢だった。結局、前営業日比284円高の2万8646円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:新規材料乏しく105円を挟んだ展開

ドル/円は、前日の海外時間に約2ヵ月ぶりの高値105.17円をつけた反動から利食い売りなどに押され、104.92円付近まで下落した。本邦輸出勢によるドル売り・円買いも継続的に観測された。しかし、今晩の米国株動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、下値を追う動きは限られた。その後は、米国で新型コロナウイルスのワクチン購入に伴い、巨額なドル資金が必要になるとの思惑からどるは買い戻され、105.00円付近へ切り返した。午後は、新規の手掛かり材料に乏しく、105.00円を挟んで小動きに終始した。ユーロ/ドルは、前日に発表されたユーロ圏の経済指標が低調で、欧州景気の落ち込みが警戒されているため、1.20ドル台半ばで上値の重い展開となった。

 

英コロナ変異種がさらに変異して南ア型に類似:ワクチンにも影響も

英保健当局は2日、国内でこれまでに検出された新型コロナウイルスの変異種がさらに変異したと明らかにした。新たな変異で南アフリカとブラジルの変異種に似た性質をもつようになっており、ワクチンの有効性が低下する恐れがあるとしている。

 

ドラギ前ECB総裁が伊首相候補になる可能性も

イタリアのマッタレッラ大統領が3日、ECBのマリア・ドラギ前総裁と会談する。コンテ前首相の再任を目指して進められていた各党の連立協議が失敗したことで、大統領は新政権樹立へドラギ氏を首相候補に指名する可能性があるという。ただ、3日付の英フィナンシャル・タイムズ紙電子版によれば、マッタレッラ大統領の決定に対して右派野党の間で怒りが巻き起こった一方、連立政権の中道左派からも政治的な合意を構築するのは容易ではないと警告する声が出ている。

 

トルコ市場では1月消費者物価指数が公表:政策金利にも影響

本日のリラ円は日本時間16時に発表される1月トルコ消費者物価指数(CPI)が注目される。1月CPIの市場予想は前年比+14.70%と前回+14.60%からの上振れ見込みである。食品やエネルギー価格の上昇がインフレの高止まりに繋がっているとされ、トルコ中銀が11月から12月にかけて実施した大幅利上げの効果はまだ出ていない。もし今回の結果が予想よりも上振れるようであれば、(エルドアン大統領は反対しているが)早期の追加利上げも視野に入ってくる。また、12月分が25%超まで上昇した生産者物価指数(PPI)についてもアーバル・トルコ中銀総裁は危惧しており、同指数にも目を向ける必要がある。

 

南アではロックダウンが一部緩和:経済への影響は不透明

昨日より南アのロックダウンが一部で緩和されたことをきっかけに、ランド/円は堅調地合いを維持している。ロックダウンの水準は、引き続きレベル3と変更はないが、夜間外出禁止時間の縮小やアルコールの販売許可などは国民や企業など南ア経済全般にポジティブであり、ランドの支えとなっている。しかしながら、決して南アの感染拡大が弱まっているわけではないので、規制緩和が今後、経済的にどのような影響を与えるかは不透明感が残る。

 

イエレン米財務長官が規制当局と協議:ゲームストップ問題

イエレン米財務長官は、ゲームストップなど一部銘柄を巡る個人投資家の取引で株式市場が乱高下した問題について、週内に金融規制当局と協議する。早ければ3日に開催される可能性がある。協議には、証券取引委員会(SEC)、連邦準備理事会(FRB)、ニューヨーク連銀、商品先物取引委員会(CFTC)のトップが参加する。この協議では、イエレン財務長官は市場の完全性を重視しており、最近の市場の混乱と一連の動きが投資家保護と公正で効率的な市場の原則に即していたかを協議する。2日の米株式市場でゲームストップ株は60%安の90ドルで終了した。先週末付けた483ドルの5分の1以下となった。銀価格も下落した。インライン掲示板の『レディッド』を通じた熱狂的な買いが収まりつつある。

 

欧米市場イベント

○16:00   1月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.40%/前年比14.70%)
○16:45   12月仏財政収支
○17:50   1月仏サービス部門PMI改定値(予想:46.5)
○17:55   1月独サービス部門PMI改定値(予想:46.8)
○18:00   1月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:45.0)
○18:30   1月英サービス部門PMI改定値(予想:38.8)
○19:00   12月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.7%/前年比▲1.2%)
○19:00   1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比0.5%)
○19:00   1月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比0.9%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:15   1月ADP全米雇用報告(予想:4.9万人)
○22:30   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○23:45   1月米サービス部門PMI改定値(予想:57.4)
○23:45   1月米総合PMI改定値
○24:00   1月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:56.8)
○4日00:30   EIA週間在庫統計
○4日03:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○4日04:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○英中銀金融政策委員会(MPC、4日まで)
○日英外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2、テレビ会議)

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