FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:NYダウ先物の下落幅拡大を嫌気した売り優勢

前日の米国株株高の流れを引き継ぎ、日経平均も朝方は堅調にスタートし、昨日マーケットに広がった警戒感は和らいだ。しかし、買い一巡後は売り買いが交錯し、来週以降の企業決算を見極めたいとの思惑から様子見ムードが広がった。午後からは、米新興ネット証券のロビンフッドが急騰していた銘柄への取引制限を緩和すると発表した。そのため、個人投資家による投機的な売買の影響で再びボラティリティの高い相場になるとの警戒感が強まり、NYダウ先物の下落幅が拡大したことが嫌気され、下げ幅が拡大した。結局、前営業日比534円安の2万7663円で取引が終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避のドル買い優勢

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りが先行し、104.57円付近まで上昇した。NYダウ先物の下落を嫌気した欧州通貨や資源国通貨に対するドル高が波及した面もあった。しかし、昨年12月10日につけた104.58円が上値の目処として意識されると上げは一服した。その後は、本邦輸出勢から月末に絡むドル売り・円買いが持ち込まれ、104.50円を挟んでもみ合いとなった。午後に入っても104.50円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。ユーロ/ドルは、米国株価指数先物の下げ幅拡大がリスク回避のユーロ売り・ドル買いを誘い、1.21ドル台を割り込んで1.2095ドル付近へ下落した。

 

トルコ中銀は物価上昇を抑え込む金融引き締め策を継続

アーバル・トルコ中銀総裁は昨日の四半期インフレレポートの発表において、物価上昇を抑え込むために断固たる姿勢で臨むと述べ、インフレ目標5%を達成するまで金融引き締め策を継続すると表明した。トルコの最高権力者エルドアン大統領は『金利を引き下げればインフレも低下する』という持論を変えようとしないが、アーバル総裁の発言で中銀の独立性が保たれるとの見込みも高まり、市場はリラ買いを進めた。 アーバル中銀総裁は昨日のインフレレポートで、今年末のインフレ予想を9.4%、22年末が7%とし、23年には5%を達成できるとの見通しを示した。

 

NY株式市場で何が起きたか?

NY株式市場をシステマティック・リスクに陥れつつあるビデオゲーム小売りチェーン大手『ゲームストップ(GameStop)』の株価は、2020年4月の安値2.57ドルから2021年1月の高値483ドルまで上昇し、時価総額も240億ドルに到達していた。
1月22日に行使価格60ドルのコール・オプションのプレミアムは、0.03ドルから17ドルまで上昇して566倍となった。すなわち、1万円投資していたら、一晩で566万円となったことになる。しかし、1月28日のゲームストップの株価は、米証券取引委員会(SEC)の警告を受けて、複数の株取引プラットフォームが自社アプリでのゲームストップ株売買を制限したため、44.29%急落して、時価総額は110億ドル近く吹き飛んだ。

 

イエレン米財務長官の米国株式市場の混乱対応が関心を集める

FOXビジネスは28日、『財務長官に就任したイエレン氏がヘッジファンドのシタデルから81万ドルの講演料を得ていた』と報じた。2019年、2020年に講演した時にシタデルから多額の講演料を得ていたという。
 ブルームバーグは26日、ケネス・グリフィン氏率いるヘッジファンドのシタデルと、スティーブ・コーエン氏のポイント72アセット・マネジメントがゲイブ・プロトキン氏が設立したメルビン・キャピタルに総額27億5000万ドルの支援を行ったと報道した。ゲームストップ(@GME/U)の空売りでメルビン・キャピタルが損失を被ったことが影響したといい、ゲームストップのショートスクイーズが米株式市場で関心を集める中、過去にシタデルから高額な講演料をもらったイエレン財務長官の対応が関心を集めそう。FOXビジネスによれば、イエレン氏がゲームストップに関連して、バイデン大統領に助言することを拒否するかどうか尋ねられたホワイトハウスのサキ報道官は回答を避けたという。

 

米国では2四半期連続プラス成長/雇用も回復基調

米商務省が発表した10-12月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+4.0%となった。伸びは過去最大となった7-9月期+33.4%から予想以上に鈍化した。ただ、2四半期連続でプラス成長を維持した。10-12月期個人消費速報値は前期比年率+2.5%と、7-9月期+41.0%から予想以上に鈍化した。2四半期連続でプラス成長した。同時刻に労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は前週比6.7万件減の84.7万件と、予想87.5万件を下回り本年の初週以来で最小となった。失業保険継続受給者数は477.1万人と、パンデミックによる経済が封鎖された3月来で最小となった。

 

米国市場では12月PCEコア価格指数が公表

行動制限の強化を受けてサービス消費は引き続き軟調である。消費者物価コア指数の上昇率は鈍化していないが、感染再拡大による活動規制の強化は個人消費全般を抑制しており、12月のコア価格指数の伸び率はやや鈍化する可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   12月南アフリカマネーサプライM3
○15:30   12月仏消費支出(予想:前月比19.0%)
○15:30   10-12月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比▲4.0%)
○16:00   12月独輸入物価指数(予想:前月比0.9%/前年比▲3.1%)
○16:00   10-12月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比横ばい/前年同期比▲4.0%)
○16:00   10-12月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比▲3.2%)
○16:00   12月トルコ貿易収支(予想:46.0億ドルの赤字)
○16:45   12月仏PPI
○17:00   1月スイスKOF景気先行指数(予想:102.0)
○17:30   10-12月期香港GDP速報値(予想:前期比0.8%/前年同期比▲2.1%)
○17:55   1月独雇用統計(予想:失業率6.1%/失業者数変化6000人)
○18:00   1月ノルウェー失業率(予想:4.3%)
○18:00   12月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比11.2%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○21:00   12月南アフリカ貿易収支(予想:300億ランドの黒字)
○21:00   10-12月期メキシコGDP速報値(予想:前期比2.8%/前年比▲5.5%)
○22:30   11月カナダGDP(予想:前月比0.4%/前年比▲3.1%)
○22:30   12月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比1.4%)
○22:30   12月カナダ原料価格指数(予想:前月比2.5%)
○22:30   12月米個人消費支出(PCE、予想:前月比▲0.4%)
       12月米個人所得(予想:前月比0.1%)
       12月米PCEデフレーター(予想:前年比1.2%)
       12月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.1%/前年比1.3%)
○22:30   10-12月期米雇用コスト指数(予想:前期比0.5%)
○23:45   1月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:58.5)
○24:00   12月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲0.1%/前年比20.3%)
○24:00   1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:79.2)
○30日03:00  カプラン米ダラス連銀総裁、講演

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