★日経平均株価:高値警戒感から利益確定売り優勢
週末で利益確定売りが目立ったほか、テクニカル面で高値警戒感も生じていることから終始さえない動きとなった。来週以降、本格化する企業決算発表にマーケットの関心が向かっているとの声が聞かれた。7-9月期の決算では機械、電気機器、自動車などの回復が目立ったが、今回は小売や流通など、出遅れた業界の開封kがみられるかが焦点になる。結局、前営業日比125円安の2万8631円と反落して終了した。
★東京外国為替市場:新規材料難から103円台半ばでもみ合い相場
ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや日経平均の下げ幅縮小に支えられ、103.61円付近まで値を上げた。米長期金利が小幅に上昇したことも、ドルの買い戻しにつながった。しかし、前日の東京市場でつけた高値103.67円に接近すると、利益確定などのドル売り・円買いも見られ、103.55円を挟んでもみ合いとなった。午後に入っても、103.50円台を中心とした狭いレンジでの取引が続いた。新規の手掛かり材料に乏しく、週末ということもあり商いは薄かった。ユーロ/ドルは、1.2170ドル台でこう着した。欧州勢待ちの様相となっている。
★国内物価は10年3ヵ月ぶりの下落率
総務省が発表した2020年12月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は101.1となり、前年同月比1.0%下落した。前月の0.9%下落を下回り、2010年9月以来の大幅な下落率となった。市場安定を反映して電気代・ガス代の下落率が拡大、コアCPIの重石となった。コアCPIの前年同月比マイナスは5ヵ月連続となった。
日本10年債利回り+0.035%(名目金利)-消費者物価コア前年比-1.00%=+0.965%(実質金利)
★ビットコインは『8倍の壁』:機関投資家は慎重姿勢
ビットコインは14日に今月2度目の4万ドル台に乗せたが、その後は買いの勢いがピタリと止まった。チャート上は1月上旬の高値と『ダブルトップ』を形成した。20年3月のコロナショック時に付けた安値5000ドル前後の8倍にあたる4万ドル近辺が1つの『壁』として意識されるようになってきた。情報サイトのコインマーケットキャップなどが集計している24時間ごとの暗号資産の取引データによると、ビットコインはここ1週間ほど商いの薄い時間帯が目立つ。ある個人投資家は『上値を追う動きが活発だったことに比べて2~3割少なく、機関投資家の慎重姿勢が広がっているようだ』と警戒している。
★欧州市場ではマーク一イット1月ユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)が公表
12月実績は55.2だった。英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定が暫定的に発効されたが、ドイツなどにおけるウイルス感染拡大や都市封鎖措置の影響が強まることから、1月の製造業PMIは12月実績をやや下回る可能性が高いとみられる。
★ECBは金融政策据え置きを決定
欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で市場の予想通り政策金利据え置きやパンデミック緊急購入プログラムの規模を1.85兆ユーロで維持することを決定した。また、『金利は現行、またはそれ以下で維持』とのフォワードガイダンスも維持した。12月に追加緩和パッケージを発表後、今後はパンデミックの状況などを睨み、必要とあれば全政策措置を修正する準備があるとの方針を表明した。その後の会見で、ラガルド総裁は第4四半期の経済が縮小したとし、『大規模金融緩和が不可欠』とした。見通しリスクも下方に傾斜しているがリスクは深刻さが軽減したとの見方を示した。同時に、ユーロ高がインフレを抑制しているとし、為替を綿密に監視していくとしたためた。
★南ア準備銀行は予想通り政策金利を据え置き
昨日の南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)では、政策金利を市場予想通りに3.50%で据え置いたが、意外にも3対2という僅差での据え置き決定だった。食品価格や食用油・砂糖などの生活必需品が前年比で高騰していることなどもあり、利下げは行わないという意見が高まっていた。しかし、2名が0.25%の利下げを主張したのは、労働組合連合のコサツが利下げ(それも0.50%)を要求するなど、労働組合や経済界からの利下げ要求が強いことも理由として挙げられる。 なお、SARB声明文では『全体的なインフレ見通しは短中期的に均衡』『21年GDP見通しは3.6%に上方修正、前回予測3.5%』『21年コアCPI見通し3.4%、22年が4.0%と前回予測と変わらず』『将来のインフレ見通しは、前年の結果を踏まえてより安定的となった』『通貨下落によるインフレへのリスクは縮小』などと発表した。また、クガニャゴSARB総裁は『金融政策は引き続き緩和的』『経済や財政状態は変動幅が大きい状況が続くと予測』と発言した。
★米国市場ではマークイット1月製造業購買担当者景気指数(PMI)が公表
12月実績は57.1だった。雇用はさえないが、購買担当者の景気回復への期待は持続している。1月については、ウイルスの感染拡大が懸念されているものの、追加経済対策への期待やワクチン接種の拡大を考慮して12月実績に近い水準となる可能性がある。
★欧米市場イベント
○未定 1月月例経済報告
○16:00 12月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比1.2%/前年比4.0%)
○16:00 12月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.8%/前年比7.0%)
○17:15 1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.5)
○17:15 1月仏サービス部門PMI速報値(予想:48.5)
○17:30 1月独製造業PMI速報値(予想:57.5)
○17:30 1月独サービス部門PMI速報値(予想:45.3)
○18:00 1月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:54.5)
○18:00 1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:44.5)
○18:30 1月英製造業PMI速報値(予想:54.0)
○18:30 1月英サービス部門PMI速報値(予想:45.0)
○22:30 11月カナダ小売売上高(予想:前月比0.1%/自動車を除く前月比0.3%)
○23:45 1月米製造業PMI速報値(予想:56.5)
○23:45 1月米サービス部門PMI速報値(予想:53.6)
○23:45 1月米総合PMI速報値
○24:00 12月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲2.0%/年率換算655万件)
○23日01:00 EIA週間在庫統計
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