FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米経済が景気回復するとの期待から買い優勢

前日の米国株市場では主要3指数がそろって上昇した。その米株高の流れを引き継ぎ日経平均は朝方から検討に推移した。バイデン政権下で追加経済対策や大規模な財政出動が行われ、米国経済が回復するとの期待から、日本株でも幅広い業種で買われた。結局、前営業日比648円高の2万8139円と続伸して終了した。終値で2万8000円台に乗せるのは1990年8月以来、約30年5ヵ月ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:104.00円のドル売り厚く上値の重い展開

ドル/円は、米長期金利上昇や日経先物の大幅高を眺めてドル買い・円売りが進み、104.00円付近まで上昇して昨年12月中旬以来の高値をつけた。しかし、心理的節目の104.00円はドル売り・円買いがオーダーが厚く、上値を追う動きは限られた。その後は、週末を控えた利食い売りなどに押されて103.80円付近へ下落した。午後は、日経平均やアジア主要株価の動向を睨みながら、103.80台を中心とした狭いレンジで取引された。今晩発表される12月米雇用統計を前に、様子見を決め込む市場参加者も多かった。ユーロ/ドルは、1.2260ドル前後で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

昨年第4四半期のユーロ圏経済はマイナス成長:ECB

欧州中央銀行(ECB)は7日、定例の経済報告を公表し、経済指標は2020年第4・四半期のユーロ圏経済がマイナス成長となったことを示していると指摘した。
ECBは『高頻度データや最新のサーベイは、2020年第4・四半期のマイナス成長と符合する』とし『サーベイを見ると、経済活動が再び縮小し、主にサービス部門に悪影響が出た』と述べた。また、ECBは、ワクチン接種の開始が急激な景気回復への期待を支える要因となるが、免疫力が広い範囲で高まり、経済が正常化するには『時間がかかる』との見方を示した。

 

南ア与党ANCの創設記念日でラマポーザ大統領が演説

本日8日は、南ア与党アフリカ民族会議(ANC)の創設日である。1972年に創設された同党は例年1月8日に大規模イベントを開催していたが、今年はウイルス感染拡大のため小規模のものしか開催しない。そのイベントの中でラマポーザ大統領が演説を行うことが決定している。例年では様々な目標(スローガン)のようなものが発表される。今年はどのようなものになるかは分からないが、昨年は『統一、社会経済の再生、国造りの年』、2019年は『南アフリカを成長させるための統一行動の年』となっている。 現在の規制(第3段階)を変更するかということについてであるが、昨日行われたANCの会議で今回の創設記念日での規制変更発表は行わないという決定が下されたとされている。理由としては更なる規制強化を行う場合は、国民や企業に支援を提供しなくてはならないのだが、南アにはその余裕がないからとされている。

 

トルコの直近ネガティブ材料:米長期金利の上昇と原油高

米長期金利の上昇傾向を強めていることは対外債務が多いトルコにとってはネガティブ要因である。本日は、12月米雇用統計を受けた米金利動向が要警戒となる。また原油相場が高止まりしていることも、トルコは石油を輸入に頼っているためにリラ売り・外貨買いの増加に繋がる。英の独立調査機関が発表した新型コロナウイルスのデータ透明性指数では、トルコは対象100カ国中で97位とかなり低いランクになった。トルコより下位国はトルクメニスタン、セルビア、北朝鮮である。トルコでは、コロナに感染しても無症状者を公式感染者数にカウントしていなかった時期があり、今なお当局への不信感は根強いようである。不名誉なランキングは、トルコ観光業の回復を遅らせることになるかもしれない。

 

アサンジ被告を巡り米・メキシコ関係に悪化懸念

英国で拘束中の内部告発サイト『ウィキリークス』創設者ジュリアン・アサンジ被告を巡り、メキシコのロペスオブラドール大統領が同国への亡命を受け入れる意向を示したことが物議を呼んでいる。アサンジ被告は様々な機密情報を公表し、情報源が報復される危険をもたらしたとして、米国で起訴されている状況である。英国から米国への身柄引き渡しを求めていたが、4日には英地方裁判所がアサンジ氏の不安定な精神状況を考慮すると、米国の刑務所システムには耐えられず自殺する恐れがあるとして米国の引き渡し要求を却下した。この英裁判所の判断に対してロペスオブラドール大統領は『素晴らしい判断だ。彼はジャーナリストであって、もう一度チャンスを与えるに値する』として、亡命受け入れに寛容な姿勢を示した。このメキシコ大統領の対応にバイデン次期大統領は『対米関係を損ねる行動を取っているように見える』と発言するなど、米・メキシコ関係に新たな溝を作るのではとの懸念が広がっている。

 

メキシコの12月消費者物価指数(CPI)が公表

市場予想では、2カ月連続でメキシコ中銀の目標上限である4%を下回るとされている。インフレ抑制が恒常化すれば、中銀が再び緩和路線に転換するのではとの思惑が高まりやすい。先日発表された2020年の国内新車販売台数は9年ぶりの低水準だった。そして、下落幅でいうと1995年以来の落ち込みを記録したとされており、景気テコ入れの一環としての緩和再開も視野に入る可能性がある。

 

バイデン次期政権で大型財政政策に弾み:コロナ給付金増額へ

米民主党が6日、南部ジョージア州での連邦議会決選投票で2議席を獲得し、上院の主導権を奪還することが確実となり、バイデン次期政権が目指す大型財政政策の実現に弾みがつきそうだ。まずは、新型コロナウイルス追加経済対策で共和党に阻まれた、世帯への現金給付の増額を目指す。上院民主党トップとなるシューマー院内総務は6日、『最初にしたいのは(1人最大)2000ドル(約21万円)の現金給付だ』と強調した。多数派だった共和党が追加対策で阻止した600ドルからの増額を真っ先に実現すると表明した。

 

米国市場では12月雇用統計が公表

12月中旬の新規失業保険申請件数は88.5万件だった。ウイルスの感染流行が収束していないことから、失業保険申請件数は11月の同時期との比較で10%以上増えている。雇用拡大のペースは大幅に鈍化し、非農業部門雇用者数の増加幅は10万人を下回る見込みとなっている。失業率については、労働参加率がやや上昇するとみられており、0.1ポイント程度上昇する可能性がある。

 

欧米市場のイベント

○15:45   12月スイス失業率(季節調整前、予想:3.6%)
○16:00   11月独貿易収支(予想:192億ユーロの黒字)
○16:00   11月独経常収支(予想:240億ユーロの黒字)
○16:00   11月独鉱工業生産(予想:前月比0.7%/前年同月比▲2.3%)
○16:45   11月仏鉱工業生産指数(予想:前月比▲1.0%)
○16:45   11月仏消費支出(予想:前月比▲15.9%)
○16:45   11月仏貿易収支(予想:50.00億ユーロの赤字)
○16:45   11月仏経常収支
○19:00   11月ユーロ圏失業率(予想:8.5%)
○22:30   12月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化▲2.75万人/失業率8.6%)
○22:30   12月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化7.1万人/失業率6.8%/平均時給、前月比0.2%/前年比4.4%)
○24:00   11月米卸売売上高
○24:00   11月米卸売在庫(予想:前月比▲0.1%)
○9日01:00   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○9日05:00   11月米消費者信用残高(予想:90億ドル)
○ロシア(新年休暇)、休場

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