FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株先物がマイナス圏に沈み売り優勢に

朝方は米国株式市場が下落した流れを引き継ぎ幅広い銘柄で売りが先行したが、売り一巡後は下げ幅を縮小し、プラス圏に浮上する場面もあった。NYダウ先物がマイナス圏に沈んだことが相場の重石となり、マイナス圏に沈んだ。ただ、下げる場面では引き続き押し目買い意欲も強かった。半導体関連を中心に値がさ株の一角には先高観から買いが入り、下値を支えた。結局、前日営業日比99円安の2万7158円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:元高・ドル安がドルの重石

ドル/円は、日経平均やアジア主要株価の動向を睨みながら、103.15円を挟んでもみ合いが続いた。午後は、日経平均の下げ幅拡大を眺めたドル売り・円買いに押され、103円を割り込んで102.94円付近まで下落した。一部メディアが『東京都で新型コロナウイルスの感染者が新たに1200人あまり確認された』と報じたことも、リスク回避の円買いにつながった。ユーロ/ドルは、FRBの低金利政策が長期化するとの思惑からユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.22ドル台後半の高値圏で推移した。午前に中国人民銀行が公表した人民元の対ドル基準値が、1ドル=6.476元と前営業日の基準値6.5408元よりも大幅な元高・ドル安水準に設定されたこともドルの重石となった。

 

南アは現在の規制水準で様子見

南アも英国同様に昨年4月のように更に厳しい規制を行うのではないかという噂が流れたが、今回の規制の期限とされている15日までは現在の規制水準(レベル3)で様子をみるのではないかという声が現時点では多い。

 

トルコ中銀による早期再利上げ期待がリラの支え

12月トルコCPIは前年同月比+14.6%となり、1年4カ月ぶりの水準まで上昇した。同時に発表された同月生産者物価指数(PPI、前年同月比)も11月から約2%も上昇し、+25%を超えた。トルコ中銀による11月大幅利上げ(10.25%から15%に引き上げ)の効果も限定され、インフレとの戦いが長期に渡るであろうことが予想される。
12月インフレ指標の結果を受けてエルバン・トルコ財務相は『インフレとの戦いで断固たる姿勢を示す』『トルコ中銀の金融政策をサポートする』と述べており、中銀がさらに引き締め姿勢を強めることも考えられる。早期再利上げへの期待を背景にした外国勢からのリラ買いが相場の支えとなっている。

 

7日のメキシコの12月CPIで利下げムードに転換する可能性に注意

国内でのイベントとしては7日に12月メキシコ消費者物価指数(CPI)の発表がある。先月には久しぶりに中銀のインフレ目標内に収まり、今月も上限4%に届かないと見られている。先月は小売店の安売り期間の長期化がインフレ鈍化を招いたと中銀は判断しているが、今後も鈍化が続くようならば声明で言っていた『不確かさが存在している』ことが浮き彫りとなる可能性もあり、一気に利下げムードに転換する可能性があるため、注意が必要である。

 

FRBのタカ派の敗北宣言とハト派の勝利宣言

2020年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権メンバーだった『タカ派』のメスター・クリーブランド連銀総裁は、1月5日に『米経済は依然としてFRBの2つの目標(雇用・インフレ)にはほど遠く、政策変更は必要とならない。金融政策は当面緩和的である必要』と述べて、タカ派の看板を下ろした。2021年のFOMC投票権メンバーとなる『ハト派』の筆頭格であるエバンス・シカゴ連銀総裁は、1月4日、『責務達成とリスク管理に向け、FRBの政策スタンスはかなりの期間にわたり緩和的でなければならない。FRBが2つの責務の達成に取り組む中、超低金利とバランスシート拡大が維持される期間に用意を整えておく必要がある』と述べた。

 

本日ジョージア州で米上院議員2議席の決選投票

仮に民主党が両議席とも獲得するようになると、両党が50議席ずつになる。その場合は、議会で提案された決議などで多数決が同数となった場合は、議長である次期副大統領(ハリス氏)が投票することができるため、民主党が大統領・上下両院を獲得することになる。市場はバイデン氏の公約である法人税の引き上げに対して上院で共和党が多数派を占めることにより、増税を阻止することができて株価上昇というシナリオを描けた。しかしながら、もしこのシナリオが狂った場合は今後の金融市場の動きが変わってしまう可能性もある。(なお、600ドルの個人への給付金を2000ドルへ引き上げる法案は、マコネル上院院内総務(共和党)が反対をしているが、共和党現職2議員は、選挙で勝つために給付金の引き上げに賛成をすることを表明している。)
結果が出た後も再集計などで揉めることになるが、日本時間の6日辺りにはある程度の結果が見えてくるのではないかと思われる。その結果で株先、そしてそれに付随して動く為替相場も要警戒となる。

 

米国市場では12月ISM製造業景況指数が公表

11月実績は57.5だった。先行指標となる12月マークイット製造業PMIは56.5だった。11月は新規受注がやや減速したことから、10月実績を下回った。新型コロナウイルスの感染流行が続いていることから、12月の新規受注は11月実績をやや下回る可能性があり、全体の指数は50を大幅に上回るものの、11月実績を下回る見込みである。

 

欧米市場イベント

○16:00   11月独小売売上高指数(予想:前月比▲2.0%/前年比4.0%)
○16:30   12月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい)
○16:45   12月仏CPI速報値(予想:前月比0.4%/前年比0.2%)
○17:55   12月独雇用統計(予想:失業率6.1%/失業者数変化1万人)
○18:00   11月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比10.7%)
○22:30   11月カナダ鉱工業製品価格
○22:30   11月カナダ原料価格指数
○24:00   12月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:56.5)
○6日05:45   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○米ジョージア州で連邦議会上院の2議席を巡る決選投票
○ロシア(新年休暇)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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