FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米追加景気対策・歳出法案に署名したとの報道を好感

クリスマス休暇ら年末休暇までの休暇シーズンで市場参加者が少ない中、取引時間中にトランプ米大統領が新型コロナウイルス追加景気対策・歳出法案に署名したと報道されたことが好感され、日経平均は前場を通してプラス圏での推移となった。トランプ米大統領が署名したことにより、失業給付の特例措置が再導入され、連邦政府機関の一部閉鎖も回避されることになった。後場にかけて上げ幅を拡大してこの日の高値で終了した。結局、前営業日比197円高の2万6854円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:トランプ大統領が署名したことでリスク選好の円売り

ドル/円は、本邦輸出勢のドル買い・円売りや日経平均の反発に支えられ、103.62円付近まで上昇した。トランプ米大統領が新型コロナウイルス経済対策法案に署名したことも、リスク選好の円売りにつながった。ただ、26日の早朝につけた103.67円が上値目処として意識されると上げは一服した。その後は、利益確定などのドル売り・円買いも見られ、103.60円付近でもみ合いとなった。午後は、日経平均株価の動向を睨みながら、103円台半ばで取引された。本日はボクシングデーで英国市場で休場となるため、様子見ムードも強かった。ユーロ/ドルは手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、1.22ドル台前半で小幅な値動きに終始した。

 

中国の工業企業の利益は大幅回線

中国国家統計局が27日に発表した統計によると、2020年1-11月の工業企業(年間売上高2000万元以上の企業)の税引き前利益は前年同期比2.4%増の5兆7445億元となった。1-10月の0.7%増から伸び率が1.7ポイント加速した。

 

欧州でもワクチン接種が本格的に始まる

欧州連合(EU)加盟国で27日、新型コロナウイルスのワクチン接種が本格的に始まった。米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンをまず高齢者や医療関係者に投与する。EUの人口は約4億5000万人。年内に1250万回(625万人)分のワクチンを受け取る予定である。EUは、米モデルナ、英アストラゼネカなどからも計20億回分以上のワクチンを確保している。来年中にすべての成人に投与することを目指す。フランスやポーランドなどの世論調査によると、ワクチン接種に消極的な人も少なくないが、EU首脳は日常生活を取り戻す上で最高のチャンスになると訴えている。

 

エルドアントルコ大統領の利上げに対する言動に注意

先週トルコ中銀が予想以上の利上げ幅を決定した影響を暫く見極め、トルコと欧米との関係の行方や新型コロナウイルス感染状況に注視しながらの取引となった。トルコ中銀は24日に開いた金融政策決定会合で、政策金利を15%から17%に引き上げた。市場予想(16.5%に引き上げ)を上回る上げ幅だったことや、声明で引き締め姿勢を継続する断固たる決意を示したことが市場に好感された。気を付けるべきは、金利は低くあるべきとの考えを持つエルドアン大統領の動向である。前回の中銀会合後は、大統領が金利高けん制の発言をしたことでリラ相場は伸び悩んだ。エルドアン大統領は最近、金利に関してはかなり言葉少なめではあるが、今回も中銀に何等かの圧力を加えてくる可能性は捨て切れない。

 

複数の国で南アの入国制限及び停止で南アの経済へ打撃

英国のハンコック保健相は南アの変異種は英国のものよりも感染性が高いと発表した。このことで、英国は南アからの航空便を停止したほか、過去2週間に南アに滞在していた国民を2週間隔離することにもなった。(一方で南アの研究者は英国の変異種よりも感染性が高いことを否定し、英国が変異種拡大を抑え込めていないのを南アの責任にしようとしているのではないかという疑念の声も高まっている。) 英国だけでなく複数の国で南アの入国制限及び停止を行っていることは、南ア経済にとってはマイナス要因となり、先週まで続いたランド/円の買いトレンドも終焉する可能性もある。

 

欧米市場イベント

○21:00   11月南アフリカ貿易収支
○29日03:00   米財務省、2年・5年債入札
○英国、カナダ、(以上、ボクシングデーの振替休日)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ