FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:参加者減少で方向感定まらず

前日の米国株市場はまちまちの展開だったが、NYダウ先物が上昇したことや、日経平均が前日大幅下落したことで押し目買いが入り、朝方はしっかりで始まった。しかし、全体的に参加者が減少していることもあり方向感が定まらなかった。日経平均はもみ合いに終始し、一時マイナスになる場面もあった。結局、前営業日比88円高の2万6524円と4日ぶりに反発した。信用評価損率は18日申し込み時点でマイナス12.98%と、前の週のマイナス13.16%からマイナス幅が0.18ポイント縮小した。改善は3週間ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:方向感なく103.40円台を中心としてもみ合い相場

ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、103.65円付近へ値を上げた。しかし、前日につけた103.73円が上値の目処として意識され、上げ幅は一服した。その後は、日経平均の上げ幅縮小やNYダウ先物の下落を眺めてドル売り・円買いに押されて103.50円付近へ下落した。午後は日経平均を睨みながら、103.40円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。今晩の株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、商いは薄かった。ユーロ/ドルは、1.21ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

EUが英国の譲歩案を拒否:交渉は来年も継続する可能性も

態度を軟化させたジョンソン英首相の足元を見たのか、昨日はEUが英国の譲歩案を拒否した。そのため、引き続き交渉が続けられている。バルニエEU主席交渉官がEU各国の大使に向けて現状報告をしているが、それらをまとめてみると、両者の溝がどこにあるのかが分かってくる。簡単にまとめてみると、最大の懸案となっている漁業権については、先ず、ブレグジット後の移行期間では英国は3年を主張しているのに対して、EUは6年としている。また、移行期間後の英海域での漁獲量削減については、英国は従来の60%から35%まで譲歩したのに対して、EUは25%なら受け入れられるといった主張をしている。バルニエ氏が説明したように、確かに溝は縮まって『進展』はあったのかもしれないが、合意に至るまでには至っていない。一部からはブレグジット後の来年1月になっても交渉を続ける可能性も報じられるなど、なお予断を許さない状況に変わりはない。

 

南アの明るい話題はワクチンの頭金支払い完了

英国だけではなく南アでもウイルス変異種に対する不安はぬぐえない。明日からドイツをはじめ複数の市場が休場になり、南アも25日はクリスマス休場となっている。すでに多くの市場参加者が休んでいることもあり、ランドは薄商いが予想される。フローに左右される相場のため、大きなニュースが無い限りはもみ合いが予想される。南アからの明るい話題を探すと、支払いが遅れていたウイルスのワクチンの頭金(2億8300万ランド)を昨日支払いが完了したことである。これにより南アの10%(約600万人)が予防接種を受けることができるとされている。

 

トルコの自動車輸出の重要国は実はフランス

トルコ国内には世界の自動車メーカー(フォード、ホンダ、トヨタ、メルセデス、ルノー、ヒュンダイなど)の工場があり、トルコの自動車製造業者協会(OSD)によれば、今年1月から11月までに乗用車と商用車を合わせて合計約115万台が国内で生産された。新型コロナウイルス感染拡大による工場稼働率の低下や需要低迷はあったが、前年同期比の減少幅は13%と何とか留まっていると言えるかもしれない。ただし、輸出台数は前年比で3割弱の減り、苦しい状況になっている。さて、20年1月から11月までのトルコの自動車輸出総額は約231億ドルとされ、トルコ総輸出に占める割合は15%と同国経済にとっての重要度は変わらない。その自動車輸出の相手国は合計で115カ国にも達したとされている。そしてトルコの自動車輸出先でシェアトップが、約14.2億ドルと2位や3位と2倍弱の差をつけてフランスである。しかしながら、エルドアン・トルコ大統領とマクロン大統領の亀裂はかなり深いように見える。トルコ自動車輸出の現状を見る限りでは、外貨が喉から手が出るほど欲しいトルコにとってフランスの位置づけは無視できない。

 

トランプ政権と違い次期政権とはメキシコは友好的な対話

週末にはロペスオブラドール大統領と米国のバイデン次期大統領が電話会談を行い、中米地域の移民問題に人道的に取り組むことで一致した。移民が米国を目指すことの代替策となる新たなアプローチを議論していくとした。国境の壁建設などで強硬な姿勢を示したトランプ米大統領と違い、まずは友好的な対話が進んでいる模様である。 一方、メキシコ国内で新型コロナウイルスの感染拡大は依然深刻で、首都メキシコシティでは警戒信号を『赤色』に変更した。活動制限はさらに強まることになった。英国などで広がっている変異種について、メキシコ国内では現在確認されていないが、今後も懸念材料となる。

 

12月消費者信頼感指数が予想外に悪化:労働市場に悲観的な見方も

コンファレンスボードが発表した12月消費者信頼感指数は88.6と、11月92.9から上昇予想に反し2カ月連続で低下し8月来で最低となった。11月分も96.1から92.9へ下方修正された。現況指数は90.3と11月の105.9から低下し8月来の低水準になった。期待指数は87.5と、11月84.3から上昇したものの11月分は速報の89.5から下方修正された。雇用に関する信頼感も悪化しており、米国経済をけん引する消費にも影響を与えかねない。雇用が現在十分と答えたのは21.8%と、2カ月連続の低下で、6月来で最低になった。不十分は56.2%と、2カ月連続の上昇で6月の水準に並んだ。職を得るのが困難と答えたのは22.0%で8月来で最高となった。6カ月後の予想で、雇用の減少予想は22.2まで上昇し、悲観的な見方が広がっていることが明らかになった。

 

米国市場では11月PCEコア価格指数が公表

10月実績は前年比+1.4%になった。11月は、ウイルス感染の増加でサービス面の支出が落ち込む可能性があること、複数の州で事業活動への新たな制限措置が導入されていることから、上昇率は横ばいとなる見込み。

 

米国市場では11月耐久財受注が公表

10月実績は前月比+1.3%で市場予想を上回った。設備投資の先行き指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は+0.7%で市場予想をやや上回った。11月については、10月がやや高い伸びを記録したことから、伸び率は低下する可能性が高いが、直近においては電子機器や輸送機器の受注が伸びていること、企業の設備投資は底堅い動きを見せていることから、ある程度の増加が予想される。

 

米国市場では11月新築住宅販売件数が公表

10月実績は、99.9万件となった。9月実績をわずかに下回ったものの、新型コロナウイルスの感染流行前の水準を上回っている。低水準の住宅ローン金利が後押ししている。11月については、在庫がやや不足していることから、10月実績をやや下回る可能性がある。ただ、販売価格は下げ渋っており、新築住宅市況は当面堅調とみられる。

 

欧米市場イベント

○16:00   11月独輸入物価指数(予想:前月比0.3%/前年比▲4.0%)
○16:45   11月仏卸売物価指数(PPI)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   10月カナダGDP(予想:前月比0.3%/前年比▲3.6%)
○22:30   11月米耐久財受注額(予想:前月比0.6%/輸送用機器を除く前月比0.5%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:88.5万件/555.8万人)
○24:00   11月米個人消費支出(PCE、予想:前月比▲0.2%)
       11月米個人所得(予想:前月比▲0.3%)
       11月米PCEデフレーター(予想:前年比1.2%)
       11月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.1%/前年比1.5%)
○23:00   10月米住宅価格指数(予想:前月比0.6%)
○24:00   12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:81.3)
○24:00   11月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲0.3%/99.5万件)
○24日00:30   EIA週間在庫統計

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