FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:日銀の株式ETF買い期待で下げ幅縮小

朝方は反発してスタート後、年初来高値更新となったが、その後は国内での新型コロナウイルスの感染拡大や欧州での変異種の発生などに対する警戒感から、徐々に値を消す展開となった。国内でのコロナ感染や英国でロックダウンといったネガティブなニュースを受け、景気への影響が警戒されている。米追加経済対策合意で材料出尽くしとなっていただけに、利益確定売りが強まりやすかった。一方で、日銀の株式ETF買い期待を背景に、次第に下げ幅を縮めた。結局、前営業日比48円安の2万6714円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米追加経済対策合意でドル買い戻し

ドル/円は、日経平均の下げ幅が一時200円を超えたことからリスク回避の円買いを誘い、103.25円付近まで下落した。しかし、18日の欧州市場で付けた103.20円が下値目処として意識されると下げは一服した。その後は、本邦輸入企業などがドル買い・円売りに動き103.40円付近へ値を持ち直した。週末に米議会の与党指導部が9000億ドル規模の追加経済対策を合意したことで、米景気先行き懸念が後退したこともありドルが買い戻された。午後は、日経平均の下げ幅縮小を眺めたドル買い・円売りに103.50円付近へじり高となった。ユーロ/ドルは、欧州で感染力の強い新型コロナウイルス変異種の拡大が続いているため、欧州景気の落ち込みを警戒したユーロ売りが優勢になり、1.21ドル台後半の安値圏で推移した。

 

ポンドは年末までFTA協議関連のヘッドラインで一喜一憂

ジョンソン英首相と欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は13日までに『決断を下す』と明言し、英国のEU離脱問題はやっと決着を迎えるかと思いきや交渉は継続することになった。結局は相手から譲歩を引き出したい一念でのパフォーマンスに過ぎず、この駆け引きは移行期限の年末ぎりぎりまで続く可能性がある一方で、ここ数日で決着することも考えられる。EUでは交渉決着の遅れで欧州議会の承認が間に合わず、英国との自由貿易協定(FTA)批准が年明けにずれ込む事態も想定している。欧州議会は28日に臨時本会議の開会を決めているが、合意が来週以降になる場合には議会は採決に難色を示している。交渉が決着していてもFTAを発効できず、年明けに経済の混乱が生じる懸念がある。ポンドは協議関連のヘッドラインで一喜一憂する神経質な動きが年末まで続く可能性が高い。

 

南ア経済に対する回復期待がランドの下支え

8日発表の良好な結果だった7-9月期南アフリカ国内総生産(GDP)後の底堅さが継続される。一部通信社が実施したアナリスト調査によれば、南アの21年成長率見通しは3.9%増とされ、同国経済に対する回復期待感が高まっている。また、11月インフレ指標で南ア物価動向の落ち着きが確認されたこともランドにとっては支援材料になる。足もとのデータを見る限り、南ア準備銀行(SARB)が9月に停止した緩和サイクルに戻るということは考え難く、低金利政策の長期化を余儀なくされる主要先進国との金利差が意識される。

 

24日のトルコ中銀金融政策決定会合への思惑で上下する

アーバル中銀総裁は先週、インフレ対策を最優先事項とし、データ次第では更なる金融引き締めにも含みを持たせた。トルコ中銀は前回11月19日会合で大幅利上げ(政策金利10.25%から15%へ)を実施したが、総裁発言を受け、24日の中銀会合での金利を引き上げ観測が高まりつつある。一部通信社の調べでは利上げ幅は1.5%程度を見込んでいるが、上げ幅2.5%までを予想する専門家もいる。 また、アーバル中銀総裁は外貨準備高の拡大に努めると述べており、実際に準備高は持ち直している。トルコ中銀が発表した11日時点の外貨準備高(グロス、金保有高を除く)は約474億ドルと、アーバル氏の総裁就任後の約1カ月間で17%超回復したことになる。

 

米国では追加経済対策が史上2番目の大きさで与野党合意

米議会の与野党指導部は20日、9000億ドル規模の新型コロナウイルス追加経済対策で合意に達したと明らかにした。民主党のホイヤー下院院内総務によると、下院で21日に採決を実施し、その後、上院でも採決が行われる見通し。今回の対策の規模は3月に承認された米史上最大の2兆3000億ドルの経済対策に次ぐ2番目の大きさとなる。ホワイトハウスのベン・ウイリアムソン報道官は、トランプ大統領は同法案を支持しており、署名し、成立させる見通しと述べている。新型コロナ追加経済対策には、国民への600ドルの直接給付、失業給付の週300ドル上乗せ、小規模事業への追加支援が盛り込まれる見通し。250億ドルの家賃補助も提供される。

 

閑散相場のなか米FRBの追加緩和観測がドル売り圧力

24日はクリスマス・イヴでドイツなど欧州市場が休場、25日はクリスマスで欧米市場が休場となることで、閑散な取引が予想される。米連邦公開市場委員会(FOMC)では、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジが0-0.25%で据え置かれ、ゼロ金利政策を2023年末まで継続し、月額の債券購入額を1200億ドルで据え置き、購入期間は『今後数カ月にわたって』から、雇用とインフレに『一段と顕著な進展』が見られるようになるまでに変更された。そして、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は追加緩和策を示唆したことで、ドル売り圧力が強まりつつある。世界的な新型コロナウイルス感染第3波を受けたリスク回避の円買いも重なり、ドル円は上値が重い展開が予想される。

 

欧米イベント

○17:30   11月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比横ばい)
○24:00   12月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲16.8)
○22日03:00   米財務省、20年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ