FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価は後場下げ幅縮小:日銀によるETF株の買い期待

前日の米国株の下落を嫌気して寄り付きから3桁の下落となった。また米国でIT株が弱かったこともあり、半導体関連の下げが大きかった。ただ、業績に安定感のあるディフェンシブ銘柄への買いや日銀によるETF株の買い観測が下げ渋りを誘った。もっとも今晩は米国市場が独立記念日で休場となり海外投資家の動きが鈍く方向感に乏しい展開に終始した。結局、前日比68円安の2万1717円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米中貿易摩擦懸念からドル上値重い

ドル/円は、米中貿易摩擦に対する懸念から持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、一時110.28円近辺まで下落した。日経平均株価の下げ幅が一時150円を超えたことも、リスク回避の円買いを支援した。しかし、下値では本邦実需勢からのドル買いも見られ110.40円付近へ切り返した。午後からは日経平均株価にらみながら110.40円前後でもみ合いとなった。米国では独立記念日で休場となるため、積極的な売買は見送られた。ユーロ/ドルは、1.1665ドル前後で方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコリラの上値を重くしている要因

3日に発表された6月トルコ消費者物価指数(CPI)が前年比15.39%と2003年10月以来の伸び率となり、市場はトルコリラ売りに傾いた。トルコリラ/円は、24円付近から23.60円台へ下落した。CPIの結果を受けて、7月24日のトルコ中銀政策決定会合で利上げとの思惑が高まった。しかし、先月に再選を果たしたエルドアン・トルコ大統領の公約で『当選した際には利下げする』とは真逆であり、中銀と大統領の対立が強まるとの警戒感がトルコリラ売りにつながっている。またトルコは、NATOに加盟していながらもロシアからミサイルシステムを導入しようとしている。これに対して、NATO加盟諸国から経済制裁が課せられる恐れも出てきた。対内外に問題を抱えるトルコの通貨の上値を重くする要因となっている。

 

米2-10年債の利回り曲線が平坦化:景気後退シグナル

IMF(国際通貨基金)によると、世界経済は2018年、2019年と3.9%成長が予想されている。しかし、2019年に世界経済が景気後退入りするリスクが著しく高まったと、ストラテジストは警告している。米国債の利回り曲線も一段と平坦化してきた。米2年債と10年債の利回り格差は3日に2007年9月以降ほぼ11年ぶり最小となった。短期債と長期債の利回りが逆転した場合、景気後退入りする兆候だと見られており、FOMCメンバーも含めて警戒されている。

 

米中による関税発動を控えて市場はリスク回避強まる

米中による関税発動を控えて、貿易協議にはあまり進展が見られず、貿易摩擦の深刻化が警戒されている。トランプ政権は6日に中国製品に対する25%の追加関税の第1弾を発動する計画となっている。この場合、中国も報復措置として同規模の関税を米国製品にかけると見られる。中国人民銀行が、易総裁を含め高官が『人民元を通商問題への対処として使用しない』『元の安定を維持する』と口先介入を実施した。下落を続けていた人民元が一旦反発し、円も連れ高となった。

 

メキシコ新大統領が試される:景気減速とペソ安を阻止できるか

先週末に行われたメキシコの大統領選では、新興左派政党のロペスオブラドール氏が与党・制度的革命党のミード前財務公債相などを破り当選した。同氏はトランプ米大統領に対して対等の立場を求める対米強硬派であり、現在中断しているNAFTA交渉においては継続する姿勢を示している。ただ、両者がこのまま何の衝突もなく落ち着くとは到底思えない。また、『国境の壁』についても依然として歩みよりは見られておらず、1日には初の電話会談を行った。トランプ米大統領は『関係は良好なものになる』と述べたものの不透明感は拭えない。メキシコは、インフレ高も懸念材料となる。直近のCPIは前年比で4.51%上昇と昨年9月に約16年ぶりの高水準を付けた6.66%上昇から落ち着きを見せいていものの、依然として中銀目標の2-4%を上回っている。中銀はインフレリスク軽減のために先月にも今年2回目の利上げを実施し、政策金利はここ9年で最高水準となっている。しかし、直近GDP成長率は前年比で1.3%増と4年はぶりの低成長を記録するなど、利上げは国内経済を着実に抑圧している。今後の米国とのNAFT協議次第ではさらにドル高・ペソ安が進む可能性があり、新大統領の手腕が試される。

 

欧米イベント

○16:50   6月仏サービス部門PMI改定値(予想:56.4)
○16:55   6月独サービス部門PMI改定値(予想:53.9)
○17:00   6月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:55.0)
○17:30   6月英サービス部門PMI(予想:54.0)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○米国(独立記念日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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