FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:感染者増による先行き不安から売り優勢

新型コロナウイルスの感染者増から、経済の先行きに対する不安感が高まり、景気敏感株を中心に売り優勢の展開となった。ただし、売り一巡後はワクチン供給による景気回復期待を背景にハイテク株の一角の下値では押し目買いが流入し、中ごろから下げ渋る展開となった。結局、前営業日比80円安の2万6467円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:材料難から104.05円前後でこう着相場

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ104.10円近くへ値を上げた。日経平均の下げ幅縮小で、リスク回避姿勢が和らいだことも円売りにつながった。ただ、米国で新型コロナウイルスの感染者が急増し、経済活動の停滞が警戒されていることから上値を追う動きは限られた。その後は、持ち高調整などのドル売り・円買いも見られ、104.05円前後で取引された。午後に入っても、104.05円を挟んでもみ合いが続いた。英国とEUの通商交渉や米追加経済対策の行方を見極めたいとのムードが強く、積極的な売り買いは手控えられた。ユーロ/ドルは、1.21ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

10日にECB理事会が開催:量的緩和強化やユーロ高牽制が焦点

コロナ感染の再拡大などにより、コロナ対策で導入した1兆3500億ユーロ(約170兆円)の資産購入策と銀行への資金供給策について、拡大や期間延長などが焦点になっている。すでに織り込みは進んでおり、想定の範囲内となれば一旦の好材料出尽くしなどで、欧米の株安と安全逃避によるユーロ安・ドル高という調整リスクをはらむ。円相場ではドル/円でのドル小幅高、ユーロ/円でのユーロ小幅安という短期変動も想定される。一方で注目されるのは、ECBによるユーロ高への警戒度合いである。予想よりも強い警戒姿勢が示され、先行きの対策強化が示唆されると、短期調整的なユーロ安やドル高を促す。反対に想定の範囲内の警戒トーンにとどまると、短期調整を挟みつつも基本的なユーロ高・ドル安の地合いが持続すると見られている。

 

南アフリカの7-9月期国内総生産(GDP)を公表:ぬか喜びは禁物

本日最大の注目となるのが、南アの7-9月期国内総生産(GDP)になります。4-6月期が厳格なロックダウン中だったことで、前期比では50%を超える上昇が期待されています。上昇に寄与するセクターとしては鉱業・製造業・小売・卸売・電力生産などと指摘されている。しかしながら、7‐9月期は大幅な上昇を予想をしているものの、4-6月期があまりにも酷かったことと、10‐12月期についても悲観的なため、ぬか喜びをしてはいけないとの声がある。10-12月期は南アの主要貿易相手国である欧州が再ロックダウンを行っていることや、南ア国内も今週からマンデラベイでロックダウンが再び始まったことなどが理由となっている。

7-9月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比年率52.6%/前年同期比▲7.2%)

 

EU外相会議でトルコに制裁を科すべきか検討:リラの重石

昨日のEU外相会議を終えて、ボレルEU外務・安全保障政策上級代表は制裁への言及は避けたが、『トルコを巡る状況はポジティブではない』と述べた。トルコが東地中海における権益を諦めるとは到底思えないなかで、EU加盟国のギリシャやキプロスとの対立構図は変わらないと予想される。仲介役として期待されるドイツも反トルコ陣営を抑えられるか不透明とされるなか、リラの上値を積極的に追う展開とはなり難そうである。

 

NY市場では引き続きウイルス感染拡大状況と追加経済対策に注目

昨日のNY市場では、新型ウイルス感染件数の増加が警戒感に繋がりリスク回避の動きが再び優勢となった。ホワイトハウスのパンデミックタスクホースの一医師が最悪の状況に直面する可能性を警告。米国でワクチンは早ければ10日、11日のうちに配布が開始される予定だが、量に限りがあるため国民全体に行きわたるには来春くらいと時間がかかる懸念も残る。それまでに、ウイルス感染が一段と拡大し、規制強化などで、景気が一段と落ち込む可能性が警戒されており、ドルの上値を抑えている。同時に、速やかな追加経済対策に期待が集まる。ペロシ下院議長はクリスマス前の合意に楽観的な見方を示したが、行方に注目されている。もし、何らかの合意が成立した場合、見通し改善でドル買いが再燃することになる。

 

今晩から米国国債の大規模入札実施:結果次第では波乱含み

米国債市場では前週、コロナワクチンの開発期待や米追加経済対策の進展期待などで、米10年債金利が上昇(価格は下落)となった。その中で今週は、米国の財務省による大規模な国債入札が予定されている。8日に3年債560億ドル、9日に10年債380億ドル、10日に30年債240億ドルの入札が続く。先行きの財政出動拡大や米国債の増発持続警戒などにより、入札で需要が伸び悩むと、一段の米債金利上昇へと作用する。為替相場では、全般的なドルの反発を支援する。ただし、米債金利上昇が米国の株安につながり、『リスク回避の円高』や『米債売り=ドル安』となる市場反応も注視される。

 

欧米イベント

○15:45   11月スイス失業率(季節調整前、予想:3.3%)
○16:45   10月仏貿易収支(予想:54.16億ユーロの赤字)
○16:45   10月仏経常収支
○18:30   7-9月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比年率52.6%/前年同期比▲7.2%)
○19:00   12月独ZEW景況感指数(予想:45.5)
○19:00   12月ユーロ圏ZEW景況感指数
○19:00   7-9月期ユーロ圏GDP確定値(予想:前期比12.6%/前年比▲4.4%)
○21:00   11月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.78%)
○22:30   7-9月期米非農業部門労働生産性・改定値(予想:前期比4.9%)
○9日03:00   米財務省、3年債入札
○米大統領選、各州の投票結果の確定期限

 

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