FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

豪準備銀行政策金利据え置きを決定

豪準備銀行(中央銀行)は開いた理事会で政策金利を1.50%に据え置くことを決定した。声明では、『低金利は引き続き豪経済を支援する』『金利据え置きは持続的な経済成長と合致する』『インフレ率はしばらく低水準にとどまる公算が大きい』との見解を表明した。早期の利上げの思惑は後退した。

 

日経平均株価:押し目買い入り引けにかけ下げ幅縮小

前日のNYダウが35ドル高の3日続伸を受け買いが先行し先物主導で上げ幅を100円超へ広げたものの、香港などアジア株の軟調や中国減速懸念を背景とした売りに押され下げに転じた。一時230円超へと下げ幅を広げたが安値では押し目買いに支えられて下げ幅を縮めた。結局、前日比26円安の2万1785円と小幅続落して取引を終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株の動向にらみの展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の上げ幅が一時100円を超えたことに支えられ一時111.13円まで上昇した。しかし、米朝貿易摩擦に対する根強い懸念からドルの上値は重かった。その後、日経平均株価がマイナス圏に沈んだことやアジア株のさえない動きをながめて持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、110,76円まで下落した。午後は、日経平均株価が下げ幅を縮小すると、ショートカバーが入った111.00円近辺まで上昇した。上海総合株価指数が持ち直したことも、過度なリスク回避姿勢を和らげた。ユーロ/ドルは、ドイツの政局を巡る過度な懸念の後退で、ポジション調整などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.1640ドル台へ切り返した。

 

中国で社債のデフォルトが急増

景気減速が見込まれる中で、債務不履行総額は2018年に入りすでに年間記録の4分の3を突破した。中国企業による年初来ので公募債の不履行は約165億元(約2740億円)とすでに16年に記録した年間ベースでの過去最悪の207億元に迫りつつある。中国の格付け会社、大公国際資信評価などによる格付けも記録的ペースで、社債市場を巡る緊張を巡る緊張が一段と強まるのは必至である。

 

6日の英国の閣僚との会合に注目:英ポンドに波乱も

EU首脳会議では6月末、英国のメイ首相に対し、EUからの合意なき離脱を回避するため、『非常に大きな』隔たりを克服する方法を提示するよう求めた。メイ首相に英政権内の対立を克服し、EUとの協議を前進させる最後通牒を行っている。その中でメイ首相は今週、EU離脱を巡る閣内と与党内の対立を終わらせることを目指した会合を行う。6日には閣僚らと会合を開く予定となっている。一定の歩み寄りと離脱の軟着陸シナリオが見られると、ポンド高やリスク選好の円安となりやすい。一方で、対立深刻化の物別れやメイ首相の退陣論の高まり、強硬離脱のリスクが警戒されるとポンド安やリスク回避の円高になる可能性も残る。

 

米国第2四半期のGDPはさらに下方修正も

米国商務省が発表した5月建設支出は前月比+0.4%となった。伸びは、4月+0.9%から鈍化し、予想+0.5%を下回った。4月分も+0.9%へ、+1.8%から半分に下方修正された。当初、4-6月期の国内総生産(GDP)は5%近くの成長が予想されていた。しかし、5月の消費が思ったほど伸びず見通しが下方修正されている。4月、5月の建設支出の結果を受けて、成長予想が一段と引き下げられる可能性がある。
一方で、製造業は好調で、建設主出の弱さを相殺した。米供給管理協会(ISM)が発表した6月ISM製造業景況指数は60.2と、2カ月連続で改善した。低下予想に反して、5月58.7から上昇し、2月来で最高となった。ただ、重要項目の新規受注は低下。雇用や価格も低下した。鉄鋼とアルミの関税がサプライチェーンの混乱を生み、出荷により多くの時間がかかっていることが明らかになった。建設支出の鈍化にもかかわらず、米商務省が発表する国内総生産(GDP)と類似したモデルを使用しているため、度々市場の注目となるアトランタ連銀の4-6月期GDP予想は4.1%へ引き上げられた。従来は3.8%だった。 

 

欧米イベント

○15:45   5月仏財政収支
○16:00   6月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.40%)
○16:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:▲0.50%で据え置き)
○17:30   6月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:52.5)
○18:00   5月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.1%/前年比1.5%)
○18:00   5月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比2.7%)
○23:00   5月米製造業新規受注(予想:前月比横ばい)
○4日01:00   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○4日03:00   6月ブラジル貿易収支(予想:63億ドルの黒字)
○米株式・債券市場は短縮取引

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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