FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:押し目買い根強く4日続伸

前日の米国株式市場が祝日で休場となるなど、手掛かり材料が乏しい中、朝方は小幅安でスタートした。その後、プラス圏で推移し上げ幅を拡大する場面もあったが、利益確定売りに押されやすい展開となった。前場は小反落で取引を終えたが、押し目買いが入り再びプラス圏となった。結局、前営業日比107円高の2万6644円と4日続伸して終了した。終値で1991年4月以来およそ29年半ぶりの高値を連日で更新した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下でドル押し下げ

ドル/円は、本邦輸出勢から月末に絡むドル売り・円買いが持ち込まれ、104.00円付近まで下落した。米長期金利が低下したことも、ドルの押し下げにつながった。午後に入っても軟調地合いは続き、104円を割り込んだ103.91円付近までじり安となった。FRBの低金利政策が長期化するとの観測も、ドル売り要因として意識された。国内メディアが『政府は本日の夜に新型コロナウイルス感染症対策本部を首相官邸で開催する』と報じたものの、市場の反応は限られた。ユーロ/ドルは、週末を控えた持高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り1.1910ドル台から1.1928ドル付近まで値を上げた。

 

トヨタ自動車は10月の世界販売は2ヵ月連続過去最高

トヨタ自動車が発表した10月の生産・販売・輸出実績(トヨタ・レクサス車)によると、世界販売台数は前年同月比8.3%増の84万7713台だった。米国や中国で販売好調が続いた。2ヵ月連続で前年実績を上回り、9月に続き10月も単月としての過去最高となった。世界生産も9.0%増の84万5107台と2ヵ月連続の前年実績を上回り、10月として過去最高だった。

 

Go Toキャンペーンで物価が下押し

政府の需要喚起策『Go Toキャンペーン』事業が、物価動向を翻弄している。新型コロナウイルス感染拡大の影響で需要が減退しているところに、同キャンペーンによる割引が重なり、物価を下押ししている。エネルギー価格の下落なども一因とはいえ、直近では『Go To』だけで物価全体を0.6ポイント程度押し下げた。11月のと東京都区部・消費者物価指数(CPI、中旬速報値)は、生鮮食品を除く総合が前年同月比0.7%下落した。下落率は10月の0.5%から拡大し2012年5月以来8年ぶりの大きさだった。11月の都区部CPIでは宿泊率が34.4%下落した。

 

日銀の好調な中間決算:総資産残高は過去最高

日銀が26日公表した2020年9月中間決算は、企業の純利益に相当する当期剰余金が9288億円(前年同期は9214億円)と過去最高となった。大規模金融緩和の一環として買い入れている上場投資信託(ETF)の分配金が増加したことが押し上げた。9月末の総資産残高は前年同月末比21.1%増の690兆269億円と過去最高を更新した。国債の保有額に加え、新型コロナウイルス対応策として金融機関向けの低利貸し出しが増え、総資産は一段と膨らんだ。

 

英国とEUの通商交渉は本当に合意できるのか?

スナク英財務相は26日、欧州連合(EU)との通商交渉で合意は可能だが、英国は犠牲を払ってでも署名するつもりはないと述べた。英国の完全なEU離脱まであと5週間となり、双方は通商合意にこぎつけようとしている。スナク財務相は英メディアのスカイで『あらゆる側の建設的な態度と善意でわれわれは合意できる。合意の輪郭ははっきりしている』と述べた。またLBCラジオで『合意することが望ましいが、いかなる犠牲を払ってでも合意を求めるべきではない。それは正しくない』と述べた。
あるEU高官は、合意が可能としながらも週内は難しいとの見方を示した。ある外交筋は合意は来週と予想している。

 

ビットコイン急落:流動性低下が直撃

インターネット上の代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの最高値更新はお預けとなった。米国が感謝祭の祝日で市場参加者が激減した26日、ドル建ての価格は一気に3,000ドルも下げた。情報サイトのコインデスクによると、日本時間27日時点で直近24時間に付けたビットコインの安値は1ビットコイン=1万6242ドル。急落前のピークは1万9400ドル台だった。過去最高値の1万9600ドル台まであとわずかのところで力尽きた。下げのきっかけは一部の投機筋によるまとまった規模の利益確定売りだった。従来の主な買い手だった長期投資家の多くは米感謝祭で休暇に入っていた。ドルや円など法定通貨の市場では現在、小刻みに売り買いを繰り返す高頻度取引業者(HFT)が相場の変動を抑えるが、暗号資産ではまだHFTの数は少ない。売りを吸収する買い注文があらわれぬうちに、証拠金を差し入れて運用額を増やす『レバレッジ』に傾いていた個人が損失覚悟の売りに追い込まれた。

 

欧米市場イベント

○16:00   10月独輸入物価指数(予想:前月比0.1%/前年比▲4.1%)
○16:45   11月仏CPI速報値(予想:前月比横ばい/前年比0.1%)
○16:45   10月仏消費支出(予想:前月比3.5%)
○16:45   10月仏卸売物価指数(PPI)
○16:45   7-9月期仏国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比18.2%)
○17:30   7-9月期スウェーデンGDP(予想:前期比4.4%)
○18:00   11月ノルウェー失業率(予想:4.0%)
○18:30   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○19:00   シュナーベルECB専務理事、講演
○19:00   11月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:86.5)
○19:00   11月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲17.6)
○21:00   7-9月期インドGDP(予想:前年同期比▲8.8%)
○21:00   10月メキシコ貿易収支(予想:35.75億ドルの黒字)
○感謝祭翌日で米債券・株式・商品市場は短縮取引

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