FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:連休控え手仕舞い売りが優勢

前日の米国株式市場で主要3指数は上昇したものの、NYダウ先物が軟化したことを受け、日経平均は軟調なスタートとなった。一時前日比で200円を超す下落となったが、押し目を買う動きもあり、大きく崩れる展開にはならなかった。新型コロナウイルスの感染再拡大による経済停滞が懸念されるなか、東京市場の3連休を前に手仕舞い売りが優勢だった。結局、前営業日比106円安の2万5527円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドルの上値の重い展開

ドル/円は、本邦輸入勢のどのドル買い・円売りに支えられ103.90円付近へ値を上げた。しかし、米国で新型コロナウイルスの新規感染者が急増し、景気先行きが警戒されているため、上値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価のさえない動きを眺めたドル売り・円買いに押され、103.80円付近へ下落した。午後は、日経平均株価やアジア主要株価をにらみながら、103.80円を挟んでもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、新型コロナウイルスのワクチン開発に対する期待から、ユーロ買い・ドル売りが優勢になり1.1890ドル付近へ値を上げた。

 

英国とEUの交渉はメンバー感染で短期間中断:見通しは不透明

イギリスと欧州連合(EU)は、イギリスがことし1月にEUを離脱したあと社会の急激な変化を避けるための年末までの移行期間に入り、自由貿易協定などについて大詰めの交渉を続けているが、漁業権や企業への補助金などをめぐる立場の隔たりから難航している。こうした中、EUのバルニエ首席交渉官は19日、ツイッターで『交渉チームの1人が新型コロナウイルスの検査で陽性と診断され交渉を短期間、中断することにした』と発表した。双方は、19日の臨時のEU首脳会議の前の合意を目指していたが、交渉の中断を受け、今後の見通しはさらに不透明になっている。

 

南アフリカ中銀は政策金利を据え置き

昨日南アフリカ準備銀行(SARB)は市場予想通りに政策金利3.5%を据え置いた。しかし、結果は3対2で、2人のMPCメンバーは利下げに投票した。SARBは2020年GDP見通しを-8.0%とし、前回予測の-8.2%から上方修正したが、2021年は+3.9%から+3.5%に下方修正した。また、クガニャゴSARB総裁は『中期的にはインフレが十分に抑制』『成長見通しに対するリスクはバランスが取れていると評価』『パンデミック前の経済活動に戻るには時間がかかる』『金融政策は引き続き緩和的、今後の決定はデータ次第』などと表明した。

 

トルコ中銀はインフレ対策に積極姿勢:大幅利上げを実施

アーバル中銀総裁が就任し初の金融政策決定会合では、主要政策金利である1週間レポレートが10.25%から15%まで引き上げられた。利上げ幅は市場予想通りだった。中銀は声明で、恒久的なインフレ低下が達成されるまで金融引き締めが断固として維持されると表明した。インフレ対策に積極的な姿勢を見せたことは、市場に安心感をもたらした。また、資金供給を1週間レポレートに一本化することも決定され、金融政策の簡素化も好感された。トルコ中銀が昨日示した引き締め姿勢は、信頼性を再確立するうえで大切な第一歩となった。更に今後は、この方針を維持することが不可欠となる。アーバル総裁の就任後にエルドアン大統領は中銀政策を支持する姿勢を示したが、今週に入り、高金利はコストがかかるため投資と雇用の拡大を阻止するとも発言している。権力が集中する大統領が引き締めスタンスに圧力を加えるような素振りをもし見せれば、中銀独立性への警戒感が再び持ち上がる。

 

12月の米FOMCでの追加緩和の可能性も

ダラス連銀のカプラン総裁は、2021年の米国経済が非常に強いと予想しているが、新型コロナウイルスの再拡大で、『経済のリスクは全て下向き』で、今後、2四半期は困難な状況に陥る可能性を指摘した。経済が再びリセッションに陥ることも除外しないと警告した。 クリーブランド連銀のメスター総裁は、現状でFRBの金融政策は正しい位置にあるとし、可能な限り最大の緩和策を供給しているとの考えを示した。パンデミック危機において、金融政策支援よりも財政支援がより効果的だと見ており、財政支援の欠如に懸念を表明した。 パウエル議長が当初懸念していたパンデミックの第2波で、米国経済が2番底入りする可能性が懸念される中、FRBは何らかの追加措置に動く可能性も除外できない。

 

欧米市場イベント

○16:00   10月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.1%)
○16:00  10月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比横ばい/前年比4.2%)
      10月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.1%/前年比5.9%)
○17:15   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○17:30   10月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比▲1.6%)
○17:45   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○18:45   デギンドスECB副総裁、講演
○22:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○22:30   9月カナダ小売売上高(予想:前月比0.2%/自動車を除く前月比0.2%)
○22:30   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○23:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○24:00   11月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲17.7)
○21日01:00   10月ロシア失業率(予想:6.4%)
○21日03:30   ジョージ米カンザスシティー連銀総裁、講演
○20カ国・地域(G20)財務相ワーキングディナー(テレビ会議)
○APEC首脳会議(テレビ会議)
○21日 G20首脳会議(サミット、テレビ会議、22日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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