FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価は上昇:モメンタム強く踏み上げ相場の様相

朝方の買いが一巡した後は伸び悩む場面もあったものの、NYダウ先物が堅調に推移していることを受け上値追いに転じた。ショートカバーが活発化し、踏み上げの状態が続いた。過熱感が生じていることは確かではあるが、モメンタムが強い段階で売り仕掛けした投資家が少なくなく、底堅い基調に変わりがないことから踏まされている状態が続いている。結局、前営業日比444円高となり2万5349円と7連騰で終了した。信用取引で買った株式の含み損益の度合いを示す信用評価損益率は6日申し込み時点でマイナス12.4%と、前の週(マイナス15.4%)からマイナス幅が2.98ポイント縮小した。改善は4ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:ドルは株高により底堅い展開

ドル/円は、105円手前で下値の堅さを確認すると、後場の日経平均株価が底堅く推移したことを支えに105.20円台まで下値を切り上げた。

ユーロ/ドルは、一時1.1833ドルまで上昇する場面があったものの、その後はユーロ買いも一服となった。手掛かり材料難から仕掛けづらい状態が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国上院では離脱修正案に反対:バイデン氏の米大統領選当確も影響か

英議会上院は9日、欧州連合(EU)との離脱協定を巡りジョンソン政権が一方的に進める修正法案について、協定違反箇所を取り除く2つの議案を超党派による賛成多数で可決した。国際的な約束を守るべきだとして政府方針に異議を唱えた。政府報道官は採決後、『失望している。下院に差し戻された時に、削除された条項を再提示する』と上院の意思に従わない姿勢を強調した。法案は9月末に下院を通過済み。上院は非民選のため、一定期間後に下院の優越の規定で法案成立は可能だ。上院の判断には米大統領選の結果が影響している可能性もある。当選確実となったバイデン前副大統領は9月中旬にツイッターに『あらゆる米英の通商協定はアイルランド和平を尊重することが条件だ』と投稿した。離脱協定をほごにすれば、英国が望む米英FTAの合意は不可能だと示唆した。

 

南ア大統領は国営企業改革を約束:実際に実行できるかがポイント

ラマポーザ南ア大統領は、ビジネス協議会(BCIU)、アフリカ企業評議会(CCA)と全米商工会議所のメンバーとの円卓会議に参加しました。大統領はそこで、規制緩和を行うことに言及しただけでなく、南アの債務管理に一定の線を引くことも述べた。ウイルス感染のために今後の支出で債務が増大するとはしたものの、債務管理を行うことは今後の南アの国営企業改革を約束したと捉えることが出来る。問題は言葉だけになるのか、実際に実行できるかになる。

 

エルバントルコ財務相が現実路線を歩むことができるかがポイント

エルバン新財務相は就任後の発言で、今後は市場を重視した改革を実行し、国内外の起業家のため投資環境を改善すると述べ、また、インフレ対策が最優先事項であるとの考えを示した。エルバン新財務相は市場の不安を取り除こうとしており、今後発表されるだろう新財務相主導の政策が注視される。エルドアン大統領は依然として、リラ安や高いインフレ率は、それらを無理やり引き起こそうとしている人々がいるとの陰謀論を掲げている。大統領の意向を気にせず、エルバン財務相が現実路線を歩むことができるかが、トルコ景気回復のポイントとなる。

 

本日は9月トルコ経常収支が発表予定である。市場予想は27億ドルの赤字と8月から20億ドル弱ほど赤字幅が縮小する見込みだが、10カ月連続の赤字は確実であり、その赤字水準は高いままである。18年夏のトルコショックからリラが持ち直した局面では、経常収支の改善が支えとなった。しかしながら今回は経常赤字が積み上がったままであり、それがリラの軟調さに繋がっている。

 

米バイデン氏がトルコに対して示す態度に注目

米大統領選で勝利宣言をしたバイデン氏に欧州各国や日本の首脳は直ぐ祝意を示したが、トルコはロシアやブラジルなどと同じく、正式な集計が確定するまではコメントしないという姿勢だった。しかしながら昨日、エルドアン大統領がバイデン氏に祝意を表明したことが報じられた。今後は、エルドアン独裁に批判的なバイデン氏が、どのような態度をトルコに示すかが注目される。

 

米国労働市場の改善を証明

米労働省が発表した9月JOLT求人件数は643.6万件と8月に減少したのち、再び増加した。再雇用も含め、採用者数は587万人と、8月の595万人から鈍化。採用がピークとなった5月の720万人を大幅に下回る。採用率(Hiring rate)も4.1%と、9月4.2%から低下した。昨年3.9%からは上昇した。原因は国勢調査をする臨時職員雇用の需要がなくなったためと見られる。自発的な退職者数は301.8万人で2月来で最大に達し、労働市場への自信もパンデミック前の水準に戻ったことも好感される。10月雇用統計が示したように、労働市場が徐々に回復している証拠となった。

 

米国でネジレ議会となると追加経済対策の混迷懸念

米共和上院トップのマコネル院内総務は10日、大型の追加経済対策が必要とは考えていないとした上で、包括的な歳出法案の年内可決に与野党とも関心が向いていると明らかにした。マコネル氏は記者団に対し『超党派的な対策を打ち出す場合、適切な規模について考えねばならない』とした上で『現在の状況では数兆ドル規模の対策が必要とは思えない。したがって、私が9月と10月に示したような、的をかなり絞った対策が適当であると思う』と語った。また、大統領選を受け『次の大統領が誰になろうと、政権の移行が途絶えることはない』と明言した。『先の見えない不安にけりをつけ、異常事態のごとく振る舞うべきでない。現在の状況は必ず収束し、来年の1月20日には(大統領の就任式を)迎える』と述べた。

 

欧米市場イベント

○16:00   9月トルコ経常収支(予想:27.0億ドルの赤字)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   9月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比8.6%)
○21:00   9月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.8%)
○22:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○米国(ベテランズデー)、債券市場が休場
○ポーランド(独立記念日)、カナダ(リメンバランス・デー)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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