★日経平均株価:米大統領選の不透明感後退から29年ぶり高値
米大統領選で民主党候補のバイデン氏が勝利した場合でも、上院で共和党が過半数を維持し、企業利益を損ないかねない大規模な政策変更は阻止されるとの見方が広がった。また、米連邦準備理事会(FRB)が5日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和を継続したことも支援材料となった。これを受けて、日本株は寄り付きこそ日経平均株価が小反落で始まったものの、その後は上値を追う展開となっている。市場では、好決算の銘柄が物色され、これが全体を支える要因となった。結局、前営業日比219円高の2万4325円と4日続伸し、1991年11月13日以来およし29年ぶりの高値水準となった。
★東京外国為替市場:ドル/円は下げ一服で103台半ばでもみ合い
ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などがドル買い・円売りに動き、103.70円へ上昇した。しかし、トランプ大統領が米大統領選について『集計に不正があった』と発言し、法廷闘争も辞さない構えを示していることから、ドル買いは続かなかった。その後、中国人民銀行が公表した人民元の対ドル基準値が前営業日よりも大幅な元高・ドル安に設定されると、利食い売りなどに押されて103.50円台へ下落した。午後に入ると、米大統領選の先行き不透明感が強まるなかでドル売り・円買いが進み、一時103.36円付近まで下落して3月中旬以来の安値をつけた。しかし、今晩発表される10月米雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、103.55円付近へ戻した。ユーロ/ドルは、1.18ドル台前半で小幅な値浮きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。
★英国経済がロックダウンで成長が落ち込むリスクに直面
英国経済は新型ウイルスの再流行でロックダウンを余儀なくされ、経済の成長が再び落ち込む危険に直面している。英中銀は5日に開催した金融政策決定会合で金利を過去最低水準で維持したほか、資産購入プログラムを予想以上の前回7450億ポンドから1500億ドル拡大することを決定した。さらに、スナク英財務相は、新型コロナウイルスで一時解雇された労働者の給与の80%を保証する制度を3 月末まで延長することを含めた2000億ポンド規模の雇用支援策を実施すると発表した。
★米新政権誕生ならトルコリラの重石に
米大統領選は複数の激戦州で開票作業が続いているが、現職のトランプ大統領の再選は厳しいとの報道が目立つ。もし新政権が誕生となれば、(これまでのバイデン氏の発言から想定すると)エルドアン・トルコ大統領との対立姿勢が鮮明となる。トルコは既に、フランスやギリシャの欧州連合(EU)加盟国、サウジアラビアやエジプトのアラブ諸国などと緊張が高まっており、くわえて、ナゴルノ・カラバフ紛争を巡りロシアとの関係も拗れ始めた。これにくわえて米国と関係悪化となれば、投資家のトルコ投資意欲はますます削がれてしまう可能性が高い。
★トルコ財務相はトルコリラ急落以外は為替介入を停止
トルコ中銀は昨日、10月30日時点の外貨準備高が422.6億ドルと発表した。これは前週比で約6.3%減、年初来では約48%の減少となる。トルコメディアによれば、リラの下落を止めようと中銀が1年間に費やした為替介入額は約1200億ドルにも及ぶとしている。そういったなかアルバイラク財務相は今週、急激な市場変動ではない限り、金融当局は為替介入をしないことを示唆した。
★米国市場では10月雇用統計が公表
市場では失業率が7.7%と9月7.9%からさらに低下し3月来で最低になると見られている。非農業部門雇用者数は前月比59万人増と、増加ペースは9月から鈍化する見込みである。先行指標の中で、米労働省が発表する雇用統計と最も相関性が高いとされる民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の10月分は36.5万人増と、伸びは9月75.3万人増から大幅鈍化し、予想のほぼ半分となり7月来で最小にとどまった。このため、雇用統計での雇用の伸びの停滞に警戒される。パンデミックで特に損害が大きかった中小企業や航空会社などに対する政府の支援策も7月に失効済みで、企業は第2次の解雇を強いられている。今後、新型コロナウイルスの第2波が経済や労働市場を再び悪化させる可能性が警戒される。
■市場エコノミスト予想失業率:7.7%(9月7.9%)非農業部門雇用者数:前月比+59万人(9月+66.1万人)民間部門雇用者数:前月比+70万人(+87.7万人)平均時給:予想:前月比+0.2%、前年比+4.5%(+0.1%、+4.7%)
★欧米市場イベント
○16:00 9月独鉱工業生産(予想:前月比2.7%/前年同月比▲6.5%)
○16:45 9月仏貿易収支(予想:63.20億ユーロの赤字)
○16:45 9月仏経常収支
○21:00 10月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.83%)
○未定 ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○22:30 10月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化10.0万人/失業率8.8%)
○22:30 10月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化60.0万人/失業率7.7%/平均時給、前月比0.2%/前年比4.6%)
○23:00 マックレム・カナダ銀行(BOC)総裁、あいさつ
○23:15 ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○24:00 10月カナダIvey購買部協会景気指数(予想:51.5)
○24:00 9月米卸売売上高(予想:前月比1.0%)
○24:00 9月米卸売在庫(予想:前月比▲0.1%)
○7日01:00 10月ロシアCPI(予想:前月比0.4%)
○7日05:00 9月米消費者信用残高(予想:90.0億ドル)
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