FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:EU首脳会議で移民問題合意を好感

米国株式市場の上昇を背景に60円超上げたものの、米通商問題への深刻化へのリスク回避の売りが優勢となり一時下げ幅を125円へと広げた。しかし、EU首脳会議で移民問題が合意されユーロ/円で円安が進みリスク選好の買戻しに上げに転じた。結局、前日比34円高の2万2304円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:EU首脳会議で移民問題で合意を好感した円売り

ドル/円は、EUのトゥスク大統領が『EU首脳会議で移民問題について合意した』ツイッターに投稿した。移民問題の協議は難航が予想されていたため、これがポジティブ・サプライズとなった。ユーロ/円の急伸につれてドル買い・円売りが進み、110円台半ばから一時110.79円まで上昇した。NYダウ先物も100ドルを超える上げとなったことも、リスク選好の円売りに拍車をかけた。午後は、日経平均株価をにらみながら110.60円台を中心とした狭いレンジ内でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.16ドル台前半から一時1.1665ドル近辺まで上昇した。

 

欧州市場では6月ユーロ圏消費者物価コア指数が公表

5月実績は前年比+1.1%で上昇率は4月実績を上回った。エネルギー価格上昇の影響が他分野に波及した可能性がある。ただし、ユーロ圏の経済成長率は鈍化しつつあることから、需要増によるインフレ進行の可能性は低いと見られており、6月のコアインフレ率は5月実績を下回る可能性がある。

 

米国市場では5月の消費支出が公表

5月指標では小売売上高が、市場予想を上回る改善となった。金利上昇の一服や雇用・賃金の改善、減税効果などもあり、自動車関連や建築資材、衣料品などが増加傾向となっている。その反面、米国では5月かけて、ガソリンなどの資源価格上昇が直撃した。家計には圧迫材料となる。米国ではトランプ政権による輸入関税増強を受けた貿易戦争懸念や輸入品価格の上昇などが懸念されており、個人支出が期待ほど伸びないリスクも警戒される。

 

米国市場では5月のPCE(個人消費支出)デフレーターが公表

米国では5月に賃金が上昇したほか、原油価格などの資源価格も底堅さが見られた。米国では輸入関税の引き上げなどで輸入物価に上昇圧力が掛かっており、緩やかな物価の底上げが意識される。4月実績は前年比+1.8%だった。米金融当局が意識する2%を下回っているが、上昇トレンドを維持している。家賃などの居住関連支出は順調であることから、全体の伸び率は4月実績をやや上回る可能性がある。可処分所得はやや増加していることから、個人消費は底堅く推移し、コアPCEの上昇を促す要因となる。

 

米国市場では6月のシカゴ製造業景況感指数(PMI)が公表

米国では6月から貿易摩擦への懸念が広がり、株価も下落した。欧州や新興国などの世界景気減速懸念のほか、ドル高などもあってPMIは原則が警戒される。一方で、米国では金利上昇の抑制や減税の累積効果などが、内需を下支えしている。また、原油価格の底堅さなどにより、資源エネルギー関連業界の業況も改善が維持されている。PMIが懸念ほど悪化しない可能性も残っている。

 

米国市場では6月のミシガン大学消費者信頼感指数が公表

6月分ではコンファレンスボードによる消費者信頼感が126.4となり、市場予想の128や前月の128.8から低下した。貿易摩擦懸念や輸入関税増強による輸入物価の上昇警戒、株安や資源価格の上昇もあり、消費マインドは改善ペースの鈍化が警戒される。しかし、米国では雇用と賃金の改善が維持されている。6月には米長期金利の上昇が一服となったほか、トランプ政権に対する世論調査の支持率も上昇が見られた。そのため、消費者信頼感指が改めて底堅さを示す可能性も残っている。

 

欧米イベント

○15:45   5月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   5月仏消費支出(予想:前月比0.8%)
○15:45   6月仏CPI速報値(予想:前月比0.1%/前年比2.1%)
○16:00   6月スイスKOF景気先行指数(予想:99.7)
○16:00   5月トルコ貿易収支(予想:77億ドルの赤字)
○16:55   6月独雇用統計(予想:失業率5.2%/失業者数変化▲8000人)
○17:00   6月ノルウェー失業率(予想:2.2%)
○17:30   5月英消費者信用残高(予想:15億ポンド)
○17:30   5月英マネーサプライM4
○17:30   1-3月期英経常収支(予想:179億ポンドの赤字)
○17:30   1-3月期英国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.1%/前年比1.2%)
○18:00   6月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.0%)
○21:00   5月南アフリカ貿易収支(予想:58億ランドの黒字)
○21:30   4月カナダGDP(予想:前月比横ばい)
○21:30   5月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.9%)
○21:30   5月カナダ原料価格指数(予想:前月比2.7%)
○21:30   5月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.4%)
         個人所得(予想:前月比0.4%)
         PCEコアデフレータ(予想:前月比0.2%)
○22:45   6月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:60.0)
○23:00   6月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:99.0)
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、最終日)
○7月1日 メキシコ大統領選

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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