FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米経済対策を巡る与野党協議の進展期待

米国の新型コロナウイルス追加経済対策を巡る楽観的な見方が強まった。また、民主党ペロシ下院議長は来月初旬までの支援実現に向けたホワイトハウスと合意できると発言したことが好感された。前日の米国株式市場が上昇したことや、NYダウ先物が堅調に推移していることから、終始買い優勢の展開となった。結局、前営業日比72円高の2万3639円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:元高・ドル安でドルの押し下げ

ドル/円は、本邦輸出勢などからドル売り・円買いが持ち込まれ、105.35円付近へ値を下げた。中国人民銀行が公表した人民元の対ドル基準値が、1ドル=6.6781元と前営業日より元高・ドル安に設定されたことも、ドルの押し下げにつながった。午後もこの流れは続き、ユーロやポンドなどの欧州通貨に対するドル安も波及し、105.26円付近まで下落した。ただ、米追加経済対策を巡る与野党協議の行方を見極めたいと雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、105.30円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、前日にEUが発行した初めてのソーシャルボンドに旺盛な需要があったため、欧州の景気回復を期待したユーロ買い・ドル売りが進み1.1830ドル台から一時1.1849ドル程度まで上昇して1ヵ月ぶりの高値を付けた。

 

南アフリカの強弱材料:南アランド/円は底堅い動き

南アフリカの『国営電力会社エスコムの負債問題、新型コロナウイルス感染拡大による経済ダメージ、財政赤字の拡大など』は依然、懸念材料として意識されている。また、一部で残る南ア準備銀行(SARB、中央銀行)の追加緩和観測も、ランドの上値追いを躊躇させている。一方、南アフリカと経済的な結びつきが強い中国(南ア貿易相手国でシェア1位)の経済回復が順調なことは、ランドにとっても好材料になっている。週初に発表された中国の7-9月期国内総生産(GDP)は予想をやや下回ったものの、4-6月期に続きしっかりとプラス成長を維持した。市場では『年末にかけて経済活動がより正常化に向かう』との見方も増えてきている。

 

22日にトルコ中銀の政策金利発表:ポジション調整による買い戻し継続

22日トルコ中銀の政策金利発表を控え、ポジション調整のリラ買い戻しが続いている。トルコの政策金利について市場は2会合連続の利上げを確実視しており、今のところ引き上げ幅は1.5%から2%を予想する向きが多い。思い切った予想値を出すことが多い米大手投資銀行ゴールドマン・サックスの予測は3%と、上振れへの期待感も高まりつつある。警戒すべきはやはり、低金利を望むエルドアン大統領の中銀への圧力である。また、トルコの新型コロナウイルス感染状況に関しては、19日の新規感染者が5月初旬以来の2000人超えとなった。感染による1日あたりの死者数も70人台で高止まりしている。

 

良好な米住宅関連指標を好感され米長期金利は上昇

米商務省が発表した9月住宅着工件数は前月比+1.9%の141.5万戸となった。伸びは予想146.5万戸を下回った。9月住宅建設許可件数は前月比+5.2%の155.3万戸となった。市場予想152万戸を上回り住宅市場がピークをつけた2007年3月来で最大となった。同指数は住宅着工件数の先行指標として注目されており、今後の住宅着工件数が伸びる可能性が示唆された。そのため、米10年債国債は売られ(金利は上昇)0.79%へ上昇した。

 

米国債金利は4日連続上昇:金利上昇続けば他の金融市場にも影響

米債券市場で長期金利に上昇圧力がかかっている。10年物国債の利回りは20日午後、約4カ月ぶりに0.8%台を付けた。米経済対策を巡る交渉は難航しているが、金利は着々と上昇。債券投資家は目先の交渉よりも選挙後の財政運営に目を向けている。
『未解決事項が残っている』『まだ数千億ドルの差がある』。米株式市場が閉まったあとの20日夕、メドウズ米大統領首席補佐官は経済対策協議について、こう語った。

 

米民主党も米追加経済対策に歩みよる可能性も

米追加経済対策については、ムニューシン米財務長官とペロシ米下院議長との電話会談が週末まで行われることになったようで、CNNとのインタビューでやらかしているペロシ議長としても、『そろそろ年貢の納処』となってきているのかもしれない。これ以上の反対が米大統領選やブルーウェーブに悪影響を与えかねない状況となってきているなかで、時期的にもギリギリの決断が迫られていると言える。一部では『トランプ陣営がかなり追い上げてきている』との声も聞かれる。政治的駆け引きの醍醐味がみられるのは投票直前のこれからとなりそうだ。

 

欧米市場イベント

○15:00   9月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比0.5%)
      CPIコア指数(予想:前年比1.3%)
          小売物価指数(RPI、予想:前月比0.4%/前年比1.2%)
○15:00   9月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比0.1%)
○16:30   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、イベントに参加
○19:00   デギンドスECB副総裁、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   9月メキシコ失業率(季節調整前、予想:5.3%)
○21:10   ラムスデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○21:30   8月カナダ小売売上高(予想:前月比1.1%/自動車を除く前月比0.9%)
○21:30   9月カナダCPI(予想:前月比▲0.1%/前年比0.4%)
○23:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○22日01:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○22日01:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○22日02:00   米財務省、20年債入札
○22日02:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○22日05:45   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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