FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:NYダウ先物の反落が重石に

前日のNYダウ250ドル高の続伸を受け買いが先行した。しかし、ドル/円が円高基調となったことや、欧米の新型コロナ感染再拡大を背にNYダウ先物の反落が重石となった。米医薬大手ジョンソン&ジョンソンが最終治験段階にあった新型コロナのワクチン開発を一時停止すると報じたことも投資家心理を冷やし利益確定売りが入った。結局、前営業日比43円高の2万3601円と小幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:105円台前半の狭いレンジ相場

ドル/円は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、105.30円台を中心とした狭いレンジで取引された。仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。昼頃に発表された9月中国貿易収支は予想を下回ったものの、ドル/円相場への影響はほとんどなかった。午後は、日経平均株価の持ち直しに支えられ、105.45円まで値を上げた。しかし、米製薬大手が開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、臨床試験が一時中断しているとの報道が伝わっていたことからドル買い・円売りは続かず、105.40円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは1.180ドルを挟んで方向感を欠く展開となった。欧州勢待ちの様相ととなっている。

 

中国9月輸出が4ヵ月連続増加

中国税関総署13日発表の中国9月輸出(ドル建て)が前年比+9.9%と8月(+9.5%)の伸びを上回り4ヶ月連続で増加した。マスクなど新型コロナウイルス関連や衣類に玩具等の労働集約型の製品が好調だった。一方、9月15日から米国の製造装置や設計ソフト半導体のファーウェイへの供給が禁止されたが、それ以前に駆け込みで輸入が増え、9月輸入は同+13.2%と3ヵ月ぶり前年同月を上回った。なお、輸出から輸入を引いた貿易収支は370億ドルの黒字と前年同月比-7%減少した。

 

南アランドの製造業生産改善もランド買いにつながらず

南アの国内情勢では昨日発表された8月の製造業生産は前月比で+3.6%と改善されたが、市場予想には届かず、前年比では-10.8%という結果になった。為替市場はリスクオンにはほぼならず、ランド円もアジア時間につけた6.44円から6.36円までじり安になった。なお、今週15日にラマポーザ南ア大統領は経済復興計画を発表することになっている。

 

トルコ中銀は引き続き補完手段による引き締め

トルコ中銀は12日、全ての銀行を対象にリラ建て所要準備預金に対し中銀が支払う金利(レミュナレーション金利)を2%引き上げると発表した。通貨リラ防衛のため、政策金利操作以外の補完手段による一段の引き締めを実施した。発表当初はリラが強含む場面もあったが、トルコ周辺域の地政学リスクは高まったままであり、くわえてトルコと欧米の関係悪化懸念、経常赤字の拡大などがリラの重石となった。

 

2019年のトルコ腐敗認識指数は2ポイント低下

国際的な非政府団体(NGO)であるトランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International、TI)は毎年、腐敗認識指数(Corruption Perceptions Index、CPI)なるものを発表した。CPIとは、180カ国を対象に、政府や政治家・公務員などの公的分野での腐敗度(汚職、公的資金の流用、公共施設の私的利用、縁故主義など)を、世界銀行を含む複数の機関の調査報告に基づいて数値化したものである。100点満点で、高い値が腐敗や汚職が少なく、クリーンなイメージとなる。トルコですが、19年は39ポイントと前年から2ポイント低下、ランキングでは前年から13カ国に抜かれ91位と腐敗度が悪化した。そのトルコの国会では、政府支出について議会が全ての項目をチェックするのではなく、一部は単に総額だけをみるという法案が提出された。もし案が許されてしまうと、これまでも告発されたような建設プロジェクトにおける政府の汚職が見つかり難くなることが懸念される。エルドアン政権のやりたい放題となれば、20年のCPIランキングは三桁台まで落ちることが確実となる。ちなみに日本は20位。

 

ゴールドマンサックスは民主党勝利でドル売り推奨

一部市場参加者は大統領選挙でバイデン氏が勝利し、下院に加え、現在は共和党が過半数を占めている上院も民主党主導に転じる民主党圧勝を織り込み始めた。民主党勝利の確率が高まることに伴いゴールドマンサックスはドル売りを顧客に推奨している。選挙結果が拮抗し勝者が長期にわたり決まらない不透明性が後退した。不透明感が払しょくすることで質への逃避としてのドル買いが後退することを理由としている。同社は民主党圧勝の確率を60%以上と見ている。民主党は共和党に比べて大規模な財政支援を実施する見込みである。不法移民補助や社会保障も拡大すると見られ、財政赤字もさらに急激に膨らむことになる。このこともドル売り材料になりうる。

 

米主要企業の7-9月期決算発表が本格化

米主要企業の2020年7-9月期決算発表が13日から本格化する。米調査会社ファクトセットの予測集計によると、全体の利益は前年同期と比べて21%減少する見通しである。新型コロナウイルスの影響で経済活動が著しく停滞した4-6月期(32%減)からは改善するものの、厳しい経営環境が続いた。予測では全11業種が悪化する。

 

米国市場では9月消費者物価指数(CPI)が公表

9月消費者物価指数(CPI)は前年比+1.2%と前月の+1.3%からやや鈍化、コア指数は1.8%の見通しとなっている。FRBの一部の非ハト派的な見解もあるが、利上げは程遠くドル売りの手掛かりになりやすい。

 

欧米市場イベント

○15:00   9月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移8.00万件/失業率なし)
○15:00   6-8月英失業率(ILO方式、予想:4.3%)
○15:00   9月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.2%/前年比▲0.2%)
○16:00   8月トルコ鉱工業生産(予想:前月比横ばい)
○16:30   9月スウェーデンCPI(予想:前月比0.3%/前年比0.6%)
        コア指数(予想:前月比0.3%/前年比0.6%)
○18:00   10月独ZEW景況感指数(予想:74.0)
○18:00   10月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:30   9月米CPI(予想:前月比0.2%/前年比1.4%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.8%)
○23:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○24:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○14日01:25   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○国際通貨基金(IMF)、世界経済見通し公表

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