FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:高値更新で利益確定売りが優勢

前日の米国株式相場は主要3指数がそろって上昇したものの、日経平均株価は前日までコロナショック後の戻り高値を更新し約8ヵ月ぶりの高値となったことや週末を控えていることもあり、利益確定売りが強まった。また、外国為替市場で円高・ドル安が進行したことで、輸出関連株にも売りが出やすかった。結局、前営業日比27円安の2万3619円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:105円台後半でもみ合い相場

ドル/円は日経平均株価のさえない動きをながめ持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、105.81円付近まで下落した。午前に公表された人民元の対ドル基準値が、大幅な元高・ドル安に設定された流れが波及した面もあった。ただ、105.80円がテクニカル的なサポートとして意識されると、下げは一服した。その後は、大型連休明けで動向が注目された上海総合株価指数の上昇に支えられ、105.90円付近まで切り返した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、105.80円台を中心とした狭いレンジでもみ合った。実質的な五・十日に絡む本邦実需筋の売り買いは午前で一巡したこともあり売買は薄かった。ユーロ/ドルは、1.1775ドルを挟んで小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米国大統領選と為替市場:ドル/円相場のアノマリー

1984年からの過去9回の米大統領選の年は『円安ドル高7回、円高ドル安2回』という動きを見せた。共和党と民主党の2大政党で大統領の椅子を争う選挙が定着した米国の選挙では、共和党候補が勝利すれば円安、民主党候補が勝利すれば円高になるというのが定説である。しかし、過去9回の選挙では共和党が5回、民主党が4回それぞれ勝利を収めているが、『円安ドル高7回、円高ドル安2回』という為替の動きをみてもアノマリーが存在している。

選挙の翌年も円安ドル高の方向に動く傾向がみられるとされ、過去9回の選挙翌年では円安ドル高6回、円高ドル安3回となっている。

 

本日も英国とEUの離脱交渉は継続:楽観的・悲観的発言に注意

本日もバルニエ英EU離脱・欧州委員会首席交渉官とフロスト英・欧州連合(EU)担当交渉官が、非公式ながら離脱交渉について話し合う予定となっている。特にこれからの数日間が重要になるのは、ジョンソン英首相が10月15日に始まるEU首脳会談までに合意が得られない場合は、そのまま離脱に舵を切ろうとしている。楽観論も流れているが、漁業権の問題を含め両者の間にはまだ大きな乖離があることで、どのような展開になるかは全く分からず予断を許さない。楽観的・悲観的発言でここ最近上下しているが、同様な値動きを本日も繰り返すことになる。

 

トルコ中銀の外貨準備高の減少続く

トルコ中銀が昨日発表した2日時点の外貨準備高(グロス、金保有除く)は、414.1億ドルと前週比2.4%減し、年初来では約49%減まで減少幅が広がった。トルコ金融当局は断続的にリラ買い・ドル売り介入を続けているが、その効果は薄いままである。もし懲りずに今後も介入を続けるようならば、原資が尽きる前に他中銀と新たな通貨スワップ枠の設定が必要となる。為替介入以外でリラの下落に歯止めをかけるには、先月に続き大幅な政策金利の引き上げが手段の1つになる。ただ、利下げ好きなエルドアン大統領のもとで連続利上げは難しいというのが大方の見方ではあるが、これだけリラ売りが強まってしまったことで、金融政策による通貨安対策の可能性は残る。

 

米雇用の完全回復は23年以降と長期化:WSJ調査

ウォール・ストリート・ジャーナルの10月の調査で対象となった民間・学界エコノミストの半数以上は、新型コロナ流行による活動停止で失われた全ての雇用が回復するのは2023年かそれ以降になるとの見方を示した。半年前の調査に比べ、予想される回復時期が一段と遅れている。 レイオフが恒久化するケースが増える中、秋口には雇用の伸びが大幅に鈍化し、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)からの完全回復は長期戦となる兆候が強まっている。

 

欧米市場イベント

○15:00   9月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比なし/前年比2.0%)
○15:00   8月英国内総生産(GDP、予想:前月比4.6%)
○15:00   8月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:90.00億ポンドの赤字/0億ポンドの黒字)
○15:00   8月英鉱工業生産指数(予想:前月比2.5%/前年比▲4.6%)
        製造業生産高(予想:前月比3.0%)
○15:45   8月仏鉱工業生産指数(予想:前月比1.7%)
○21:00   9月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.54%)
○21:30   9月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化15.66万人/失業率9.7%)
22:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○23:00   8月米卸売売上高(予想:前月比2.0%)
○23:00   8月米卸売在庫(予想:前月比0.5%)
○23:30   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演

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