FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:朝方の後は上値の重い展開継続

前日の米国株式市場は大幅に反発したことが好感され買いが先行した。寄り付き後は高値水準を更新し上値取りに動く場面があったものの、直ぐに伸び悩む展開となった。市場では、『退院した後もトランプ大統領の体調が気にされている上、米国の追加経済対策の行方も不透明で、慎重にならざるを得ない』との声も聞かれた。結局、前営業日比121円高の2万3433円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:105.60円台を中心に狭いレンジ取引

ドル/円は、朝方に105.75-80円で上値の重さが意識されたことから、利食い売りなどに押されて105.60円付近まで下落した。しかし、世界的な株高でリスク選好が高まっているため、ドル売り・円買いは続かなかった。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、105.70円付近へ値を切り上げた。午後は、日経平均株価をにらみながら、105.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。7日に予定されているペンス米副大統領とハリス上院議員による討論会を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、1.1790ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

南アフリカでは7日から在宅ストライキ

南ア国内では明日7日に南ア労働組合会議が、汚職、失業、人員削減、ジェンダーに基づく暴力、団体交渉の妨害などに抗議をしストライキを行う予定となっている。ストライキとはいうものの、今までのように街に出て行進をするものではなく、新型コロナウィルス感染対策として在宅ストライキを行うように呼びかけられている。この抗議がどの程度南ア経済に影響を及ぼすかは未知数だが、どれくらいの規模になるかは注目される。

 

メキシコでは8日発表の消費者物価指数(CPI)が注目点

メキシコ銀行(中央銀行)のディアス総裁は先週に『資本流出が金融市場の調整とインフレ抑制をより困難にしている』『中銀目標の3%を超えるインフレは利下げの余地を限定的にしている』と今後の緩和的な金融政策に消極的な見解を示した。今週は8日に9月メキシコCPIの発表が控えている。前月の段階で中銀の定めたインフレ・ターゲット(3.0%±1%)上限を上回っており、結果次第では次回会合(11月12日)での追加緩和観測がさらに後退する可能性もあり、注目を集めている。

 

米9月ISM非製造業景況指数の予想外の改善で長期金利上昇

米供給管理協会(ISM)が発表した9月ISM非製造業景況指数は57.8と、8月56.9から低下予想に反して上昇し、7月来で最高となった。事前に民間のマークイットが発表した9月サービス業PMI改定値は54.6と予想通り速報値から修正はなかった。総合PMI改定値は54.3と速報値54.4から下方修正された。 結果を受け米10年債利回りは0.71%から0.75%まで上昇し8月27日以来で最高となった。また、ドルは下げ止まる展開となった。

 

トランプ氏のコロナ感染と為替市場への影響

トランプ氏のコロナ感染を受けた米大統領選への影響としては、①トランプ氏の『コロナ軽視のツケ』批判が高まったり、危機管理などの面で信認が低下すると、トランプ氏苦境でドル安や円高、②トランプ氏による『選挙戦巻き返し』に向けた演説や討論会が中止されると、挽回不発でドル安や円高、③トランプ氏が『コロナに打ち勝った大統領』として強さをアピールすると、トランプ氏の巻き返しでドル高や円安、⑤野党民主党やバイデン候補が『トランプ氏の病状配慮』でトランプ氏攻撃を自粛したり、バイデン氏がコロナ対策で選挙活動を縮小させると、トランプ氏の劣勢後退でドル高や円安、といった市場反応が想定される。

 

米国の実質金利低下一服でドル安の制御に寄与

10月2日に公表された最新9月の米ミシガン大学消費者信頼感指数(確報)では、「1年先のインフレ期待」が+2.6%と前月の+3.1%から大きく低下した。最近では4月の+2.1%を直近最低として、5月には+3.2%、8月には+3.1%と上昇傾向にあった。それが9月は低下へと転じている。その結果、『米10年債金利の月間最低-1年先のインフレ期待』で算出される参考の実質金利は、9月に-2.00%となった。8月の-2.60%からマイナス幅を縮小させており、ドルの下支え要因となる。最近の同実質金利は昨年12月の-0.61%から今年5月には-2.61%へと急低下し、過去最低水準となっていた。同時進行で米国の株高や金相場などの上昇、ドル安の一因となってきたが、足元でこうした潮流には一服感が見られている。期待インフレに影響する米国の個人所得は、8月に前年比+4.7%と前月の+8.1%から減少した。失業保険上乗せ給付の失効などにより、4月の+14.1%という急増から反動減少となっている。米国の消費にはマイナス要因となる一方、間接的に実質金利の低下歯止めとドル安の制御に寄与している。

 

米国市場では8月貿易収支が公表

7月実績は▲636憶ドルで赤字幅は市場予想を上回った。サービスの黒字は2012年以来の低水準となった。財の輸出入額は増加している。8月については、自動車・部品の輸出額はやや減少する可能性があることから、貿易赤字幅は8月実績に近い数値になると予想される。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月独製造業新規受注(予想:前月比2.6%/前年同月比▲3.5%)
○17:30   9月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:54.0)
○17:30   フライデンバーグ豪財務相、予算演説
○17:35   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○18:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:30   8月カナダ貿易収支(予想:20.0億カナダドルの赤字)
○21:30   8月米貿易収支(予想:661億ドルの赤字)
○23:40   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、講演
○7日00:30   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○7日00:45   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○7日01:00   9月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%)
○7日02:00   米財務省、3年債入札
○7日03:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
〇日米豪印外相会合(都内)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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