FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:トランプ大統領の症状改善で買い優勢

新型コロナに感染したトランプ大統領が早ければ5日にも退院すると伝わり米政権混乱が限られるとして投資家心理が改善し、幅広い銘柄に買いが広がった。NYダウ先物が大幅反発となり東証1部の9割弱の銘柄が上昇した。結局、前営業日比282円高の2万3312円と大幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は105円台半ばでもみ合い相場

ドル/円は、新型コロナウイルスに感染したトランプ大統領の症状が改善されたことから、ドル買い・円売りが先行して105.50円付近まで上昇した。東京市場でも堅調地合いは続き、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高にも支えられ、105.61円付近まで上昇した。ただ、2日に付けた105.66円が上値の目処として意識されると上げは一服、105.55を挟んでもみ合う展開となった。午後に入っても、105.55円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。今晩の米株価動向や米経済指標を見極めたいとのムードも広がり、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国とEUのFTA締結交渉期限近づく:合意なき離脱懸念高まる

ジョンソン英首相が設定した合意期限の10月15日が近づくことで、英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)締結交渉をめぐり、決裂することへの危惧が強まっている。今まで公正な競争条件の確保や英周辺海域の漁業権をめぐり協議は難航し、引き続き英沖合でのEU加盟国の漁業権の在り方や、英・EU企業が公平な条件で競争するための枠組み整備といった懸案が議論の中心となるが、行き詰まりを打開し、妥結に向けて進展を図れるか期待と不安が交錯している。ジョンソン首相が設定した10月15日の合意期限が延期される可能性はあるものの、『移行期間』が今年末に終了することから、時間はあまり残されていない。FTAなしで移行期間が終われば、英・EU間の貿易には世界貿易機関(WTO)の規則に従って関税が発生し、英・EU経済に悪影響や混乱を及ぼすことは避けられない。

 

南アでは6日から国営電力会社でストライキ

南アの国内情勢は依然としてネガティブ材料が多い。国営電力会社エスコムの給料未払い問題などで、6日から同社社員がストライキを予定している。ストライキが長期化するならば、再び電力不足による南ア経済の停滞懸念が高まる。経済指標では、先週に多くの指標が発表された反面、今週は7日に予定されている9月の南ア商工会議所(SACCI)企業景況感以外は主だった経済指標の発表が予定されていない。

【先週の指標結果】】          (結果)   (予想)
8月南アフリカ卸売物価指数(前月比)   +0.7%    +0.4%
8月南アフリカ卸売物価指数(前年比)   +2.4%    +2.1%
4-6月期南アフリカ失業率         23.3%    -
8月南ア・マネーサプライM3(前年比)   10.86%   10.50%
8月南ア消費者物価指数・CPI(前月比)   +0.2%   +0.2%
8月南ア消費者物価指数・CPI(前年比)   +3.1%   +3.2%
8月南ア貿易収支       389億ランドの黒字    297億ランドの黒字

 

9月トルコ諸費者物価指数(CPI)が公表:実質金利マイナス幅拡大懸念

本日発表される9月トルコ消費者物価指数(CPI)は、前年同月比12.15%と前回11.77%を上回る見込みである。トルコ中銀が政策金利を引き上げたのは先月後半であり、その効果はまだ望めないが、中銀が8月以降に実施している『裏口的な利上げ』もまだ効き目が出ていないもよう。もし、本日の指標結果が市場予想から上振れするようであれば、実質金利マイナス幅拡大への懸念が更に高まり、通貨リラの買い難さが意識される。

ナゴルノ・カラバフ自治州を巡るアルメニアとアゼルバイジャンの戦闘規模は1994年の停戦合意後では最大となり、欧・米・露が要求する停戦には程遠い状況である。この地域の大国であるトルコの役割が注目されているが、友好国アゼルバイジャンに肩入れしていることで紛争の長期化・泥沼化への警戒感も強まっている。トルコの取り組み方次第では国際社会が望まない方向に事態が進行し、トルコへの反発も強さを増してしまう。そうなってしまうと、トルコリラを手放す動きに繋が りやすい。

 

米大統領選の世論調査ではバイデン候補が10ポイントリード

4日公表のロイター通信などの世論調査で、新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領について、『新型コロナをもっと深刻に受け止めていたら恐らく感染しなかっただろう』との回答が65%に達した。トランプ氏はこれまで、『消えてなくなる』などと新型コロナを軽視する発言を繰り返していた。調査は今月2-3両日、全米の成人1005人を対象にオンラインで実施した。57%がトランプ氏の新型コロナ対応に不満を表明した。新型コロナに関して同氏が国民に真実を『語っている』とみる回答は34%にとどまり、『語っていない』が55%に上った。一方、11月の大統領選では、51%が民主党候補のバイデン前副大統領に投票するとし、トランプ氏の41%を10ポイント上回った。

 

米国議会内で感染拡大なら政治リスク高まる

複数(現時点で3名)の共和党上院議員が陽性と判明し、政権内部や大統領と近しいものの感染も判明していることで、先週末の場中に流れていた情報よりも、米国の政治リスクが高まっている。懸念されるのは、ほぼすべての共和党上院議員が毎週3回ランチミーティングを行っていたが、その参加者がすでに陽性が判明していることで、共和党上院議員(共和党53名)の感染者が拡大する可能性が高まっていることが一つ。 もう一つは、9月26日にホワイトハウス内のローズガーデンで催した最高裁判事を指名する式典参加者で多くの陽性者が判明していることで、感染が上院議員以外にも多くの政府関係者に更に増加する懸念がある。もし、感染拡大が想像を超える状況になった場合は、米国の政治が一時的に大きく停滞し、機能不全に陥るリスクもある。

 

米国市場では9月ISM非製造業景況指数が公表

9月の市場予想は56.1と8月の56.9を下回る見込みである。15に業界が活動拡大を報告しており、業況や経済の先行きについてはやや楽観的になっている。ただ、8月は新規受注が低下しており、9月も伸び悩む可能性があること、雇用環境の大幅な改善は期待できないことから、、全体的には8月実績をやや下回る可能性がある。早期回復期待の後退によりドル売りに振れる可能性がある。

 

米国市場のイベント

○15:40   黒田東彦日銀総裁、あいさつ(全国証券大会)
○16:00   9月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.30%/前年比12.15%)
○16:50   9月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:47.5)
○16:55   9月独サービス部門PMI改定値(予想:49.1)
○17:00   9月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:47.6)
○17:30   9月英サービス部門PMI改定値(予想:55.1)
○18:00   8月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比2.5%/前年比2.2%)
○22:45   9月米サービス部門PMI改定値(予想:54.6)
○22:45   9月米総合PMI改定値
○23:00   9月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:56.3)
○23:45   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○6日04:15   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演

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