★日経平均株価:トランプ大統領がコロナウイルスの陽性発表で売り
前日の米国株式市場での堅調な動きを好感してプラス圏でのスタートとなったが、NYダウ先物が軟化したことを受け、上げ幅を縮小した。米雇用統計の発表を控えていることもあり、様子見ムードが強まった。午後になると、トランプ米大統領が新型コロナウイルスの陽性との発表を受け、金融市場はリスク回避の動きが強まった。NYダウ先物が大幅に売り込まれたことを受け、日経平均も三桁安まで弱含みとなった。結局、前営業日比155円安の2万3029円と続落して終了した。
★東京外国為替市場:トランプ大統領のウイルス陽性はリスク回避の円買い
ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、105.63円までじり高となった。欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大しているため、ユーロ圏の景気減速を警戒したユーロ安・ドル高が波及した面もあった。午後もこの流れは続き、105.66円付近まで値を上げた。しかし、今晩の9月米雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、上値を追う動きは限られた。その後、トランプ米大統領が『新型コロナウイルスの検査で陽性になった』とツイッターに投稿すると、リスク回避姿勢が強まり、105円台を割り込んで一時104.95円付近へ急落した。NYダウ先物の大幅安や米長期金利が低下したことも、ドル売り・円買いに拍車がかかった。ユーロ/ドルは、こーろ/円の下げに連れて、1.1695ドル付近までユーロ売りが進む場面があった。
★南アでは6日から電力会社のストライキ
南アABSA製造業PMIが58.3と前回や市場予想を上回り、ここ20年では最高水準を記録したこともランドの支えとなった。来週6日から、国営電力会社エスコムの従業員がストライキを予定している。もし長期化するようであれば電力不足への懸念が更に高まり、南ア経済停滞からランドの重しにも繋がるため、関連情報には注意が必要となる。
★トルコリラのポジティブ要因
EUは欧州時間1日深夜(日本時間2日朝)にベラルーシ制裁の発動を決定したが、トルコ問題は12月に再度話し合うとした。フォンデアライエン欧州委員長はトルコとの関係強化に期待しながらも、EUの利益を損なうような行動をするならば、トルコに対してあらゆる手段を講じるとも述べている。トルコ制裁の可能性は残りながらも、足もとのリスクが回避されたことはリラにとってはポジティブ要因である。くわえて、北大西洋条約機構(NATO)が昨日、トルコとギリシャの軍代表団が行ってきた一連の会談の結果、両国の調停体制が築かれたと発表した。体制が上手く運用されるようならば、(トルコとギリシャが領有権争いをする)東地中海の安定化が進み、地政学リスクによるリラ売りも避けられる可能性がある。
★支援効果薄れ米国人の懐に寒風
米政府支援が多くの家計にもたらしていた押し上げ効果が、目に見えて薄れ始めた。何かがすぐにも変わらない限り、景気回復に大きな障害となる可能性が高い。米商務省が発表した8月個人所得は前月比-2.7%と、7月+0.5%から再びマイナスに転じた。政府の失業保険補助が失効したためと見られる。人々が受け取った失業保険給付が52%減少したことが主な押し下げ要因である。
★米国の追加経済救済策の行方を睨む展開
中小企業支援策や失業保険補助などの政策がすでに失効した。政府の支援なく、中小企業は新たな雇用削減を強いられるほか、航空会社支援策も9月30日で失効した。もし、このまま政府の支援がなければ、各航空会社は本日から計画通り従業員解雇を開始せざるを得ない。米労働省が発表した最新の週次新規失業保険申請件数は経済封鎖が始まる前の3月中旬来の低水準となったものの依然80万件と高止まりしている。雇用削減の第2弾が開始されると、労働市場が再び悪化する可能性が警戒される。このため政府の追加支援は必至である。追加パンデミック経済救済策を巡りムニューシン財務長官と民主党のペロシ下院議長は大統領選挙前の合意に向けた取り組みを行っているが、政治的な意図との見方もあり最終的な合意にたどり着けるかどうかは不明である。もし、合意となれば景気先行き見通しの改善から米債利回りが上昇しドル買いやリスク選好の動きに繋がる。
★米国市場では9月雇用統計が公表
多くの州で経済活動は段階的に拡大しているものの、ウイルス感染者の増加は続いており、雇用者増加数は100万人に届かない見込みとなっている。9月の雇用統計は、失業率8.2%、非農業部門雇用者数は前月比+90万人、平均時給は前年比+4.7%と予想されている。9月雇用統計が市場予想を下回り、景気回復ペースの鈍化が示された場合、ドル売り要因となりやすい。
★欧米市場イベント
○15:45 8月仏財政収支
○17:00 9月ノルウェー失業率(予想:3.8%)
○17:20 ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○18:00 9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比▲0.2%)
○18:00 9月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比0.4%)
○19:00 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:30 9月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化85.0万人/失業率8.2%/平均時給、前月比0.2%/前年比4.8%)
○22:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○23:00 9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:79.0)
○23:00 8月米製造業新規受注(予想:前月比1.0%)
○24:00 デコス・スペイン中銀総裁、講演
○3日01:00 4-6月期ロシア国内総生産(GDP)確報値(予想:前年比▲8.0%)
○3日02:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、最終日)
○英国と欧州連合(EU)の首席交渉官級による第9回協議(ブリュッセル、最終日)
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