FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:アジア株式の軟調が重石

米国株の大幅安を受けて幅広い銘柄が売りに押された。日銀による上場投信(ETF)買いや中間配当狙いの買い期待が下支えするも上海株などアジア株式の軟調が重石となり、一時下げ幅は300円超となった。結局、前営業日比258円安の2万3087円と続落した。

 

東京外国為替市場:新規の手掛かり材料に乏しく狭いレンジ相場

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、105.47円付近までじり高となった。前日のNY市場で付けた105.50円が上値の目処として意識されると、上げは一服となった。その後は、米国で追加経済対策を巡り、与野党の協議が難航していることから利益確定などのドル売り・円買いも見られ、105.40円を挟んでもみ合いとなった。午後は、新規の手掛かり材料に乏しく、105.30円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大しているため、景気回復が遅れるとの見方からユーロ売り・ドル買いが優勢となり、1.1645ドル付近へ下落する場面があった。

 

金ETFから大規模な資金流出:さらに資流出するか警戒

23日の米国市場で金価格に連動するSPDRゴールド・シェアーズ(GLD/ U)から6億8003万ドルの資金流出となり、2016年11月10日(8億4304万ドル)以来、3年10ヵ月ぶりの大きさを記録した。この日の米国市場でGLDは3日続落し、2.16%安の174.79ドルで終了した。ドル指数が強含む中、実物資産の金が売られたことで7月22日以来、2ヵ月ぶりの安値圏に沈んだ。ナスダック100指数と連動するパワー・シェアーズQQQなどと同様、今年に入ってからGLDには資金流入が続いていただけに、ハイテク株などの調整を受けてGLDの流出基調も強まるのか警戒される。

 

ベイリー英中銀(BOE)総裁の講演に注目

英国での新型コロナウイルス感染拡大状況に警戒しつつ、ベイリー英中銀(BOE)総裁の講演に注目する展開となる。9月のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)では、マイナス金利の導入方法について年内に英健全性規制機構(PRA)と『体系的調整』を開始する方針を明らかにした。しかし、ベイリーBOE総裁は、『英中銀は利下げをじっくりと検討しており、マイナス金利も政策手段の選択肢にある。予定されているマイナス金利を巡る技術的な作業は、導入を示唆するシグナルというよりも、実際に導入が可能なのかどうかを検証するもの』と表明しており、本日もマイナス金利に関する言及に要注目となる。

 

トルコ市場では政策金発表に注目:市場予想は金利据え置き

本日は、トルコ中銀の政策金利発表が注目となる。市場予想は4会合連続の8.25%で据え置きとなっている。トルコの高止まりするインフレに対応するため、中銀は8月以降、市中銀行の実質的な調達金利を引き上げるなど『裏口的』な引き締め措置を実施してきた。もっとも、小手先の対策に市場は満足せず、為替相場ではリラ売り圧力がまったく弱まっていない。リラの下落トレンドを止める、または緩めるためには、政策金利の引き上げが必要だと思われる。しかしながらエルドアン大統領の意向は利上げ反対で変わりなく、ウイサル中銀総裁は大統領に従う姿勢が続き、中銀の独立性への懸念も増している。本日は主要政策金利に触ることができなくても、中銀が高インフレやリラ安に対する断固たる態度を示すことができるかが1つのポイントとなる。

注意するところでは、金価格が下落基調にある。トルコ中銀の外貨準備高における金の割合は、年初の約23%から今月11日時点では約48%まで増加している。そのため、これ以上の金の価値低下は、外貨準備高不足への警戒感を更に高めることになる。

 

米銀大手JPモルガンチェースは資産を英国から移転

米ブルームバーグによると、米銀大手JPモルガン・チェースが2000億ユーロ(約25兆円)規模の資産を英国からドイツに年内に移すことが23日、明らかになった。英国の欧州連合(EU)離脱の『移行期間』終了後も、EU加盟国の顧客にサービスの提供を続けられるようにする。同社は英ロンドンに欧州・中東・アフリカ地域の統括拠点を置き、在EUの顧客向けサービスを手掛けている。英国はEU離脱により、域内で自由に金融事業を営める『単一パスポート』の制度から外れる。英とEUは金融サービスの相互提供を続けられる枠組みを模索しているが、通商交渉は遅れている。移行期間が終わる予定の年末までに妥結に至らない事態に備えて、移管を決めたもようだ。

 

米国市場では8月新築住宅販売件数が公表

参考となる7月実績は、3ヵ月連続で増加しており、新築住宅市場はまずまず活況であることが確認された。8月については住宅ローンの金利水準が低位で推移していることや、都市部から郊外に移住するケースが増えていることから、販売件数が7月実績を大幅に下回る可能性は低いとみられる。

 

欧米市場イベント

○未定    9月月例経済報告
○15:45   9月仏企業景況感指数(予想:94)
○16:30   スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○17:00   9月独Ifo企業景況感指数(予想:93.8)
○17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:8.25%で据え置き)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:84.3万件/1233.9万人)
○21:50   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○22:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ムニューシン米財務長官、米上院銀行委員会で証言
○23:00   8月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲1.2%/89.0万件)
○23:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○25日01:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○25日02:00   米財務省、7年債入札
○25日02:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○25日02:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○25日03:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:4.25%に引き下げ)
○25日03:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○25日03:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○南アフリカ(伝統文化継承の日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ