FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:様子見ムード強く利益確定売り優勢

前日の米国株式市場は上昇したものの、日本株は前週後半から700円幅の上昇を演じていただけに、利益確定売りが先行する展開となっている。組閣人事や米連邦公開市場委員会(FOMC)など見極めたい重要イベントが控えているため、全体的に模様眺めムードが強かった。ただ、日銀によるETF株買いの観測が広がり、相場の下値を支えられた。結局、前営業日比104円安の2万3454円と4営業日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:全般ドル安基調が継続

ドル/円は、今日から始まる米FOMCで、ハト派姿勢が堅持されるとの思惑から持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、105.61円まで下落した。日経平均株価の下げ幅が一時200円を超えたことも、リスク回避の円買いを誘った。しかし、前日の海外市場でつけた105.55円が下値の目処として意識されると下げは一服、105.65円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、105.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、午前に発表された8月中国統計の上振れや上海総合株価指数の持ち直しを好感したオセアニア通貨高・ドル安が波及し、1.1900ドル近くへじり高となった。

 

世界の石油需要はピークアウトの可能性:英石油大手BP見通し

英石油大手BPは14日公表のエネルギー見通しで、世界の石油需要が既にピークを過ぎた可能性もあるとの見方を示した。新型コロナウイルスの影響による世界経済の悪化や行動様式の変化で、感染拡大前の水準に戻らないシナリオを盛り込んだ。どの想定の下でも化石燃料から再生可能エネルギーへの消費の移行は進む。
今年の報告書では2050年までの長期予測を出した。環境政策や技術開発が最近の傾向に沿って進む前提の標準ケースに加え、政策主導でエネルギー転換が勢いづく『急速』、低炭素化がさらに活発な『ネットゼロ』の3つのシナリオを想定した。

 

トルコ株価は底堅く推移するもコリラの買いづらさは続く

トルコメディアは13日、東地中海で活動していたトルコのエネルギー資源探査船が、ギリシャ海域から引きあげてトルコに帰港したことを報じた。これを受けてミツォタキス・ギリシャ首相は、『前向きな第1歩』であり、こういったことを継続させることが重要だと述べた。また『緊張が解消された場合、エルドアン大統領と会談する用意がある』とも発言した。 東地中海の緊張緩和が期待されてギリシャ株は大きく上昇し、トルコ株も底堅く推移した。ただし、トルコ側がエネルギー探査の継続を表明したためか、為替相場ではリラを買い戻す動きには繋がっていない。 ムーディーズもトルコ格下げ理由の1つとして地政学リスクを指摘しており、トルコとギリシャの関係改善の道筋がはっきりと見えるまでは、リラの買いづらさは続く。 ギリシャの後ろ盾となっているフランスと、トルコの対立もリラにとっては懸念材料である。対トルコで厳しい姿勢をみせるマクロン仏大統領について、先週末にエルドアン・トルコ大統領は『去り行く人だ』などと公の場で述べた。これまでのやり取りなどを見る限り、両者の溝を埋めるのはかなり難しい。

 

本日の南アランドはイベント控え動き難い展開

16日に南アからの7月小売売上高、そして17日に南アフリカ準備銀行(SARB)が金融政策委員会(MPC)を開き政策金利を発表することで、本日は動きにくくなる。特に17日のSARBへの注目度が高まっている。徐々に利下げ派が増加し、市場のコンセンサスとしては3.25%への利下げが多数を占めつつある。週末にムボウェニ南ア財務相がSARB予想のGDP-7%より悪くなる可能性があると発言したことも、更なる利下げ期待を高めている。

 

メキシコ景気のカギを握るのは原油価格動向

メキシコ国内では先週にメキシコ政府が2021年の予算案を議会に提出した。大幅な歳出を行わない緊縮政策を積極的に行うもので、債務比率については現在の54.7%から来年には53.7%に減らす目標を掲げている。もっとも、前提となるGDP成長率について政府の予想(今年8%程度落ち込んだ後、来年には4.6%に反発)は市場の大方の予想(今年-10%前後、来年は+3.4%程度)よりも楽観的なもので、格付け会社ムーディーズは『債務水準よりも経済成長を懸念。これは持続不可能である』と批判した。また、一部米銀からも『原油動向次第が窺われる。原油が仮に下がった場合には大幅赤字となるだろう』との意見が出ている。新型コロナウイルスの影響で国内経済が疲弊するなか、緊縮政策の実施が経済へのさらなるダメージにつながるとの懸念もあり、今後の経済状況については注意してみておく必要がある

 

米国では15日から16日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を開催

米FRBはFOMCでゼロ金利を据え置き、長期にわたり低金利を据え置く姿勢を再表明する見通しである。ただ、インフレ平均目標という新指針により、声明や会見に影響を与える可能性がある。9月会合では最新のFRBメンバーの2023年までの経済、インフレ、金利見通しが発表となる。新指針達成の具体的な手段を明確にするには良い機会と考えられている。 米国の追加財政策を巡り合意に向けた進展が見られないこと、FOMCのハト派姿勢などへの思惑に米国債相場は依然、堅調に推移している。同時に、ドル売り圧力となっている。

 

欧米イベント

○15:00   8月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移10.0万件/失業率なし)
○15:00   5-7月英失業率(ILO方式、予想:4.1%)
○15:30   8月スイス生産者輸入価格
○15:45   8月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比0.2%)
○16:15   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16:30   8月スウェーデン失業率
○18:00   9月独ZEW景況感指数(予想:69.8)
○18:00   9月ユーロ圏ZEW景況感指数
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○21:30   7月カナダ製造業出荷(予想:前月比8.7%)
○21:30   9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:6.0)
○21:30   8月米輸入物価指数(予想:前月比0.5%)
○22:15   8月米鉱工業生産指数(予想:前月比1.0%)
      設備稼働率(予想:71.4%)
○16日01:00   8月ロシア鉱工業生産(予想:前年比▲6.4%)
○16日02:00   米財務省、20年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○国連総会開会(ニューヨーク)

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