FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:経済活動正常化への期待に上げ幅拡大

米国株の大幅安を嫌気して3桁下落からのスタートとなったものの、寄り付きを安値に反転した。NYダウ先物が堅調に推移したことを好感して、下げ幅を縮めて早い時間にプラス圏に浮上した。また、東京の時短営業終了や政府の『GoToトラベル』への東京参加など経済活動『正常化』期待に上げ幅を広げた。結局、前日比171円高の2万3406円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:106.15円付近でもみ合う展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、106.20円付近まで値を上げた。しかし、前日に米上院で新型コロナウイルスの地下経済対策法案の動議が否決され、米景気への先行き不透明感が強まっているため、上値を追う動きは限られた。その後は、利益確定などのドル売り・円買いも見られ、106.15円を挟んでもみ合う展開となった。午後に入っても106.15円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。来週予定されているFOMCや日銀金融政策決定会合を控え、様子見ムードも強かった。ユーロ/ドルは、1.18ドル台前半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ECB後のラガルドECB総裁発言受けユーロ買い再開

ECBは定例理事会で市場の予想通り、政策金利やパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を維持することを決定。回復がまだ脆弱でPEPPを購入枠全額使用する公算が極めて高いとの見通しをラガルド総裁は示した。同時に、Q3国内総生産(GDP)の強い反発が期待され、規模拡大に関しての協議は行わなかったことも明らかにしている。ユーロ・ドル相場が1.2ドル台に達した際、専務理事兼首席エコノミストのフィリップ・レーン氏が、ECBにユーロ相場の目標はないが、金融政策に影響すると、ユーロ高けん制発言を行ったため、ECBが何らかのユーロ高対策を発表するとの思惑も市場で浮上しユーロ売りに繋がっていた。しかし、過剰に反応する必要はないとの見解が示されたためユーロ買いが再開した。再び1.2ドルを試す可能性がある。

 

英国の合意なき離脱懸念高まる

1月末に欧州連合(EU)を離脱した英国とEUは10日、ロンドンで臨時会合を開き、国際条約『離脱協定』の主要部分をほごにしようとする英法案をめぐって議論した。EUは、法案が成立すれば『極めて重大な国際法違反だ』と訴え、月内の修正を要求した。英国の対応次第で法的措置も辞さない構えを示したが、英国は法案修正を拒否し、対立が一段と深刻化した。一方、英EUの自由貿易協定(FTA)締結交渉はこの日、3日間にわたった第8回会合が進展なく終了した。英沖合でのEU加盟国の漁業権の在り方や、英EUの企業が公平な条件で競争するための枠組み整備といった主要な懸案で、英EUの溝は埋まらなかった。ジョンソン英首相は会合に先立ち、FTA交渉の合意期限を10月15日に設定した。残された時間は少ない上、英EU関係が急速に悪化しており、交渉は決裂のリスクに直面している。ただ、英EUは来週も話し合いを続ける。

 

南アフリカの経常収支は過去最大の下落幅

昨日発表された4-6月期の南ア経常収支は1036億ランドの赤字となった。対GDP比では-2.4%まで落ち込み、4-6月期の下落幅としては過去最大となった。赤字幅が拡大した南ア経常収支が重石となり、あrン度の上値を重くした。

 

EUでは対トルコ制裁を協議へ

地中海のコルシカ島では10日、EU南部諸国『MED7』首脳会議が開催され、仏・伊・スペイン・ポルトガル・ギリシャ・キプロス・マルタが参加した。その会議では、東地中海でトルコと対立するギリシャやキプロスへの全面的な支援と連帯が表明された。参加したマクロン仏大統領からは『トルコはもう地域のパートナーではない』との発言も聞かれました。今後トルコが譲歩しなければ、対トルコ制裁が今月下旬にも本格的にEUで協議されるもようである。ただトルコが強硬姿勢を緩めるとは思われず、事態の改善が望めないなかで、通貨リラが買い難い状況は変わらない。注目されていた北大西洋条約機構(NATO)本部におけるトルコ・ギリシャの軍高官レベルでの協議は、ギリシャ側からキャンセルされたことが報じられた。

 

米国市場では8月消費者物価コア指数が公表

7月実績は前年比+1.6%で6月実績を0.4ポイント上回った。家賃の伸びは鈍化したが、医療費は上昇した。8月については、家賃の伸びは鈍化する見込みだが、医療費や一部サービス価格の上昇が予想されることから、コアインフレ率は7月実績と同水準になる見込みである。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月英国内総生産(GDP、予想:前月比6.7%)
○15:00   7月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:69.00億ポンドの赤字/30.00億ポンドの黒字)
○15:00   7月英鉱工業生産指数(予想:前月比4.0%/前年比▲8.9%)
      製造業生産高(予想:前月比5.0%)
○15:00   8月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比横ばい)
○15:00   7月独卸売物価指数(WPI)
○15:50   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○16:00   7月トルコ経常収支(予想:20.0億ドルの赤字)
○17:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○17:50   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:30   ラガルドECB総裁、講演
○18:45   メルシュECB専務理事、講演
○20:00   7月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比6.6%)
○21:00   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、オンラインイベントに参加
○21:00   7月インド鉱工業生産(予想:前年同月比▲11.5%)
○21:30   4-6月期カナダ設備稼働率(予想:70.2%)
○21:30   8月米CPI(予想:前月比0.3%/前年比1.2%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.6%)
○12日03:00   8月米月次財政収支(予想:2450億ドルの赤字)
○欧州連合(EU)財務相理事会(非公式、12日まで)

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