FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:NYダウ先物堅調推移に連れた買い

欧州株高や為替の円安基調が好感されて高く始まった。その後は手掛かり材料に乏しく伸び悩む場面もあったが、NYダウ先物堅調推移などをながめて盛り返した。新型コロナウイルス感染拡大を受けて下げていた景気敏感セクターの一角堅調だった。ただ、市場では、米ハイテク株の調整が一過性のものであるか見極めたい向きが多く、上値を追いかける機運が出づらかった。一方で、積極的に下値を売り込む材料も見当たらなかった。結局、前営業日比184円高の2万3274円と3日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:106円前半で小幅もみ合う展開

ドル/円は、7日にトランプ米大統領が中国に対する強硬姿勢を改めて表明したため、米中の対立が激化するとの懸念からドル売り・円買いが先行、106.24円付近まで下落した。しかし、日経平均株価の反発でリスク回避姿勢が和らいだため、下値を追う動きは限られた。その後は、本邦輸入勢などがドル買い・円売りを持ち込み106.30円付近へ値を切り返した。午後は日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、106.20円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.1810ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では10日にECB理事会が開催

前週以降にはECB幹部から、ユーロ高の懸念発言が見られ始めた。英フィナンシャル・タイムズ紙は3日、『ECB政策担当者はユーロ上昇が続けば、輸出を圧迫すると同時に物価を押し下げ、さらなる金融刺激を求める圧力を増大させかねないと警告』と報じている。こうした中で先行きの緩和強化の思惑が、ECB理事会の前にかけて調整的なユーロ安の要因となりやすい。理事会後の声明や総裁会見などで、間接的にユーロ高懸念や追加緩和が示唆されると、一段のユーロ安に拍車がかかりやすい。その反面、最近の欧州指標はまだ大きく悪化していない。当座は経済活動の再開やEU復興基金の進展期待などもあり、前向きな景気見通しが示される可能性がある。その場合は改めてユーロが上昇となる可能性も消えていない。

 

南アの4-6月期国内総生産(GDP)が公表

南アのリテール銀行のキャピテック銀行は3-8月期の1株当たりの収益予想を、前年同期比70%減から78%-82%減へ下方修正した。大手のアブサ銀行に続いて収益の大幅減で南アの金融界は非常に困難な状況に陥っている。ロックダウンの影響で一部借り手が借金を返済できない状況に陥っていることなどが収益を圧迫した。なお、昨日の電力負荷制限は15時までステージ1、15時から22時まではステージ2となり、この負荷制限は水曜まで続くとされている。経済には悪影響だが市場は南アの停電には不感症状態となっているため、反応はなかった。本日公表される4-6月期南アの国内総生産(GDP)が最大の注目材料となる。市場予想は-40%から-50%に迫る大幅悪化が予想されている。新型コロナウィルスの感染拡大により、世界中でもかなり厳しいロックダウを行っていた4-5月なども含まれる指標なので、かなりの落ち込みが予想されている。

 

トルコとギリシャは一触即発ムード

東地中海の緊張緩和のため、北大西洋条約機構(NATO)が仲介に乗り出したものの、トルコとギリシャの対立姿勢が弱まらないことが嫌気された。また、通貨安や経済低迷にもかかわらず、エルドアン・トルコ大統領が国際通貨基金(IMF)に支援を求めないと述べたこともリラの重石となった。NATO主導のもとトルコとギリシャは話し合いの場に付くかと思いきや、両国の一触即発ムードは高まっている。トルコメディアは先週末、トルコ軍が約40台の戦車をギリシャとの国境沿いに移動させたことを報じた。これに対し、ギリシャ軍も国境付近やエーゲ海での軍備拡大を進めている。ギリシャとの対立問題で欧州連合(EU)から制裁を示唆されているトルコだが、エルドアン大統領は6日、ミシェルEU大統領に『今後はEUの誠意が問われることになる』と発言した。また昨日の閣議後には『トルコの前に立ちはだかる者は、いずれ重い代償を払う羽目になる』と述べ、東地中海における権利を守るために積極的な政策を取り続けることを明言した。トルコがギリシャ側に歩み寄る雰囲気はなく、このまま東地中海の地政学リスクが高まるようであれば、通貨リラを手放す動きは止まらない 。

 

メキシコでは9日にCPI発表があり政策金利にも影響

メキシコ国内では9日に8月メキシコ消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。メキシコCPIは4月に前年比2.15%で底を打った後、3カ月連続で伸びが加速しており、7月時点では3.62%とメキシコ銀行(中央銀行)が定めたインフレ・ターゲット(3.0%±1%)の上限超えも視野に入ってきた。市場ではすでに24日の金融政策決定会合における追加利下げを織り込みつつあるが、CPIの結果次第では今後の金融政策に対する不透明感が高まることも考えられる。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月独貿易収支(予想:160億ユーロの黒字)
○15:00   7月独経常収支(予想:173億ユーロの黒字)
○15:45   7月仏貿易収支(予想:62.11億ユーロの赤字)
○15:45   7月仏経常収支
○18:00   4-6月期ユーロ圏GDP確定値(予想:前期比▲12.1%/前年比▲15.0%)
○18:30   4-6月期南アフリカGDP(予想:前期比年率▲47.2%/前年同期比▲16.5%)
○9日02:00   米財務省、3年債入札
○9日04:00   7月米消費者信用残高(予想:130.0億ドル)
〇英国と欧州連合(EU)の首席交渉官級による第8回協議(ロンドン、10日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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