FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国休場で利益確定売り優勢

前週末の米国株市場で主要3指数がそろって下落したことを受け、朝方は主力株を中心に幅広く売られた。売り一巡着はプラス圏に浮上する場面もあったが、7日の米国株市場が休場ということもあり積極的に買い上げていいうほどの材料はなく、再びマイナス圏に沈んだ。ハイテク株を中心に利益確定売りが優勢だった。ソフトバンクグループ(SBG)は7.15%安で終了した。結局、前営業日比115円安の2万3089円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米中関係悪化報道からリスク回避の円買い

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ106.39円付近まで上昇した。しかし、4日の海外市場でつけた106.50円が上値の目処として意識されると、上げは一服した。その後は、日経平均株価のさえない動きを眺めたドル売り・円買いに押され、106.20円台へ下落した。複数のメディアが『米政府は中国の半導体受託製造会社最大手を禁輸措置の対象として検討している』と報じたこともリスク回避の円買いを誘った。午後は、日経平均株価やアジア主要株価の動向をにらみながら、106.30円を挟んだもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、ECB当局者によるユーロ高けん制発言を警戒したユーロ売り・ドル買いが入り、1.1835-40ドル水準から1.1827ドル付近まで小幅に値を下げた。

 

アベノミクス継承なら円高は回避

今週の注目点の1つが自民党総裁選となる。安倍首相(自民党総裁)の後継を決める今回の総裁選は8日告示、14日投開票の日程となる。次期首相の最有力候補とされる菅氏はアベノミクスを継承する意向を示している。市場では現状の財政・金融政策の枠組みが大きく変わる可能性が低いとの見方が広がっており、円の対ドル相場の上値を抑える可能性が高い。

 

ソフトバンクGの巨額取引でハイテク株の乱高下懸念

ソフトバンクグループ(SBG)のオプションを利用した巨額取引が、米ナスダック市場を中心とする世界のハイテク株相場のかく乱要因になっている。ナスダック総合株価指数は歴史的な過熱状態にあり、今後の相場の乱高下を警戒する市場関係者が増えている。米ハイテク企業の個別株コールオプション(買う権利)に関するもので、購入額は約40億ドル。コール買いが回り回って現物株の急伸をもたらしている。伝えられるような投機まがいの取引をすれば、株主への背信行為になりかねない。

 

南アランドはネガティブ材料でも反応の鈍い展開

先週発表された7月の南ア貿易収支は市場予想よりも黒字幅が大きくなった。貿易黒字が大きいのは国内景気が落ち込み、輸入が弱かったことが原因で南ア経済の弱さを示した。また、電力の負荷制限がステージ2からステージ4へと引き上げられ、週末も同ステージの負荷制限が続いたことはランド売りの要因として上値を抑える。南アは現在冬だが、寒波による電力需要の拡大が電力施設を圧迫したことが、ステージ引き上げ要因となっている。南アからポジティブなニュースを探すのは難しい状況である。しかし、ここ最近はネガティブなニュースにも反応が鈍いため、大きく下落する地合いでもなさそうである。今週は8日に発表される4-6月期国内総生産(GDP)と9日の4-6月期財政収支に注目が集まる。今回のGDPは大規模ロックダウン期の指標であり、大きな落ち込みが予想されている。

 

米政府は12月政府機関閉鎖の事態回避期待

ムニューシン米財務長官は6日、ホワイトハウスと議会の合意により連邦政府は12月初めまでの予算がが確保できる見通しだとし、予算案の詳細が週末までにまとまることに期待を示した。現行の予算が期限切れとなる9月末に政府機関が閉鎖される事態は回避されるとみられる。民主党関係者によると、同党のペロシ下院議長は予想の延長で合意した。ただ、関連法案の詳細はまだ明らかになっていない。ムニューシン米財務長官はホワイトハウスの記者団に対し『予算継続について明確な決議を行う。12月初めまでを見込んでいる』と述べ、『週末までに内容が固まることを期待している』と付け加えた。

 

欧米イベント

○15:00   7月独鉱工業生産(予想:前月比4.5%/前年同月比▲7.3%)
○17:00   7-9月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数(予想:▲30)
○米国、カナダ(レーバーデー)、ブラジル(独立記念日)、休場

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