FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:朝高も週末と円高基調を嫌気して上げ幅縮小

前日の米国株主要3指数が上昇したうえ、米ファイザーとドイツのバイオンテックの新型コロナワクチンの開発が順調との報道が好感され、日経平均株価指数は一時200円超高となった。しかし、その後は週末前ということや、ドル/円が105.60円台と円高基調となっていることが嫌気され、徐々に上げ幅を縮小した。結局、前営業日比39円高の2万2920円と小幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:持ち高調整のドル売りで105円半ばでもみ合い

ドル/円は、前日のNY市場で低調な米経済指標を背景にドル売り・円買いが優勢だった流れが継続して105.60円付近まで下落した。その後、米製薬大手ファイザーが『新型コロナウイルスのワクチンは10月の審査申請に向けて順調に進んでいる』との見解を示したことでが好感され、105.75円付近へ値を切り返した。しかし、日経平均株価が朝高後に伸び悩んだことからドル買い・円売りは続かず、105.65円付近へ押し戻された。午後は、週末を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、105.56円付近までじり安となった。ユーロ/ドルは、これから発表されるフランスやドイツの8月購買部担当者景気指数(PMI)速報値を控えて1.18ドル台後半で方向感に欠ける値動きとなった。

 

欧州市場では8月マークイットユーロ圏製造業PMI速報値が公表

7月実績は51.8となった。ユーロ圏における新型コロナウイルスの感染流行は収束していないものの、各国の経済活動は拡大しつつある。欧州復興基金の創設や雇用情勢の改善傾向はプラス材料となるため、製造業PMIは7月実績をやや上回る可能性がある。

 

今晩のエルドアントルコ大統領の良いニュース発表に注目

トルコ中銀は3会合連続で政策金利である1週間レポレートを8.25%で据え置いた。リラ下落を止めるには、利上げが必須とする見方も多いなかでの据え置き決定に、再びリラ売りが強まった。ただ、その後は中銀が国内の銀行に対し、外貨も含めた預金準備率の引き上げを発表するとリラは買い戻された。 本日は、エルドアン・トルコ大統領が発表するとした『時代を変える良いニュース』が注目される。予想される内容としては、19日に一部通信社が報じた『黒海でのエネルギー資源発見』にくわえ、以前から進めている東地中海でのガス田探査に何らかの進展がみられたことも考えられる。また、新型コロナウイルスのワクチンについても述べるとの見方もある。 エネルギーを輸入に頼るトルコでは、リラ安によりコストが更に増加している。そういった中で自国でのエネルギー生産が現実味を帯びてくれば、トルコ経済にとって明るい材料となる。ただもし、その規模が小さく、実用化までの期間が長すぎるなどと捉えられると、一昨日に買われた反動で株価と共に下押しする可能性もある。 なお、東地中海におけるギリシャとの対立は改善されたわけではない。しかしながら、米海軍がギリシャのクレタ島付近に艦艇を派遣し、トルコ・ギリシャが不用意に衝突しないよう監視をし始めた。

 

メキシコの前大統領の汚職捜査開始で現大統領にはプラスの可能性も

メキシコの検察はペーニャ・ニエト前大統領に対する汚職捜査を開始したと発表した。前大統領の側近で、国営石油会社ペメックスの元最高経営責任者(CEO)でもあったエミリオ・ロソヤ氏(CEO時代の不正買収疑惑などで逮捕されている)の証言により、ペーニャ・ニエト氏には『2012年の大統領選挙でブラジル建設大手オデブレヒトからの賄賂を選挙キャンペーンに使用するよう指示』『エネルギー改革法案の通過を確実にするため、議員に賄賂を贈った』などの疑いがかけられている。ロソヤ氏は証人や証拠文書なども用意できると述べており、今後の行方にも注目が集まる。 一方、前政権の汚職スキャンダルに注目が集まることは、これまで徹底的に汚職や政治腐敗を非難してきたロペスオブラドール大統領にとってポジティブに働くかもしれない。足もとではメキシコ経済の低迷や新型コロナウイルスの感染拡大によって、大統領の経済・感染症対策に対する批判が高まっていたが、世論の矛先を逸らせる可能性もある。なお、ロペスオブラドール大統領はこれまでにペーニャ・ニエト氏を起訴することに賛成ではないと述べた一方、法務長官が下した決定は尊重するとの姿勢を示している。

 

27日にジャクソンホール会議でパウエル米FRB議長が講演

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は来週27日に米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演する。複数のメディアが報じた。なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響で各国の中央銀行幹部や経済学者らが集まって討議する形は困難になったため、オンライン形式で開催される。

 

米国市場では8月マークイット製造業PMIが公表

7月実績は50.9となった。国内におけるウイルス感染は増加しており、企業景況感の大幅な改善は期待できないものの、雇用や個人消費は改善傾向にある。複数の項目で改善が予想されており、全体の指数は7月並みの水準を維持する可能性がある。

 

米国市場では8月中古住宅販売件数が公表

6月の販売件数は4ヵ月ぶりに増加した。雇用情勢は改善しつつあることや、低水準で住宅ローン金利が利用できる状態は変わっていないことを考慮すると、7月は6月実績を上回る可能性が高いと予想される。

 

欧米市場イベント

○15:00  7月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比2.0%/前年比横ばい)
       英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.2%/前年比1.5%)
○16:15   8月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:53.7)
○16:15   8月仏サービス部門PMI速報値(予想:56.3)
○16:30   8月独製造業PMI速報値(予想:52.5)
○16:30   8月独サービス部門PMI速報値(予想:55.1)
○17:00   8月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:52.9)
○17:00   8月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:54.5)
○17:30   8月英製造業PMI速報値(予想:53.8)
○17:30   8月英サービス部門PMI速報値(予想:57.0)
○21:30   6月カナダ小売売上高(予想:前月比24.5%/自動車を除く前月比15.0%)
○22:45   8月米製造業PMI速報値(予想:51.9)
○22:45   8月米サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○22:45   8月米総合PMI速報値
○23:00   8月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲15.0)
○23:00   7月米中古住宅販売件数(予想:前月比14.7%/年率換算538万件)

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