FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米景気先行き懸念が和らぎ日本株もつれ高

前日の米国株市場でNYダウが大幅続伸した流れを引き継いだうえ、米経済指標改善に加えトランプ大統領が8日に失業給付上乗せ等を盛り込んだ追加コロナ対策の大統領令を発令し米景気先行き懸念が和らぎ景気敏感株中心に幅広い銘柄に買いが入った。結局、前営業日比420円高の2万2750円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:106.00円付近で小幅もみ合い相場

ドル/円は、3連休明けとなる国内輸入企業のドル買い・円売りに支えられ、106.18円付近まで上昇した。しかし、前日の欧州市場で付けた106.20円が上値目処として意識されると、上げは一服した。その後は、香港や台湾情勢を巡る米中関係のさらなる悪化を警戒したドル売り・円買いが入り、106.00円付近へ押し戻された。午後は、日経平均株価の上げ幅拡大や中国株高に支えられ、106.15円付近へじり高となった。米長期金利が小幅に上昇したことも、ドル買いにつながった。ユーロ/ドルは1.17ドル台半ばで小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国の7月の新車販売台数は16%増

中国汽車工業協会が発表した2020年7月の新車販売台数は211万2000台だった。前年同月比で16.4%増えたが、前月比では8.2%減少した。1-7月累計の新車販売台数は前年同月比12.7%減の1236万5000台となり、減少幅は1-6月から4.2ポイント縮小した。

 

トルコ中銀が高値圏での金買いを進めている

トルコ中銀は金(ゴールド)保有額を発表しているが、増加傾向にある。先月30日時点では435.7億ドル相当と、年初来の上昇幅は7割を超えた。金価格は最高値を更新し続けているが、ただそれでも7月30日時点では年初来2割の上昇幅だった(NY金先物終値ベース)。ということは、トルコ中銀が金購入量をかなり増やしているということになる。国際通貨基金(IMF)の国際金融調査(IFS)によれば、トルコ中銀が今年1-6月で購入した金は約160トン。20年上期でトルコの次に購入量が多い中銀はインド中銀の28トンであり、圧倒的にトルコの存在が目立つ。国・地域別(中央銀行)の金保有量ランキングでも、トルコ中銀の金保有量は583トンと11番目に今や位置する(IMFを除く)。5位のロシア2300トンの4分の1弱ではあるが、欧州中央銀行(ECB)505トンよりも多く保有している。気になるところでは、高値圏での保有を増やしていることである。アナリストの間では(ドル/リラは別だが)ドル安が進み、超低金利・大規模な量的緩和が長期化するなかで、金に余剰資金が向かう動きは変わらず、価格は更に上昇するとの見方も多い。金価格がこのまま高止まりすれば、トルコ中銀の外貨準備高を補完することになり、市場の準備高枯渇への懸念も薄まる。ただ、相場は何が起きるか分からない。もし金価格が上値を切り下げるような展開になると、トルコにとってリラ安に加えてのダブルパンチは、かなりダメージが大きくなる。

 

メキシコでは自動車産業が改善方向:ポジティブ材料

最近のペソ相場は国内の材料というよりはドルの強弱に大きく左右されており、主体性は乏しい状況である。国内での新型コロナウイルス感染者は世界で6番目の大きさ、50万人に迫るなど勢いは収まっていないが、経済活動再開の兆しは徐々に見え始めている。国立統計地理情報院(INEGI)が先週に発表した7月自動車生産台数は前年同月比で+0.7%、前月比では2割強も増加した。主力の自動車産業でほぼ通常稼働に戻ってきていることはメキシコにとっては少ないポジティブ材料となっている。

 

サウジアラムコ4~6月期の純利益は大幅減

サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの4~6月期の純利益は前年同期比73%減の246億リヤル(約7000億円)となった。サウジが3月にしかけた『価格戦争』の余波が自らに跳ね返った。 アミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は声明で『世界各地で行動制限の緩和や経済活動の再開の動きが進んでいる。エネルギー市場には部分的な回復がみられる』と述べ、今年後半の収益改善に期待を示した。

 

OECD加盟国の公的債務が1270兆円の増加する見通し

経済協力開発機構(OECD)加盟37カ国の2021年の公的債務残高が、19年と比べて少なくとも約12兆ドル(約1270兆円)増大する見通しであることが10日、OECDの公開資料で分かった。債務残高は19年の69兆6000億ドルから21年には81兆6000億ドルと17%増える。経済活動が新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で打撃を受け、各国は支援策の資金を主に国債など借金で調達していることに起因する。公的債務の膨張傾向が一段落するまで時間がかかるとの指摘もある。公的債務の増大は将来的に金融市場の混乱要因となりかねず、世界経済の足かせとなる。
OECDは日本や米国、欧州の主要国などが加盟している。公的債務残高は年内に感染症の第2波が起これば、さらに約1兆ドル増えると見込まれる。

 

バイデン氏の副大統領候補の発表に注目

いよいよ今年11月の大統領選に向けて、バイデン氏のランニングメート(副大統領候補)が発表されることになる。今回の民主党副大統領候補は、バイデン氏が77歳と高齢(11月が誕生日なため、大統領就任時は78歳)なことで、大統領選に勝利をおさめても4年後の2024年の選挙には出馬をしないのではないかとも囁かれている。その場合は、副大統領が2024年の選挙で優位に立てることもあり、だれが指名されるのかが今まで以上に関心が高まっている。 候補者指名に余程サプライズがない限りは、為替市場が動くことは難しいでしょう。 ただし、米国の国家や経済を引っ張ることになる人物のバックグラウンドを把握しておくのは、今後の米経済の動きを把握することに大変役立つと思われるので、是非副大統領候補指名にも注目しておきたい。 

 

欧米市場のポイント

○15:00   7月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移1.00万件/失業率なし)
○15:00   4-6月英失業率(ILO方式、予想:4.2%)
○18:00   8月独ZEW景況感指数(予想:55.0)
○18:00   8月ユーロ圏ZEW景況感指数
○20:00   6月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比17.1%)
○21:00   6月インド鉱工業生産(予想:前年同月比▲20.0%)
○21:15   7月カナダ住宅着工件数(予想:21.00万件)
○21:30   7月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比▲0.7%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.1%/前年比横ばい)
○24:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、討議に参加
○12日01:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○12日01:00   4-6月期ロシアGDP速報値(予想:前年比▲9.6%)
○12日02:00   米財務省、3年債入札

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