FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:売り方からの買戻しで上げ幅拡大

外国為替市場での円安進行やアジア市場株の上昇でリスク選好の動きた強まった。市場では『海外勢中心に株価指数先物の買い戻しが強まった』との指摘もあり大幅上昇につながった。午後には一時200円超と上げ幅を広げた。しかし、引けにかけては利食い売りに押された。結局、前日比137円高の2万2693円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株高を好感したドル買い・円売り

ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りや日経平均株価の上昇に支えられ、一時110.64円まで上昇した。米長期金利が小幅ながらも上昇したこともドルの下支えとなった。午後もこの流れが継続し、日経平均株価が一時200円超高となると、ドル買い・円売りが進んで一時109.75円まで値を上げた。ただ、15日高値109.90円が上値目処として意識されると利食い売りにもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、ECBが将来的な利上げに慎重な姿勢を示していることで、持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り、1.15ドル台半へ水準を切り下げた。

 

パウエルFRB議長発言:中立金利の3%まで利上げ余地

パウエル米FRB議長はポルトガルのシェラトンで開催されているECBフォーラムで、金融政策が依然緩和的で、メンバーが予想している中間値での中立金利を100ベーシスポイント下回っている可能性があると指摘した。そのため、更なる利上げ余地があることを示唆した。議長は『米国経済は非常に良好』『インフレはFRBの目標である2%に近づいた』とし、『緩やかな利上げ継続の根拠が強い』と言及した。パウエル議長やメンバーが想定している中立金利の中間値は3%前後となっている。米FRBは6月のFOMCで政策金利であるFF金利誘導目標を0.25%引き上げ1.75-2.00%にした。再審のメンバーの予測の中で、2019年末の中間値が3.1%であることから、2019年末までに中立水準に達成、この近辺で利上げ打ち止めになる可能性がある。ただ、FRBは中立水準を若干上回る水準まで金利を引き上げる可能性も示唆している。

 

ポピュリストのスパイラル:イタリアが欧州危機のトリガーになる可能性も

ポピュリストのスパイラルは、不満を抱く有権者⇒無責任な約束と悪い結果⇒さらに不満を抱く有権者⇒さらに無責任な約束⇒さらに悪い結果のスパイラルである。既にドイツに先行してイタリアではポピュリズム新政権が誕生しした。ECBの金融政策にさえ影響を及ぼしつつある。イタリア経済はギリシャの10倍の敬愛規模を誇るが2.3兆ユーロの公的債務はギリシャの7倍に及ぶ。ユーロ最大、世界で4番目の多重債務国イタリアの政権が債務危機の引き金を引くかどうか、もし引いたとしても大き過ぎて潰せない。イタリア人の多くは苦境を欧州のせいにしている。これは不当かもしれないが不可避だ。彼らに影響する決定の多くが欧州で下されている。イタリアでは何が起きても不思議ではない。

 

英国市場では英国中銀の金融政策委員会が予定:結果発表20:00

英国経済はEU離脱や欧州減速などが重石となっており、前週のECB理事会に続く利上げ慎重姿勢が意識されやすい。そのため、結果発表後のポンドの戻り売りには注意が必要となる。ただ、前週のECB利上げ遅延姿勢を受けて、英国中銀も利上げ後ズレが見込まれ始めた。すでに英国中銀による景気・物価慎重姿勢も織り込みが進んでおり、会合後には材料出尽くしによるポンド買いの可能性も残る。

 

米国市場は6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が公表

米国の製造業景況指数は前月まで大きく改善してきたことで、反動的な鈍化が警戒されやすい。6月には米長期金利の上昇やドル高、欧州と新興国などの景気減速懸念、米国発の貿易戦争リスクなどが重石になっている。一方で、6月からは景気に先行するITハイテク株が再上昇するなど、米国経済の底堅さも示された。同じ6月分のNY連銀製造業景況指数は25.0となり、市場予想の18.8や前月の20.1を上回る打たれ強さを示した。

 

欧米イベント

○15:45   6月仏企業景況感指数(予想:106)
○16:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○16:30   スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.50%で据え置き)
○17:00   1-3月期南アフリカ経常収支(予想:1880億ランドの赤字)
○17:30   5月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.1%)
○18:45   バイトマン独連銀総裁、講演
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.50%に据え置き、資産買取プログラムは4350億ポンドで維持)
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
○21:30   4月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.3%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:22万件)
○21:30   6月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:29.0)
○22:00   4月米住宅価格指数(予想:前月比0.5%)
○22:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○22:30   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、レイネッシュ・ルクセンブルク中銀総裁、講演
○23:00   5月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.4%)
○23:00   6月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:0.0)
○22日03:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:7.75%に引き上げ)
○22日05:15   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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