FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:連休控え様子見ムード強く小反発

米国で1日当たり新型コロナウイルス新規感染者数が7万人超と過去最多に増え感染再拡大に経済『正常化』遅延への警戒感強まりNYダウ先物の軟調推移に売り優勢となり下げ幅は広げた。午後は日銀のETF(上場投信)購入観測の浮上や中国・上海株の堅調が投資家心理を支えて下げ幅を縮小した。しかし、東京都内で新たに168人が新型コロナウイルスに感染していることが確認された』と報じられると相場の重石となった。また、4-6月期の国内主よ企業の決算発表を控えているほか、今週は3営業日しかないことなどから様子見姿勢が強かった。結局、前営業日比21円高の2万2717円と小反発して終了した。

 

東京外国為替市場:107.60円が上値目処として意識

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りフローが通常より多くも見込まれ、107.53円付近まで上昇した。しかし、8日につけた107.60円が上値目処として意識されると、上げは一服した。その後は、米長期金利の低下や日経平均株価の下げ幅拡大を眺めたドル売り・円買いが入り107.30円台へじり安となった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、107.30円を挟んでもみ合いとなった。本邦実需勢の売り買いは午前で一巡したこともあり取引は薄くなった。ユーロ/ドルは、一部メディアが『EU内の強硬派は、復興基金で3900億ユーロの補助金案を受け入れる可能性がある』『オランダなどの財政規律を重視した4カ国が復興基金の補助金額に同意する用意がある』などと報じたことがユーロ買いを誘い1.1455ドル付近へ上昇した。

 

中国の6月以降は金融緩和や景気対策から景気回復基調

中国の経済指標のうち、かつて李克強首相が『遼寧省のGDPより確か』と指摘した比較的信頼性のある鉄道貨物輸送量(李克強指数の一つ)は、5月に前年比+1.4%とプラス回復になっている。昨年12月の+13.3%から今年4月の-2.7%までの急落が一服になってきた。同じく李克強指数の一つである電力消費量も、5月は前年比+4.6%と4月の+0.7%から改善している。2月の-10.1%という大幅悪化から、底入れを固めつつある。最新6月の中国貿易統計で、内需を示す輸入がドルベースで前年比+2.7%と今年初のプラス化となった。5月の-16.7%という大幅減から、リバウンド回復となっている。信ぴょう性はともかく、金融緩和や景気対策を受けた不動産・インフラ関連の投資増加などにより、鉄鉱石輸入は33カ月ぶりの高水準となった。原油輸入も月間と日量の換算で、過去最高を更新している。輸出も+0.5%と打たれ強さを示した。中国ではこうした景気回復期待のほか、政策的な株価支援策や、香港問題による香港からの資金流出阻止策、香港と中国本土の金融市場の信認維持策といった各思惑もあって、7月以降は株高が加速されてきた。

豪州は感染拡大による景気低迷観測が豪ドルの重石

ウイルス感染が豪州最大の都市シドニーを擁するニューサウスウェールズ州に広がっている。豪州は厳格なウイルス対策を行っていることから、景気低迷観測が豪ドルの頭を抑える可能性がある。メルボルンではステージ3のロックダウンが行われているが、ステージ4に引き上げられるとのうわさも流れている。ステージ4になると、薬局やスーパーマーケットなどを除いてすべて営業が停止されるため、経済への影響は深刻化する。モリソン豪首相はこのロックダウンが7月の雇用指標に影響を及ぼすと発言しており、今後の雇用指標の悪化見通しも豪ドルにはマイナスとなりやすい。

 

23日のトルコ中銀政策金利の発表では据え置き予想

トルコ中銀政策金利の発表では、2会合連続の『8.25%で据え置き』が大方の予想です。インフレが再び上昇傾向となり、実質金利マイナス幅が広がるなかで緩和休止策は妥当となる。中銀声明で今後の物価見通しに変化がでるのかが注目されます。なお、24日にトルコ格付けを発表するスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、利上げの必要性も指摘している。S&Pによる現在のトルコ格付けはB+、見通しは安定的としている。

 

来年にもメキシコの投資適格級の各付けを失う可能性

大手米銀が発表したレポートによると、来年にもメキシコは投資適格級の格付けを失う可能性があるとの見通しを発表した。仮にそうなれば、メキシコ国内からの資金撤退で株安・債券安・ペソ安が加速することも想定される。

 

米国では景況感や先行景況観も6月から低下傾向

経済活動再開が注意深く進んでおり、NY州は第4段階の活動再開入りした。一方で、活動を早めに再開しウイルス感染が再燃している一部の州では、逆に活動再開の段階を数段階戻す兆候が見られ解雇の動きも再燃している。米国の労働市場の回復を遅らせる可能性が懸念される。消費の鈍化にもつながり景気の回復も抑制する。実際、7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は73.2と、上昇予想に反して6月78.1から低下した。現在景況感や先行景況観も6月から低下しており、今後の消費が鈍化し、景気回復も抑制されることが懸念される。

 

トランプ大統領は選挙日までの大幅な株価を予告

トランプ米大統領は19日放映の米FOXニュースとのインタビューで、大統領選挙日までの大幅な株高を予告し、景気回復を追い風にした再選に自信を示した。月内にもまとめる新型コロナウイルスの追加経済対策では、給与税減税を目玉として実現に強い意欲を示した。トランプ氏は、経済活動の再開で戦後最悪となった失業率が改善していると強調し、来月上旬に発表される7月の雇用統計は『良い数値になるだろう』と指摘した。『わたしが史上最高の経済を築いた。それを再び実現する』と訴えた。
トランプ政権と与党共和党は7月中にも追加経済対策をまとめる方針である。給与税減税に関し『もし(議会が可決した)法案に含まれていなければ、署名しないことも検討する』と語り、法案に拒否権を行使する可能性も示唆した。

 

欧米イベント

○15:00   6月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.2%)
○17:00   5月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○21日00:10   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、テンレイロMPC委員、講演

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