FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:ワクチン開発進展と駐豪経済回復基調を好感した買い

米バイオ製薬モデルナが開発中の新型コロナウイルスのワクチン開発進展で経済『正常化』が早まるとの期待からNYダウ先物が上昇し、出遅れていた景気敏感株中心に幅広い銘柄に買いが集まった。また、中国経済の回復基調も中国関連株の支援材料となった。結局、前営業日比358円高の2万2945円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は方向感を欠いた値動き

ドル/円は、日経平均株価や上海総合株価指数や上海総合株価指数をにらみながら、107.20円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。五・十日にあたり仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。午後に入っても、107.25円を挟んで方向感に乏しい値動きが続いた。日銀金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の維持を決定した。日銀展望リポートでは、2020年度の実質国内総生産(GDP)見通しが事実上は下方修正されたものの、ドル/円相場への影響はほとんどなかった。ユーロ/ドルは、午前中に約4ヵ月ぶりの高値1.1423ドルをつけた反動から、利益確定などのユーロ売り・ドル買いに押され、1.1390ドル台へ軟化した。

 

1~6月FX取引額が過去最高

金融先物取引業協会によると、2020年1~6月の店頭FX53社の取引金額は3231兆円と、半期として過去最高だった。新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した金融市場の混乱で為替相場の値幅が大きくなり、収益機会と捉えた個人が多かった。1~6月の全体の取引金額に占める通貨ペアの比率をみると、首位は『ドル・円』取引で63%、『ポンド・円』取引で12%、『豪ドル・円』取引で9%の順となった。

 

新たな資金の逃避先として中国国債へ資金流入

市場の混乱を回避したい投資家は、中国国債を新たな資金の逃避先として見いだしている。経済調査会社CEICのデータによると、4-6月期に人民元建ての中国国債に対する外国資金の流入ペースは2018年後半以来の好調さを見せた。流入規模は4兆3000億元(約66兆円)超と、過去最大を記録した。外国の中国国債保有は近年増加している。中国政府が売買しやすくしていることも要因となっている。19年から主要な債券インデックスに組み入れられたこともある。

 

メキシコでの感染者数はイタリアを抜き4位へ

メキシコでの新型コロナウイルスの感染拡大は続いており、死者数は3万5000人を突破し、イタリアを抜き世界4位の多さとなった。感染者数の合計も30万人を超えた。もっとも、ウイルス検査が他国と比較して圧倒的に低いことからも実際の感染者数および死者数は現在報告されている倍の数に達する可能性と指摘する専門家もいる。
なお、各国での新型コロナ感染の深刻な状況を受けて、トランプ米政権は近日中にもカナダとメキシコの国境閉鎖を8月下旬まで延長することを検討しているとの報道が伝わっている。カナダのトルドー首相も昨日、週後半には国境制限に関する新たな措置を発表すると発言しており、メキシコ側からも近々何らかの対応が明らかにされる。

 

米国内では行動規制を再び導入する動き

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない米国で、行動規制を再び導入する動きが広がってきた。バーの営業停止などに踏み切ったのは9州に上り、経済規模で全米の4割弱を占める。感染者が増える他の地域も追随する公算は大きく、景気回復が遅れそうだ。西部カリフォルニア州のニューサム知事は13日「我々は在宅命令の『修正モード』に戻る」と述べ、行動規制を再び強めると発表した。3月中旬に導入した全面的な制限に戻るわけではないが、5月上旬から順次再開してきた飲食店の店内利用やバー、映画館などを再び閉鎖する。大都市ロサンゼルスを含む感染の拡大地域ではジムや美容院も営業を止める。

 

バイデン氏の認知症疑惑に関する調査結果に波紋広がる

ラスムセン社によるアンケート『バイデン氏の頻繁な失言や混乱した発言は、なんらかの形の認知症を病んでいるからだという批判があります。あなたが見たこと、読んだことから判断してバイデン氏がなんらかの形の認知症を病んでいると思いますか?』に対して、『そう思う』と答えた人が38%、『わからない』が14%だった。
○「アメリカではコロナウイルスで1億2000万人が死んだ」(実際は12万人)
○バージニア州とノースカロライナ州、オハイオ州とアイオワ州、ニューハンプシャー州とバーモント州を間違えた。
○オバマ大統領の名前を思い出せず、「私のボスだった大統領」と言った。
○「トランプはシャーロッツビルのデモに関して白人至上主義者を擁護した。英首相のマーガレット・サッチャー(※テレサ・メイ首相)も疑った」
○「1970年代後半(※1968年)にボビー・ケネディとキング牧師は暗殺されてしまった」

 

米国6月消費者物価指数は8年ぶり高水準

米労働省が発表した6月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.6%と4カ月ぶりのプラスで、予想+0.5%も上回った。前年比では+0.6%と5月+0.1%から上昇、2012年8月以降8年ぶり高水準となった。変動の激しいエネルギー、食品を除いたコアCPIは前月比+0.2%と、やはり4カ月ぶりのプラスで予想+0.1%を上回った。前年比では+1.2%と、低下予想に反して5月と同水準を維持した。 インフレの上昇でドル買いが優勢となった。

 

欧米市場のイベント

○15:00   6月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい/前年比0.4%)
       CPIコア指数(予想:前年比1.2%)
         小売物価指数(RPI、予想:前月比0.2%/前年比1.1%)
○15:00   6月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比0.5%)
○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○17:00   5月南アフリカCPI(予想:前月比▲0.5%/前年比2.2%)
○17:00   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   5月カナダ製造業出荷(予想:前月比9.5%)
○21:30   6月米輸入物価指数(予想:前月比1.0%)
○21:30   7月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:10.0)
○22:15   6月米鉱工業生産指数(予想:前月比4.4%)
         設備稼働率(予想:67.7%)
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○23:30   EIA週間在庫統計
○16日01:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○16日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○トルコ(デモクラシーの日)、休場

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