FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:前日NYダウが終盤に失速したことを嫌気

米国株が取り引き終盤に失速したことを嫌気して、寄り付きから3桁の下落した。寄った後はあまり動きはなかったが、上値は重く下値模索が続いた。弱い中でも22600円近辺では下げ渋っていたが、上海総合株価指数の下落も重荷となり、持ちこたえられず前場は安値引けとなり22600円も下回った。また、ポンぺオ米国務長官が13日、南シナ海における駐豪kの海洋進出に関し声明を出したことで、米中対立が激化するとの警戒感も相場の重荷となった。このところ上昇基調が続いていた半導体関連株などへの売りが目立った。結局、前日比197円安の2万2587円反落して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株が軟調な動きとなりリスク回避の円買い

ドル/円は、新型コロナウイルスのワクチン開発に対する期待感からドル買い・円売りが先行し、107.37円付近まで値を上げた。しかし、107.40円がテクニカル的な上値の抵抗線として意識され、上げは一服した。その後は、日経平均株価の反落や上海総合株価指数安などをながめドル売り・円買いに押され107.10円付近へ下落した。午後は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、107.20円前後で小動きとなった。ユーロ/ドルは、1.134ドルを挟んで方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

コロナ禍で個人の純金積み立てが急増

個人による純金積み立てが急増している。国内地金商の最大手である田中貴金属では、今年1~6月期の口座開設の申込件数が前年同期の2.6倍となった。もともと『ロウ豪2000万円問題』などがくすぶっていたところで新型コロナウイルスの感染拡大し、将来不安が急速に広がっている。そのため、『価値が目減りしない資産』として金への投資は熱を帯びている。田中貴金属では40~50代の会員が最も多い。月別にみると米イランの関係悪化など地政学リスクの高まりが意識された1~2月も多かったが、新型コロナへの不安から5月の増加が顕著だったという。また、楽天証券でも『白金や銀も含む貴金属の積み立てを始めた人は、今年1~7月に前年同期の4倍に増えたという。

 

欧州市場では復興基金の協議の行方が焦点

欧州では、16日に欧州中央銀行(ECB)が今週定例理事会を予定しているほか、17-18日に欧州連合(EU)サミットが予定されており域内各国首相は欧州復興基金を協議する。ECBは定例理事会で政策金利を据え置く見込みだが、緊急国債購入プログラムなどを修正するかどうかに焦点が集まる。ハンガリーのオルバン首相はEUが予算と復興基金で速やかに合意する可能性が低いと悲観的見通しを示している一方で、合意に向けた歩み寄りも見られ最終的に合意にいたるかどうかが焦点。

 

イエメンとサウジ間で小競り合いの様相

イエメンの親イラン武装組織フーシ派は13日、前日深夜にサウジアラビア南部ジザンの大規模石油施設をドローン(無人機)とミサイルで攻撃したと表明した。
これより先、サウジアラビアが主導する連合軍は、フーシ派がサウジに向けて発射したミサイル4発と、爆発物を搭載したドローン6機を迎撃し破壊したと発表。ただ、迎撃した場所や、施設などに被害があったかは明らかにしていない。ドローンはフーシ派が支配するイエメンの首都サヌアからサウジに向けて発射されたとしている。

 

メキシコペソ買いを誘う材料に乏しい

メキシコ国内からはペソ買いを誘う材料は乏しいのが現状である。新型コロナウイルスの感染者数は依然として増加傾向が続いており、累計の感染者数は30万人超えが目前に迫ってきた。死者数も3万5000人を数えており、全くと言っていいほど抑制できない状況にある。また、1日に発効した米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に関連して、先週にはロペスオブラドール大統領とトランプ米大統領の会談が行われたが、カナダのトルドー首相が米国の関税措置案に反対して協議を欠席するなど、出だしから3カ国の足並みの乱れを示す結果となった。いずれもペソ相場で材料視されたわけではないが、決してポジティブな環境ではないことは頭に入れておく必要がある。

 

米企業決算シーズン始まる:業績予想のつかない初めてのシーズン

米企業の決算発表シーズンが始まりつつあるが、投資家とアナリストにとっては大きな試練となっている。これほど予想のつかないシーズンは初めてだと彼らは話している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が生んだ経済危機を受け、S&P500構成企業のうち180社超が収益ガイダンスの発表を見送ったことから、投資家の視界は限られている。また、アナリストの利益予想は少なくとも2007年以来で最も広く分散している。

 

米国市場では6月消費者物価コア指数(CPI)が公表

6月消費者物価指数(コアCPI)は前年比+1.1%とインフレ率は鈍化する可能性がある。ただし、インフレ指標に関係なく米金融当局は緩和姿勢を堅持する見通しで、コアCPIは重要な材料になりにくい。

 

欧米イベント

○15:00   6月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.6%/前年比0.9%)
○15:00   5月英GDP(予想:前月比5.5%)
○15:00   5月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:82.00億ポンドの赤字/6.35億ポンドの赤字)
○15:00   5月英鉱工業生産指数(予想:前月比6.0%/前年比▲20.0%)
      製造業生産高(予想:前月比8.0%)
○15:30   6月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比▲2.4%)
○15:30   6月スイス生産者輸入価格
○16:30   6月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比0.5%)
        コア指数(予想:前月比0.4%/前年比0.5%)
○18:00   5月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比14.5%/前年比▲20.5%)
○18:00   7月独ZEW景況感指数(予想:60.0)
○18:00   7月ユーロ圏ZEW景況感指数
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○21:30   6月米CPI(予想:前月比0.5%/前年比0.6%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.1%/前年比1.1%)
○15日03:00   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○15日03:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○15日03:30   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演

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