FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:ETFの分配金ねん出目的の売り懸念

新型コロナウイルス感染拡大の米国で、前日のダウ平均が396ドル安の反落となり景気敏感株中心に売りが先行した。また、国内新規感染者が一段と増加したことを受け、利益確定売りが優勢となった。上場投資信託(ETF)の分配金をねん出する目的の売りが大引けに向けて出てくるとの見方も改めて相場の重荷になった。結局、前営業日比176円安の2万2438円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株安でリスク回避の円買い

ドル/円は、日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ持ち直したことを好感したドル買い・円売りが入り、107円台半ばから一時107.70円付近までじり高となった。しかし、昨日の欧州市場で付けた高値107.79円が意識されると上げは一服、107.65円付近でもみ合いとなった。午後は、日経平均株価が再びマイナス圏となったのを嫌気したドル売り・円買いが持ち込まれ、107円半ばまで下落した。ユーロ/ドルは、1.1275ドルを中心とした狭いレンジでの展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

6月街角景気は持ち直しの動き

内閣府が発表した6月景気ウォッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数が前月比23.3pt上昇し38.8と2ヶ月連続で改善、内閣府は基調判断を『新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、持ち直しの動きがみられる』に変更した。家計動向、企業動向、雇用いずれも改善を示し2-3カ月後を占う先行き判断指数も44.0と7.5pt上昇し、コロナショックの景気底入れを確認した格好となった。

 

メキシコ大統領が今日から訪米

今週8-9日に迫ったロペスオブラドール大統領の初の訪米に注目する向きはあるが、大統領選挙を控えるトランプ米大統領の政治パフォーマンスと揶揄する声も聞かれている。また、メキシコ大統領が熱望した米国・カナダ・メキシコでの3首脳会談も、トルドー・カナダ首相が米国のアルミニウム関税導入案に懸念を表明したことでカナダ側の訪米はなくなった。なお、新型コロナウイルスの総感染者数が世界第5位となるなど、感染拡大が止まらないメキシコだが、昨日は保健省のガテル次官が『パンデミックは来年4月まで続くと予想。インフルエンザが流行りだす11月からは一段と拡大する恐れがある』との見解を示した。全国的なロックダウン措置については言及していないが、さらに深刻な状況となれば緊急措置も避けられず、メキシコの景気後退懸念は一層強まる。

 

南アフリカの経済は非常に厳しい状態

南アフリカの4-6月期BER消費者信頼感指数は▲33となり市場予想の▲21を下回った。この結果は1985年のアパルトヘイト時代に記録した▲36以来となる悪い数値となった。厳格なロックダウンの最中だったとはいえ、記録的な悪化もランドの頭を抑える。ウイルス感染拡大とそれにまつわるロックダウンの影響で、南アフリカの経済は非常に厳しい状態が続く 。

 

米国経済や労働市場は危機前の水準から大きく下回っている状態

6月雇用統計は予想を上回る結果となり5月、6月でほぼ750万人が雇用された。しかし、現状の失業者数は1700万人と言われ、経済や労働市場は危機前の水準を依然大きく下回っている。最新週次新規失業保険申請件数は142.7万件と前回148.2万件から減少したものの減少ぺースは予想以上に遅い。失業保険継続受給者数は1929万人と、前回1923.1万人から増加している。万が一ウイルス第2波でリセッションが深刻化、企業破綻の拡大で、第2の解雇が加速すると恐慌時のような状況になる可能性も懸念される。
雇用が回復しないと、消費も改善せず景気回復も一段と遅れる。FRB高官らは労働市場のスラックが根強く残っていると慎重な見方をしている。

 

米国内で感染急拡大:感染者は米国内39州で増加

米国の新型コロナウイルス感染症による死者が6日、13万人を超えた。新たな感染急拡大地域であるフロリダ州マイアミデイド郡のヒメネス郡長は、住民280万人中4万8000人が新型コロナウイルスに感染したことを受け、レストランでの店内飲食を禁止する緊急令を発令した。カリフォルニア州では入院患者が過去2週間で50%増加した。テキサス州では新規の入院者数が前日比で500人増えて約8700人となり、8日連続で過去最多を更新した。

過去2週間の感染状況の分析によると、感染者数は国内39州で増加している。全米では過去数日の1日あたりの新規感染者数が平均で5万人を超えた。16州では今月に入り新規感染者数が最多を更新している。

 

欧米イベント

○14:45   6月スイス失業率(季節調整前、予想:3.4%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   5月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比▲13.1%)
○23:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○9日01:00   6月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%)
○9日01:15   ボスティック米アトランタ連銀総裁、ウェブセミナーに参加
○9日02:00   米財務省、10年債入札
○9日04:00   5月米消費者信用残高(予想:▲155億ドル)
〇米・メキシコ首脳会談(ワシントン)

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