FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米景気先行き楽観論で買い優勢

前日の米ダウ平均580ドル高の反発や米景気先行き楽観論に投資家のリスク回避姿勢が和らぎ前日の大幅安からの自律反発狙いの買い戻しが入り中国6月製造業PMI(購買担当者景気指数)上ぶれも追い風となった。新規手掛かり材料難に積極的な取引を手控える投資家が増え7月入りの経済指標を見極めたいと様子見ムードが広がった。結局、前日比293円高の2万2288えんと反発して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売りで底堅い展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅反発に支えられ、107.80円付近へ上昇した。アジア主要株価が全面高となったことも、リスク選好の円売りを誘った。複数のメディアが『中国全国人民代表大会の常務委員会は、香港国家安全法を全会一致で可決した』と報じたものの、市場は全てに織り込んでいたため、反応は限られた。午後は、日経平均株価をにらみながら、107.75円を挟んでもみ合いとなった。月末に絡む本邦実需筋の売り買いは午前で一巡したこともあり、商いは薄かった。ユーロ/ドルは、今晩発表される米経済指標を控えた持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り、1.12ドル台半ばから1.12ドル台前半へ水準を切り下げた。

 

日本企業による配当払いこみが7月上旬に予定

日本では、コロナ影響で不透明感はあるものの、3月決算企業による配当払い込みが7月上旬にかけて予定され、内外投資家による配当資金の再投資が見込まれる。
日本株の下支え効果を通じて、為替相場はリスク選好の円安や円高歯止め要因となる可能性は無視できない。同時に配当を受け取った外国人投資家に関しては、配当利益の部分的な本国送金を通じたドル転やユーロ転(円安要因)などが注目される。

 

トヨタ自動車の世界生産の減少は過去最大

乗用車メーカー8社が29日発表した5月の世界生産台数は、前年同月比61.4%減の91万6758台となり、100万台を割り込んだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、世界各地の工場で生産調整が実施されたため生産台数は大きく落ち込んだ。トヨタ自動車の世界生産の減少率は過去最大となった。8社の国内生産は61.9%減の28万7502台だった。トヨタの世界生産は54.4%減の36万5909台となり、減少率はデータがある2004年以降、最大だった。スズキとSUBARUも8割減となった。

 

露プーチン大統領の長期政権継続の可能性が濃厚

ロシア政府系『全ロシア世論調査センター』は29日、今月25日から始まった憲法改正案の是非を問う全国投票の初日から4日間の出口調査結果を発表し、76%が賛成、23.6%が反対と回答したと明らかにした。全国投票は7月1日まで。現在通算4期目のプーチン大統領に2024年の任期切れ後も続投を認める条項が最大の焦点で、改憲案は成立する勢いであることが示された。

 

メキシコの感染者数増で経済の先行き不透明感は強まる

メキシコ国内では新型コロナウイルスの感染者数が計20万人を超え、世界で11番目の感染国となった。経済活動再開の動きも遅れ気味で、メキシコ市は段階的な経済再開計画を一部延期した。先週にはロペスオブラドール大統領が新型コロナウイルス感染拡大で最大100万人の雇用が失われる恐れがあると言及したほか、国際通貨基金(IMF)は今年のメキシコ経済は10.5%のマイナス成長に陥るとの見方を示すなど、経済の先行き不透明感は益々強まっている。 一方で、今週1日には米国・メキシコ・カナダ(USMCA)協定が発効される。メキシコ国内での投資家の対応を巡って米国側からは不満が伝わるなど懸念材料も聞かれているが、長期的にメキシコにとってポジティブな要因となることは間違いない。

 

好調な米住宅販売もウイルス拡大で再び落ち込む可能性も

全米不動産業者協会(NAR)が発表した5月中古住宅販売成約指数は前月比+44.3%となった。伸びは3カ月ぶりのプラスで予想+19.3%を上回り過去最大を記録した。3月、4月はパンデミックの影響でそれぞれ20%超落ち込んだ。同指数は将来の中古住宅販売指数の先行指標として注目される。前年比では‐5.1%。ウイルスの影響で労働市場は弱いが、30年物住宅ローン金利の平均は3.2%で歴史的な低水準で推移していることが奏功した。ウイルスパンデミックにもかかわらず物件の内見・下見をバーチャルで行うあるいは、下見なく購入に踏み切る消費者もいる。住宅市場の先行指標とされる新築住宅販売も5月に17%増となり、前年比でも13%増で好調推移している。ただ、6月に入り再び、アリゾナ、テキサス、フロリダでウイルス感染者数が急増しているため、今後再び住宅販売ペースが鈍化する可能性をエコノミストは懸念している。

 

米国市場では6月CB消費者信頼感指数

5月実績は86.6に改善した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響は短期間で消えないとの見方が増えている雇用情勢は改善しつつあるが、すみやかな景気回復への期待はやや低下しており、5月実績をやや上回る水準にとどまる見込みとなっている。

 

欧米市場イベント

○15:00   1-3月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比▲2.0%/前年比▲1.6%)
○15:00   1-3月期英経常収支(予想:150億ポンドの赤字)
○15:00   5月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比10.25%)
○15:30   5月スイス小売売上高
○15:45   6月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比0.4%)
○15:45   5月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   5月仏消費支出(予想:前月比30.0%)
○16:00   6月スイスKOF景気先行指数(予想:77.0)
○16:00   5月トルコ貿易収支(予想:34.0億ドルの赤字)
○18:00   6月ユーロ圏HICP速報値(予想:前年比0.2%)
○18:00   6月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比0.8%)
○18:30   1-3月期南アフリカGDP(予想:前期比年率▲4.0%/前年同期比▲0.9%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○19:00   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○20:00   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:00   5月南アフリカ貿易収支(予想:98億ランドの赤字)
○21:30   4月カナダGDP(予想:前月比▲12.0%/前年比▲16.9%)
○22:00   4月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比3.8%)
○22:45   6月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:45.0)
○23:00   6月米消費者信頼感指数(予想:91.1)
○23:00   カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○24:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○24:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○1日01:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長とムニューシン米財務長官が米下院金融委員会で新型コロナウイルス対応めぐり証言
○1日03:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、パネルディスカッションに参加

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