FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:戻り待ちの売りに押される展開

約2ヵ月半ぶりに再開した新規株式公開(IPO)は、マザーズ市場に上場した3銘柄に買いが殺到した。個人の投資家心理が改善し、相場を下支えした。前日に月次売上高の急回復が明らかになった小売株などが買われた。外国為替市場での円高・ドル安進行が重荷となり、下げに転じる場面もあった。市場では『今後出てくる6月の経済指標を見極めたい』との声が聞かれた。また、本日の東京都の感染者55人を嫌気した戻り待ちの売りに押された。結局、前日比14円安の2万2534円と小幅反落して終了した。

 

東京外国為替市場:Tモバイル絡みのドル売りフローの思惑が重石

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りが先行、106.64円付近までじり高となった。しかし、前日にソフトバンクグループが米通信大手TモバイルUS株を売却すると発表し、巨額なドル売り・円買いフローが発生するとの思惑が浮上していることから、上値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価の上げ幅縮小を眺め、106.50円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価をにらみながら、106.50円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、欧州時間に発表される6月独IFO景況感指数を前に様子見ムードが強く、1.13ドル台前半で方向感に欠ける値動きとなった。

 

ソフトバンクの投資先が再び危機

ドイツ決済サービス会社ワイヤーカードの転落劇に先立ち、ソフトバンクとクレディ・スイスは異例の枠組みを通じて、同社に10億ドル(約1060億円)規模の投資を取りまとめていた。この合意に絡む仕組み商品の価値は急落しており、ワイヤーカードの経営危機による打撃を増幅している。 ワイヤーカードは2019年4月、ソフトバンクグループの系列会社が9億ユーロ(1080億円)相当の転換社債を購入するとともに、同社と戦略的提携を結ぶと発表した。

 

世界貿易は最悪シナリオ回避の可能性高い:WTO

世界貿易機関(WTO)は23日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で2020年は世界のモノの貿易量が過去最大の規模で落ち込むとした上で、最悪のシナリオは避けられるとの見方を示した。 WTOは4月、20年にモノの貿易量が13-32%減り、21年には21-24%持ち直すという試算を公表した。 WTOは23日、新たな数字は公表しなかったものの、各国が素早く対応したことで20年の悲観的なシナリオが現実化する可能性は低いとの見解を示した。

 

南ア政府が発表する特別追加予算に注目集まる

南アフリカの1-3月期の失業率は30.1%まで上昇し、昨年の10-12月期の29.1%よりも悪化した。これは2002年の7-9月期に記録した30.4%という水準以来の結果となった。ランドは指標発表前後での反応は限られたが、ウイルス感染拡大やロックダウン前にもかかわらず失業率が悪化したことで、次回の失業率がどれだけ高まるのかは要警戒になる。 そして、南ア政府が発表する特別追加予算は、所得税の変更の可能性が指摘されている。高所得者の税額を引き上げ、累進課税の変更が行われる可能性がある。ウイルス感染拡大で上記のように失業率が今後大幅に上昇することを考えると、低所得者への税率引き下げは納得ができる。また同時にこのウイルス拡大状況で富を得ている人に対して税率を上げることも、国民を含め合意が得やすいと考えられる。ただし税率を会計年度の途中で変更することは、行政上は相当な負担になることもあり、実際に行うかはまだ定かではない。他には燃料税の引き上げの可能性もある。ここ最近は回復しているが原油価格の急落で、燃料税は引き上げをしやすいとの声もある。その一方で景気回復に際して、原油などのエネルギー価格は低く抑えておきたいとの声も出ている。いずれにしろ南アの債務負担は、2024年までにGDPの100%に達する可能性があるとされている中、どのような予算を発表するか非常に注目が集まる。 

 

米国では新規感染者数が急増

米国で21日終了週に新型コロナウイルスの新規感染者数が25%急増した。感染者は25州で前の週から増加、うち10州では50%超増したほか、テキサスやフロリダ、アリゾナなど12州での増加はこれまでの最多を記録した。週間での増加は3週連続となった。増加率は前週の1%から大幅に加速した。 テキサス州で確認された感染者は2万4000人と、前週から84%急増となった。検査の陽性率も7%から10%に上昇した。フロリダ州も前週比87%急増の約2万2000人になった。陽性率は11%と、前週からほぼ倍の水準に達した。 アリゾナ州では90%増の1万7000人になった。陽性率も20%となった。

 

欧米市場イベント

○15:45   6月仏企業景況感指数(予想:72)
○16:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○17:00   6月独Ifo企業景況感指数(予想:85.0)
○17:00   4月南アフリカCPI(予想:前月比▲0.4%/前年比3.1%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   3月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.9%)
○22:00   4月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○25日01:30   エバンズ米シカゴ連銀総裁、討論会に参加
○25日02:00   米財務省、5年債入札
○25日04:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、討論会に参加

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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