FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:前日大幅上昇の反動から売り優勢の展開

前日に1000円を超す大幅上昇となった反動があったほか、NYダウ先物が軟調に推移したことを受けて、寄り付きから下落先行の動きとなった。大きく押したところでは押し目買いも入ったが、戻したところでは売り直された。週末には米国株式市場では、株式先物取引、株価指数オプション取引、個別株オプション取引の3つの取引期限満了日が重なるトリプルウィッチングを控えるため様子見ムードも強かった。結局、前営業日比126円安の2万2455円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買いで107円台前半でもみ合う展開

ドル/円は、北京で新型コロナウイルスの感染者が増加していることや朝鮮半島情勢の緊迫化を警戒したドル売り・円買いが先行107.13円付近まで下落した。日経平均株価の下げ幅が一時200円を超えたことも、リスク回避の円買いを誘った。ただ、前日に発表された5月米小売売上高が予想外の強い数字となり、米景気先行き懸念が和らいでいることから下げは一服した。その後は、国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、107.20円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。午後に入っても107.20円付近前後で乏しい値動きが続いた。ユーロ/ドルは、1.1270ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日本5月貿易統計は2ヵ月連続赤字

5月貿易統計速報は、貿易収支が8334億円の赤字で、2ヵ月連続の赤字となった。世界的に新型コロナウイルス感染拡大が広まったことを受け、輸出入ともに取引が大幅に減少し、マイナス幅が拡大した。輸出は前年同月比28.3%減でリーマン・ショック時の2009年9月以来の減少率となった。主な減少品目としては、自動車が前年比64.1%減、自動車の部分品が同57.6%減だった。輸入は同26.2%減で、同じくリーマン・ショック時の2009年10月以来の減少率だった。主な減少品目は原粗油が前年比78.9%、航空機類銅74.0%減だった。

 

北朝鮮情勢で軍事紛争発生する可能性は低い:ユーラシア

ユーラシア・グループは16日付のリポートで『北朝鮮の行動は劇的であり、危機感をあおるものであるが、短期的な軍事紛争の危険性を高めるものではない』とし、『軍事紛争が発生する可能性はまだ5%に過ぎない』との見方を示した。加えて、『北朝鮮が今年中に大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)の発射実験を実施する可能性や、アメリカに対する重大な挑発行為を行う可能性は低い』との見解を示した。一方、挑発によって緊張が高まったとして、米国と北朝鮮が11月の米大統領選前に何らかの外交的合意に達する可能性を20%から10%に引き下げた一方、ベースシナリオであるこう着状態が続く可能性を50%から55%に、米側が北朝鮮に対して何らかの制裁を課す可能性を25%から30%にそれぞれ引き上げた。

 

2021年の石油需要は大幅増の見通し:IEA予測

国際エネルギー機関(IEA)は16日、2021年の世界の石油需要が、前年比570万バレル増の日量9740万バレルになるとの予測を発表した。過去最大の減少が想定される20年から持ち直す。航空燃料の回復は鈍く、新型コロナウイルスが広がる前の19年水準はなお大きく下回りそうだ。IEAは6月の石油市場月報で、21年の需要予測を初めて示した。新型コロナで打撃を受けた経済活動の復旧が進み、過去最大の増加幅となる見通しだ。感染を抑え込むための都市封鎖(ロックダウン)で世界経済が急激に収縮した20年4~6月期を底に石油需要は回復をたどるとみている。

 

米5月小売大幅改善も一部では深刻な落ち込み

米商務省が発表した5月小売売上高は前月比+17.7%と、4カ月ぶりのプラスとなった。伸びは予想+8.4%を上回り過去最大を記録した。さらに変動の激しい自動車を除いた5月小売売上高は前月比+12.4%とやはり4カ月ぶりのプラスで伸びも予想+5.5%を上回り過去最大となった。原油高などが指数を押し上げた。
国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車・建材・給油・食品を除いたコントロールグループと呼ばれるコアの小売りは前月比+11%となった。伸びは4月の-12.4%からプラスに改善しやはり過去最大を記録しており、4-6月期経済の落ちこみを抑える可能性がある。前年比でも+2.1%に改善しており景気底入れ期待を強める。
内訳では、外出自粛が奏功し、オンラインの売り上げや、食料・飲料、建築財・園芸用品、スポーツ用品・趣味・楽器・書籍などは前年に比べても強い伸びを示しているものの、百貨店、レストラン・バーでの売り上げは前月からは改善したものの前年比ベースでの落ち込みは深刻で、危機前の水準への回復が可能かどうかわからない。

 

米国市場では5月住宅着工件数が公表

新型コロナウイルス感染拡大の抑制に向けた全国的なロックダウン(都市封鎖)で、4月は1959年以来最大の減少率を記録した。5月については、経済活動の一部再開を受けて前月比で増加する見込みだが、感染被害の影響は消えていいないことから、110万戸レベルにとどまると予想される。

 

欧米市場イベント

○15:00   5月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい/前年比0.5%)
       CPIコア指数(予想:前年比1.3%)
        小売物価指数(RPI、予想:前月比0.1%/前年比1.2%)
○15:00   5月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比0.6%)
○16:30   5月スウェーデン失業率
○18:00   4月ユーロ圏建設支出
○18:00   5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比0.1%)
○18:00   5月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比0.9%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   5月米住宅着工件数(予想:109.5万件、前月比23.5%)
        建設許可件数(予想:122.8万件、前月比17.3%)
○21:30   5月カナダCPI(予想:前月比0.7%/前年比横ばい)
○23:30   EIA週間在庫統計
○18日01:00   パウエルFRB議長、米下院金融サービス委員会で証言
○18日01:00   1-3月期ロシア国内総生産(GDP)改定値(予想:前年比1.6%)
○18日02:00   米財務省、20年債入札
○18日05:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○未定   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:2.25%に引き下げ)
○英中銀金融政策委員会(MPC、18日まで)

 

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