FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:海外短期筋の先物買い戻しが継続

材料難にもNYダウ平均先物の反発や米中対立先鋭化への懸念後退に堅調推移し新型コロナウイルス感染封じの都市封鎖(ロックダウン)段階的解除による経済活動の再開期待を背景に海外短期筋の先物の買い戻しが相場全体を押し上げた。結局、前営業日比161円高の2万0595円と4日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:107.70円台でこう着相場の展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、107.98円付近までじり高となった。日銀が22日に臨時の金融政策決定会合を開催すると決定したことも、円売りを誘った。しかし、米バイオ医薬品企業が開発した新型コロナのワクチンの効果の懐疑的な見方が浮上しているため、上値を追う動きは限られた。その後は前日の海外市場で付けた約1ヵ月ぶりの高値108.08円が意識されると、持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて107.75円付近へ下落した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、107.70円台を中心とした狭いレンジでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.0945ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州の4月の新車販売台数は大幅減少

欧州自動車工業会(ACEA)が19日に発表した2020年4月の欧州主要18カ国の新車販売台数(乗用車)は前年同月比80%減の24万5483台だった。52%減だった3月から下落率が拡大し、4カ月連続で前年実績を下回った。新型コロナウイルス対策のため多くの国がほぼ月間を通じ販売店の営業を禁止した影響が鮮明に出た。英国は97%減、フランスは89%減、イタリアは98%減と大きく落ち込み、18カ国すべてが2ケタ減となった。

メーカーグループ別では首位の独フォルクスワーゲン(VW)の販売台数は76%減で、シェアは29.1%と4.5ポイント上げた。2位は仏グループPSAで台数は83%減った。3位に独BMW(71%減)、4位仏ルノー(82%減)と続いた。

 

EUではコロナ危機への対応は前進できるか?

EUの復興基金を巡っては、その規模・財源・支援形態を巡って加盟国間の意見が対立してきた。5月中の具体策検討を指示された欧州委員会を中心に、現在、加盟国の説得や意見調整が続けられているが、支援形態を巡る規律重視国の反発が根強い。こうしたなか、ドイツとフランスの両国首脳は18日、返済を前提としない支援を提供する5000億ユーロの基金創設を共同提案した。今後の具体策での協議に先駆けて独仏の結束を示し、オランダやオーストリアなど反対国への協力を呼び掛ける狙いがある。
 復興基金の創設に向けて一歩前進した形だが、あくまで返済を前提とする支援を主張する反対国の説得はこれからだ。5000億ユーロに縮小された支援規模がイタリアなどの復興資金に十分かどうかも議論の余地がある。仮に復興基金の具体的な制度設計で合意できたとしても、その財源の裏付けとなるEU予算の増額を巡っては難しい協議が待ち構えている。

 

米国上院銀行委員会での発言内容

ムニューシン米財務長官とパウエルFRB議長は上院銀行委員会で証言した。パウエルFRB議長は政策総動員で経済を支援すると公約した。当局のパンデミック対策は巨大にのぼるが、十分かどうかはまだわからないとし、FRB、議会は追加措置が必要となる可能性があると繰り返した。長期の失業は何年も経済の重石になると警告した。ムニューシン米財務長官は、経済が下半期に回復すると自信を表明している。

 

米国住宅指標では先行き改善の見込みも

米商務省が発表した4月住宅着工件数は前月比30.2%減の89.1万戸と予想90万戸を下回り2015年2月以降5年ぶり低水準となった。下落率は過去最大となった。一方で4月住宅建設許可件数は前月比20.8%減の107.4万戸と、2015年1月来で最低となったものの予想100.0万戸を上回り今後、着工件数が回復する可能性を示唆した。

 

投資家の月次調査ではリスク資産について弱気な見方

バンク・オブ・アメリカが19日に公表したファンドマネジャー対象の月次調査によると、投資家は株式や高リスク資産について弱気な見方を示した。新型コロナウイルスの第2波のリスクが残る中で、経済回復も当初予想より遅くなると見通した。
株式相場は3月に急落した後、封鎖措置が緩和されると経済が急回復するとの期待が高まり、2カ月弱で31%高と、値下がりの半分以上を取り戻した。ただ一部の国で新規感染件数が増えており、期待が後退した。この日の調査によると『第2波』が市場の最大リスクとみなされている。そのほか、失業率の高止まりや欧州連合(EU)の分裂もリスクとして挙がった。ただ米国では大規模な金融緩和と財政刺激策が導入され、米国株式相場は他市場をしのいだ。 194人の回答者のうち、75%がU字かW字での回復を見込んでいる。V字回復を見込んでいる回答者は10%にとどまった。V字は経済が急速に落ち込んだ後、同じペースで回復することを意味する。U字は回復に2四半期以上かかることを意味する。W字はいったん回復した後に2番底に入ることを指す。

 

欧米市場のイベント

○15:00   4月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%/前年比0.9%)
       CPIコア指数(予想:前年比1.5%)
        小売物価指数(RPI、予想:前月比横ばい/前年比1.6%)
○15:00   4月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比0.7%)
○17:00   3月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○18:00   4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比0.4%)
○18:00   4月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比0.9%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   2月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.1%)
○21:30   3月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲4.8%)
○21:30   4月カナダCPI(予想:前月比▲0.6%/前年比▲0.1%)
○22:30   ベイリー英中銀(BOE)総裁、ブロードベントBOE副総裁、カンリフBOE副総裁、議会証言
○23:00   5月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲24.0)
○23:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○21日01:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、討議に参加
○21日02:00   米財務省、20年債入札
○21日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月28日-29日分)

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